2017-03

体罰のある学校でイジメがなくなるわけがない! - 2016.05.13 Fri

指導や教育の名をかたった体罰が一向に減る様子はありません。

↓体罰は少しも減っていません。むしろ、社会的に学校における体罰が問題視されたり、それを苦にした自殺が起こっている現在ですらこのようにあるということは、より深刻度を増していると考えた方がいいのかもしれません。

体罰認定、学校名を異例公表 東京都教育委員会
(リンク先記事で挙げられているのはごく一部のみ。詳しくは東京都HPのこちらとPDF参照のこと)




(本当に誠実な教師の方がいらっしゃるのは重々存じています。しかし、するべき批判がなければ、良くなるものも変わらないと思うので思うところを述べさせて下さい)



学校や教員、文科省といった関係各所も、いくら口では「体罰はあってはならない。なくなるよう全力を尽くす」と言ったところで現に変わっていないのだから、本気で体罰を無くす気はないんだろうと言われても仕方がないのではないかと思います。


「これで先生がくびになったら一生許さない」と小5男児に体罰後暴言 30代教諭、大阪市立小



女子ソフト部員9人に「指導」称し暴力…大阪市立中教諭を停職3カ月




最近起こったふたつのニュースをあげましたが、下のケースの教員は「24年の市立桜宮高のバスケットボール部主将の自殺問題」を受けた体罰防止のための研修を受講していたとのことです。

それでもなおかつこれだけの常習的な体罰をしているのですから、完全な確信犯と言えます。

学校における「体罰」は「研修」では防げないのです。
研修、その他の「自助努力まかせ」では防ぐことができないのです。
本当に体罰を無くそうとするのなら、そのことを認識した上で対応策を考えなければなりません。


上のケースは、「異動」でチャラになっています。
まったく皮肉なのは、当の体罰している教員自身が、「クビになるかもしれない行為」と認識しているにもかかわらず、ばれても無処分なことですね。「クビかと思ってたけど、なんだチョロいじゃん!」って感じですね。

下のケースでは中学生に対して63回にもわたって殴る、平手打ちするといった暴行を繰り返し、さらには頭部に4針縫うケガまでさせておきながら、3ヶ月の停職処分で済ませています。


いや、ありえないでしょ。

これは立派な刑事事件ですよね。
懲戒解雇した上で告発、刑事告訴すべきではないでしょうか。
なんで、こんな処分軽いの?
もし、誰かが街に出て女子中学生をつかまえて、平手打ちしたらたった1回でも確実に逮捕されていますよね。

これでは、体罰なくなるわけがない!




それ自体、是非を問うていかなければと思うけれども、現実には日本の学校において教員は子供に対する「権力者」になってしまっています。

権力が与えられてしまっている以上、そこには抑制する因子が働かなければこれが暴走するのは起こるべくして起こることです。

本当に体罰すべきでないと、文科省はじめ、学校関係者が考えているのならば、こういった明らかな犯罪行為に対しては断固とした処分をするべきなのです。

僕は別になにも突飛なことをいっているわけではありません。
民間企業ならば、そんなことはどこでも当たり前だからです。

63回も暴行事件を起こしている人間を雇っておくまっとうな会社などありません。懲戒解雇が普通のことです。
ましてや、職業上のクライアントに対して暴行を振るったなどということになったら、さらにそのジャッジは重いことになるでしょう。

なんで、学校は「治外法権」なの?



大人が子供に暴力を振るう。
これは異常な事態なんですよ。学校の教員はそういうことが当たり前の環境に居続けたせいで、その感覚が麻痺してきてしまっているのでしょうか?

子供は、二重に守られています。

一般の大人でも、暴力行為から守るために、暴行罪・傷害罪という罪が法律で規定されていて守られています。

子供の場合は、児童保護の観点から、さらに手厚く守るべきと法律上でも考えられています。


二重に守られているはずなのに、本来はその守るべき存在となる教員が暴力を振るう。
これは決してあってはならないことです。
本当にあってはならないと考えているのならば、こんな甘い対応はでてくるはずはないのです。

異動で済むとか、犯罪行為なのに告発もされず「3ヶ月ほとぼりをさましてきてね」で済んでいる現状は、どうぞ「体罰おやりなさい」と言っているのとさして変わりません。

公務員はどんなに問題がある人でもなかなクビにすることができません、刑事事件を起こしたときすらかばうようでは、学校は恐ろしすぎる場所であり続けはしませんか。

僕らが子供の世代は、理不尽な暴力を振るう教師やセクハラ教師がわんさかいて苦しめられました。大人になっても心に傷を負っている人もいます。
もう、そういうのは僕らの世代までで終わりにしましょう。
でも、「昔、自分たちはもっとひどいことをされていた。いま起こっている程度のことは些細なものだ」ということを述べる大人が少なくありません。それは大人として情けないこととは思わないでしょうか。




一般に「体罰が指導になる」と考えている人は、少なくありません。教員の中にすらいます。

しかし、よく考えてみればすぐわかることなのですが、体罰が指導になるのであったら、なんのために学校の先生は勉強して資格をとっているの?
教育学部や、教育課程はなんのためにあるの?
体罰にいきつくのは、指導力、教育力のなさの露呈にすぎないのです。



「熱意があるから体罰になってしまった」

この論法をしばしば耳にしますが、本当の熱意があるのならば、もっと指導法を学ぶ方にその意欲を向けたはずです。
「より適切な指導法を学ぶ意欲もないから、体罰という安易な手段を用いる」というのが本当のことなのです。
体罰に行き着く「熱意」とは、自分勝手で独善的なモラハラ的「熱意」にすぎません。




「熱意があったから体罰がでてしまった」のではないのです。
人間は権力があればそれを行使したくなる誘惑に勝つのが難しい存在なのです。

「殴っていい」、「セクハラしていい」といった状況があったら、それを防ぐのはただ倫理観などだけでは無理なのです。

教員による体罰を、もっと重く捉えて対応を考えていく必要があります。
警察官が犯罪行為を犯したら、それは一般の人がするよりも重く受け止めるべきことですよね。教員が体罰を振るうのはそれと同様に深刻に考えるべきことなのです。「ほとぼりを冷まして終わり」のような形であってはなりません。


権力を振るうのは、そういったことを好む人間にとってはとても楽しいことです。
人間相手、子供相手の職業には、この傾向を持つ人が必ず潜り込んできます。しかも、少なからず・・・・・・。
厳然としてNOと言わなければ、決して学校から体罰がなくなることはないでしょう。




ある学校の先生が、イジメについてこういったことを生徒に話していました。

「自分はイジメに参加していなくても、そのイジメを見て見ぬふりをしていたら、イジメをしているのと同じことだ。自分で防げないと思うのならば、身近な大人でいいから必ず相談しなさい」


このことは、体罰問題にもそのままあてはまるでしょう。

同じ学校で、同僚の教員が常習的に体罰を振るっている。
「それはおかしいと感じていても、あからさまに否定することはしにくい」そんな状況があるのならば、匿名だっていいから警察なり行政なりに相談をする必要があるのではないでしょうか?




「荒れている生徒がいる学校では、教員が体罰を振るわなければ子供を押さえられない」そんな論調もあります。

そういうことを言う人はおそらく門外漢の一般の人なのだろうけれども、教員にもそう考えている人がいるとしたら、それこそゆゆしき問題です。


暴力で押さえつけて、見た目の平穏を作り出せばいいのだったら、それは子供のなにものも伸ばしてはいませんよね。
本当に子供のためを思う熱意があるのだったら、そのような子にほど根本的な援助の手が必要なはずです。
体罰ではなにも解決しません。

「叩かれるからしない」「叩かれるからやる」といった人間を作ることは、本来「教育」がずっと否定してきたことです。
そのような野性的な存在から、理知的な存在になるべく近代の教育は整備されてきまました。ルソー以降ですね。それが教育の原理になっています。現在でも教員になる人はみなそのことを学んできているはずです。
にもかかわらず、体罰に陥る教員が大勢いるというのは、極端な言い方をしてしまえば、「ある意味で現状の教育体制は破綻している」という事実をあからさまにしてしまっているのです。





かといって僕は教員に、子供のなんでもをうまくやってもらおうという責任を押しつければいいと言っているのではありません。
むしろ、逆に教員の職務を単純化していくことで解決につながるのではないかと思うのです。


教員に、年々高度になる勉強を上手に教えることも望み、子供の心のケアや、親のケア、さらには部活動の指導まで責任を負わせるのは実際問題無理なのです。
しかも慢性的なタダ残業で。

だったら、それぞれの必要な分野に、それぞれの人間を手当するようにするべきです。

最近では、スポーツ指導の専門家は研鑽を深めて、体罰に行き着かない科学的な指導法が当たり前のこととなってきています。
例えば、そういった人をコーチとして部活の顧問などに任じて、教員の負担を減らすべきではないでしょうか。

荒れていて問題のある生徒がいたら、その子の対応を担任教師が一人で全責任を負っていくのではなく、専門のスクールカウンセラーや心理士などと一緒に対応を考えていくべきです。


負担が多いところに、教師にひとりに様々な分野のスペシャリストであることを望むから、さらなる無理がでるのです。
そういう状況におかれれば、体罰といった安易な手段に陥るのはいつでも紙一重です。



また、外部の人間が加わることによって、自浄作用、浄化作用が機能し始めます。

「教員はなんでもできなければならない万能の存在」みたいな神話やプライドは捨てて、本当に子供のために必要なことを考える時代になってほしいと思うのです。


もし本当に「体罰をしなければ学校が運営できない状態」になっているのだとしたら、学校の先生たちは「自分たちに与えられたカードでは対応できない現実が到来している」とそう主張するべき状態なのではないでしょうか?それは決して職務の放棄ではないと思います。
本来与えられていない手段を使って平穏を保っていたというのは、むしろそれが異常な状態を続けてきたということですよね。そのために取りこぼされてきた子供たちが必ずいて、この方が職務の放棄です。


それを専門家として堂々と主張し、社会でそれを真剣に考える方向に持って行っていいのではないでしょうか?
学校の先生が、子供の家庭の問題からなにからなにまで自分の責任として背負い込むことは現実的でないし、実際無理なことですよね。

いまの状態をただつづけているだけだったら、学校の問題も、家庭の問題も、イジメの問題もなにもかわらないですよね。
教員だけでなく、社会で議論し考えていく必要のある時代にきていると思います。
そのように考え方を変えていけば、取りかかれるいとぐちは無数にあるのではないでしょうか。
関連記事

● COMMENT ●

教職員にも刑事責任は問えるようです。
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-fa79.html
教員と人間として対等の立場に立てるように、子供たちにしっかりと法律を教えないといけませんね。

何度も済みません

コメントを送信してから気が付いたのですが、職場で起こった労使の問題を労働基準監督署以外の民間の組織に相談すると、そこは何やら急進的な思想の組織だったりするのですが(全てがそうではありませんが)、学校で起こった問題を相談するのも同様のことがいえるんでしょうかね。
教員を刑事訴訟しようとすることが急進的???
私は決してそうではないと思いますが・・・

子供を支配する為の、暴力ですね。
酷い。問題を放置するよりは、なんとかしようとしている事になるんでしょうけど。
10年前の教育実習で、公立中学に行きました。先生達のなかには、熱心なかたもいらっしゃったとは思うのですが、漫然と時間を過ごしているようにしか見えない先生も多数居て…生徒と授業以外で話してる先生なんて居たのかな?

ただ生徒と実習生である私が、休み時間話をしただけで生徒達が「いい先生になれるよ!先生になったら、ここ戻って来てよ。」なんて言うんですよね。年が近い事もあるんですが。

自分も子供の頃、小学校にあがって、先生が教室に居ない事にびっくりしてました。幼稚園までは四六時中先生が側に居て、話してたのに。居なくてラクではあるんですが、なんとなく寂しかったです。
生徒と信頼関係作る基礎だと思うんですけどね。話をするって。

問題は何?

問題は、何なんでしょう?

体罰があることなんでしょうか?

そうだとしたら、厳罰化することで、減らせるかもしれません。

でも、飲酒運転と同様で、無くならないかもしれませんね。

それはさておき、見かけ上 体罰が減ったとしても…

子どもへの指導が、変わらないければ、被害を受ける子どもは減らないのでは?

問題は、体罰を行った教師の考え方を理解することなのでは?

??

ゴリキンさんは「結局、威圧的抑圧的な指導であればぶん殴られるのと同じ」というような事を仰りたいのでしょうか?

でも段階がありますから。
昔は、酒乱の旦那に嫁がぶん殴られても「夫婦喧嘩の時よくあるよね」と片付けられていたのが「暴力はアウト」という認識に変わり、最近ではモラルハラスメントの概念が浸透して「殴らなきゃいいってもんではない」という認識に変わり、ちょっとずつ前進しています。

そんな中、学校内で起きた暴力事件(しかも加害者は体格も社会的地位も圧倒的優位な成人で、被害者は未成年)は何故か特別扱いであんまり罰を受けない…となれば、まずはせめて、そこから正していかなくては。

あと体罰教師の考え方を理解することがなぜ必要なのか不明ですが、そもそもみんな結構理解はできてるような気が…

そよかぜ号さんへ

コメントありがとうございます。

ご指摘を受けて、すぐに返信しようと思いましたが、

なかなかまとまらず、何か違和感を感じるので、「体罰」について調べてみました。

調べてみて分かったことは、

○学校での体罰は、禁止されていること。

○体罰というのは、悪いことをした「罰」であるということ。

○罰の範疇を越えたものが、暴力・傷害になること。

僕の体罰に関する認識は、甘かったですね。



まぁ、僕が言いたかったのは、教師が子どもの行為を悪いことだと感じたから、罰を与えるのであれば、

何を悪いと感じたのか、それは本当に悪いことなのかを話し合うことで、

教師の罰に対する認識を変容させ、罰そのものを減らしたいということが言いたかったのです。

というのは、一例であって…

本当に言いたかったことは、大人の対応として体罰に対する厳罰化はどうなの?ってことです。

教師が子どもに言っても分からないから体罰を行いましたという構造と

社会が教師にいくら注意しても減らないので懲戒解雇にしましたという構造が似ている気がします。

目先の結果にとらわれて、罰を重くすることで問題を解決しようとする考え方が、どうにも府に落ちません。

まぁ、みんな考えていることは同じなんでしょうね。

そう思えば、納得はできます。

理解はできますが、賛同はできません。

「体罰に対する厳罰化」という認識に引っかかりを覚えます。
「体罰という罪の矮小化」が行われている現在、それに対して当たり前に罰せよという事を「厳罰化」というのは違うと思います。

それと「体罰教師に対して更なる罰での対応はいかがなものか」という点に関してですが
「体罰教師はその上司が同じだけぶん殴るべし」という事なら私も「今2016年やぞ」と思いますが、刑事事件としてしかるべき手続きをとるのは正当な事です。
むしろそのようにせず、「体罰だから、指導だから」と異動程度で許されてしまっている事が、「指導上仕方ない事なのに、こうるさい連中が騒ぐから問題になってしまう」という印象を与えて、体罰を容認する風潮を広げてしまいます。

一律の罰と、加害者のカウセリングは、両方必要です。

なるほど、体罰に対する罰が適正に処分されていないのに、厳罰化というのはおかしいと。

逆に、罪を矮小化して、適正に処分されていないと。

まぁ、何が適正な処分なのか分かりませんが、異動で済ますことはないと思います。


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