2017-11

「自立」と「させる」 - 2016.06.02 Thu

この前『本当の「できる」とはなにか?』の記事を書きました。

そこでは、幼児期・学童期の大人の意識を見ましたが、いまではこんなことも現実に起こっています。

『大学生の出席率を親がスマホで監視? ネットは賛否「当然のこと」「大学生にもなって心配されるなんて」』





幼児期・学童期の「忘れ物のないように親が確認してあげてください」と、この大学生の出欠等を親が管理していくことは、無関係ではなく延長線上にあることだと思います。

最近では、新入社員が風邪で休むのにその親が会社に連絡をしてくるといったことも起こっているそうです。


人を育てる上で、もっとも大事なことのひとつに「自立」があります。

大人がお膳立てをして「正解」を持たせることは、実はそう難しいことではありません。


「勉強しなさい」と大人が追い立てて勉強させることはできます。
でも、本当に大事なのは子供自身が自分から「勉強に取り組もう」と思えることです。

その大人が、「勉強させたい」「勉強させなければ」と思ったとき、近くにある方法は、上の直接子供を追い立てて勉強「させる」やり方です。

しかし、本来目指すべきなのは子供が自分から勉強したい(or しなければ・しよう)と思えることです。



現代の多くの人が、ほとんどの子育てのシーンで子供へのアプローチで考えているのは、この「させる」になってしまっています。

でも、それでは人が育つ上でとても大切な「自立」を育んで上げることが難しくなってしまいかねません。


実は、子供の方はそれをよくわかっています。
なので、過保護・過干渉が強い状況で子育てされると、自然に心の奥深くで「このままじゃあかん!」と思って反抗や反発をするように、どうも人間の成長のメカニズムに刻まれているようです。

しかし最近は、あからさまな反抗や反発を子供たちはしない(できない)ようになって来ています。

すると、その過保護や過干渉を不満に感じながらも、しぶしぶ受け入れていくことになります。それでまあどうにか問題なく人生を送れる人もいれば、そうはいかずにどこかでなんらかの問題や生きづらさとしてでてきてしまう人もいます。





大学生というのは学生ではあるけれども、本来、存在としては大人と見なす年齢です。

中学・高校の出欠であればある程度大人が気を配るというのは考えられうることですが、大学でも同じことをするというのは、「自立のできない大人」に我が子を現在進行形で”している”、もしくは”してしまった”ということです。


このように、親が大学の出欠まで確認するというのは、親が努力をする場所を間違っていると言えます。
本当に注力すべきは、それ以前の段階までに子供とその信頼にたる関係を築くことや、子供をその信頼にたる存在にすることです。
または、大学でなにかを学びたいという意欲を持った人間に育てるといったことです。



「自立」という視点は、もっとも大切なことのひとつであるにも関わらず、しばしば忘れられてしまいます。

でも、「自立」は0歳の赤ちゃんが生まれた瞬間からすでに始まっているのです。
それも、一時も休むことなく。


就学前のお子さんをお持ちの方はちょっと考えてみてください。

その子は、小学校1年生になれば親におくってもらうのではなく、毎日自分で、自分の足で学校に通うようになります。

それまであと何年間ですか?


生まれたばかりのお子さんをお持ちの方だったとしても、あとたったの6年でそうなるのです。

6年などあっという間です。
3歳の子をお持ちの方は、あとたった3年後です。

子供は否でも応でも成長していきます。
親が子を自立させない方向に育ててしまうことは簡単です。
しかし、自立をさせる方向で子供を育てることは、なかなか簡単ではありません。

でも、頭の片隅にでもいいからこの「自立」ということを持っていて欲しいと思います。


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● COMMENT ●

中学生以降の話になると、自分の体験が記憶にあるので子供の想いがわかります。「お母さんが言わんといてくれたらちゃんとするのに先に言われたらする気がなくなるわ」と確かに思っていました。
でも子供が産まれてみると、その子は乳を飲むことも、時には排便も一人でできないフニャフニャの子。疲れた体であれもこれもとお世話することに慣れてしまったんですね。
気を付けます。

実は隠された論点があります。

大学生の出席を親が電子的に監督するというのは、少し聞くとそういう親離れのような話になりますが、大学内部の問題意識は全く異なります。というのも、地域や大学によって異なりますが、平均して私大で3割程度、国立大で6割程度の学生が一人暮らしをします。心身に異変があったときに、自宅通いや小中高のように担任が毎日顔を合わせるという環境であれば迅速に対応できますが、一人暮らしの学生は親や大学が体調管理することが難しいのです。
特に20歳前後は精神病の発症率が高く、また身体の病気でも若いだけに劇症や急性の可能性が高くなります。このような事件が起こったとき(というかどの大学でも起こっているのですが)に、大学は出席状況を知っていたにも関わらず対応しなかったという批判は当然あり得ます。私ですら仮に自分の子供が一人暮らしで精神病に罹患しなにかが起きたら、なぜ大学は出席状況を知っていたのにかかわらず教えてくれなかったのかという気持ちになります。
こういう事情もあって親にも出席状況をリアルタイムで知ってもらう必要性があるのです。わざわざ責任問題を惹起しないために論点を明確にせず、出席を親が管理という部分だけ提示しているのです。

ちなみに大抵の企業は社員が出社しなくなれば家まで行って状況を確認しますし、保証人や親族に連絡もします。小中高と企業は出欠確認をし即座に親族に連絡するのが常識なのに、大学だけは甘やかし、というのは不思議に思います。出欠=成績という固定観念があるのではないでしょうか。むしろ学生の安全のためが主とご理解下さい。


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