2017-06

クリスマス講演を終えて - 2016.12.29 Thu

クリスマス講演というとなんか歌でも歌ったみたいですが、あくまでも公演ではなくて講演なのでお話ししただけですよ。
その代わり本当に一日中しゃべりました。
10時前の開場のときからいらしていただいた方とお話しして、そのまま講演、講演終了後も質問や相談をお受けして、お弁当を食べながら午前から通しで参加して下さった方たちと保育の話をし、そのまま座談会のような感じで午後の部に突入。

午後の部は保育士向けなので専門的・実践的な話もまじえてかなり詰め込んでお話をしました。
本当に内容一杯だったので聴く方も大変だったと思います。
その後のワークショップでも皆さん活発にお話されていましたし、終了時間以後もそのままみなさんいろいろな保育の話で盛り上がっておりました。
結局午後6時くらいまで会場のご厚意で使わせていただいてしまいました。
そう考えると8時間ぶっ続けでお話をしていたようです。でも、とても張り合いのある一日になりました。
参加されたみなさまお疲れ様でした。








僕自身、こういったみなさんに直接お話しできる機会がもてることを大変ありがたいことだと毎回かみしめております。

子育てって結果が見えにくい仕事です。
「私がこれをしたから子供がこうなっているんです」ということがわかりにくいです。
とくに大事な部分ほど見えません。

そして、見えにくいものだから誰も褒めてくれません。褒めなくてもいいけど、認めてもらえること、気づいてもらえることもありません。
むしろ、頑張ってそれをやったとしても「できて当たり前よね」とされてしまうことも少なくありません。
そういうところのあるものだから、前向きなモチベーションを保つのはけっこう難しいです。

そして、子育てって誰もが同じではありません。
あることを子供にするのに、なんの努力もなく自然にそれこそ意識することも難なくできてしまう人もいれば、ものすごい精神的エネルギーを費やしてもなかなかそれがうまくできないという人もいます。
普段ブログにいただくコメントやメッセージ、頂戴するメールや講演前・終了後のアンケートなど、その内容が大変熱いのですね。

「子育てを投げ出したくなっていたところで僕の話に出会って、我が子をもう一度可愛く見えるようになった」
「子育てだけでなく、自分自身が子供のときから抱えていたもやもやの正体がわかって前向きに生きられるようになってきた」
「なにもしらないままでいたら自分の性格ではきっと子供を支配する子育てになっていたはずなので、おかげで人生がかわりました。いまは子供可愛くて仕方がないです」

など。



このブログを初めて7年が過ぎましたが、その頃はまだ「子育てはこれをすればいいのに、なんでみんなしないんだろう。知らないのかな。じゃあ、ここで書いていこう」といったところからだったのですが、子育てそのもの以上に子育てする人が抱えるものが大きいことに気づかされてきました。
また、そこと現在子育てでいわれているたくさんのこととのギャップも強く感じます。

それらは一言では言い表せないのだけど、あえてキーワードになっていることをあげるとすると「否定」ということが底流に流れていることがあります。


子育ての情報の中には

「これは子供のために必要ですよ。親としてやってあげて下さいね」と書かれているものがあったとして、それが難なくできる人にとって、そのことは少しも否定ではありません。
しかし、それが頑張ってもできない人にとっては、「できないあなたは親としてダメですね」という風に聞こえてしまいます。つまり否定ですね。
もちろん、それを言っている人も多くの場合そのように否定するつもりはないのですが、結果としてそういうメッセージになることがあり得るということです。



なかには、もっときっぱり脅迫的に「○○しないと子供がダメになってしまいます」という方向での子育て情報もありますね。
なんらかのトレーニングや、教育商材、健康関連品などのお金儲けの文脈につながっているものもありますし、そういうものとは関係ないのだけどそのような強い主張になっているものもあります。
「子供の○○脳を△歳までに育てましょう」といった話も、一歩間違えるとそういうものになるきわどさを持っています。
これらもある種、直接そうは言っていなかったとしても受け取り手にとっては「○○しない(できない)あなたはダメ」→「○○できない私はダメなんだ」という否定へとつながっていきます。



また、「私はそれをしたのだからあなたもやりなさい」「私はできたのだからあなたもできるはず」といった主観論にもとづく子育ての意見も世の中には多くあり、これも子育てする人を否定し責める方向に機能してしまいがちです。
特に前の世代でできたことをそのまま押しつけられても、現代は大きく状況が変わっているので同じようにはいかないのですが、「自分はやってきた」という主観的な自信を持っている人はそれを理解しにくいので難しい問題です。

別に世代をまたいでいなくても、「私はできるのだからあなたもできるよね」は子育てでは成り立たないことです。しかし、そういった主張や見方をする人は少なくないので、子育ての当事者の「否定」に行き着いてしまいます。




僕は、僕自身が弱い人間でありできないことや失敗してきたこともたくさんあるので、たまたま「○○できるよね。あなたも頑張りなさいよね」という上からの見方をしませんでした。

いろんな子供や家庭、親を見てきた経験から、子育てする人に対して
「できないことがある。弱い部分がある。じゃあその上であなたが子供にできることで考えていきましょう」
と思えるようになっています。

また、それはおためごかしではなく子供はそれでちゃんと育てることも知っています。
それがどうしてかは話すと長くなるけど、「子供は親の一番の味方」だからね。



そういった思いがあるので、講演のような場で直接お話ができることをとても大切に思っています。
だから僕は例えばテレビなどに出て多くの人に語りかけるようなマクロ的な人間ではなくて、個々の人に直接関われるようなミクロ的な取り組みが性に合っているのだと感じます。



8月末から講演とその準備がずっと続いていたので、長いこと気を張っていた感じです。
代わりが立てられる仕事ではないので、風邪も引けないというのは意外と緊張をしいられるものです。
この年末年始はちょっと気を緩めてのんびりしようかと思います。


今年も読者のみなさまには大変お世話になりました。
どうぞみなさまもよいお年をお迎えください。

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● COMMENT ●

ありがとうございました。

おとうちゃんさん、こんにちは
次女が産まれて1年、0才の時期を可愛い可愛いして過ごすことが出来ました。
それは私にとっても自信となり、長女とのごたごたも気付けば乗り越え、家族間のバランスもとてもいい感じになっています。
このブログと出会えて本当に感謝しています。

おとうちゃんさんもどうぞよいお年をお迎えくださいね。
来年のご活躍も応援しています❗

ありがとうございました。

保育士向けセミナーに出て、懇親会でお隣に座らせていただいたものです。

今までママとしていろんな子育てセミナーを聞きに行ったんですけど、その場では「いいこと聞いたなあ」と感動しても、大抵2~3日もすれば忘れてしまっていました。
でも今回はなんだか違うんです。
保育士の立場から聞いたからか、今まで分かっているようで分かっていなかった受容ということがすごく腑に落ちたなと感じています。
なんというか、一問一答で「子供がこんな時にはこうしましょう」みたいなところではなくて、もっと根本的に大事なことを掴めたのかなと。

私は保育士の資格なんて取ってる割には子供と遊ぶのが苦手だったんです。
それは、なんというか子供と遊ぶには楽しませるために特別なことをしないといけないというか、手遊びとか歌とか、そういうのが上手じゃないといけないと思ってたんだなと。
今回の講演会の会場に入った途端に、なんだか泣きそうな気持になって、いちいち涙をこらえながら話を聞いてました。
それはきっと、会場の受容の空気だったのかもなあと思います。
子供と遊ぶのに必要なのは受容、静かに微笑んでみているだけでもいいんだと聞いて、すごく気が楽になりました。

そういえばまるで刑務所のような支配型の保育園で働いていた時、いつも遊びの輪に入って来ずに部屋の片隅に泣きそうな顔をして佇んでいる、なんとも頼りなげな子がいたんです。その子がうちの子に似ていたのでつい気になり、毎日一番に「○○君おはよう」と声を掛け、目が合えば微笑み、近くに来たら頭をなでたり一緒に遊んだりしていたんです。
そしたら2週間位したところで、「これはあの○○君なの?」と思う位いろんなことを自分でしだし、トイレトレーニングにも積極的になったりおしゃべりも多くなったので驚いていたんですけど、これがおとうちゃんさんが言っていた事だったんだなと思いました。

ただ私は人の子供にはとても寛大でいられるんですけど、自分の子となるとまた話は別で。今は年長の息子相手に同じ目線でケンカをしてしまっては反省してます。
これをどうにか出来たらなと。
今度は母親向けの講演会に参加したいなと思います。

とにかく、子供だけでなく自分自身のこともありのままを受け入れるっていうことがどういうことなのかが、頭ではなく腑に落ちたというか体感できたというか。講演会に参加して本当に良かったです。
ありがとうございました。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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