2017-07

過保護的支配 vol.2 - 2016.04.13 Wed

僕はスラスラと文章が書けるタイプではないので、書きたいことがたくさんあっても、かえってそれで頭がいっぱいになってしまってなかなか文章がかけなくなってしまいます。
ブログなんだから、もっと肩肘張らずに気軽に書けばいいのだけど、ついきちんと伝えられるように書かなければという意識が前にでちゃうのですよね。

それでいてあまり考えずに勢いで書いたもののほうが、うまく書けたりするものだから文章は本当に難しいものです。

そんなわけで、今日は煮詰まり解消のためにあまり気張らずに書いてみようと思います。







コメントでも聞かれた、過保護的支配の具体的な姿についてです。

よくあるところでは、子育てに一生懸命な人、まじめな人で、子供の幼さやできないことに対して、「この子は幼いから手伝ってあげなければ」と大事さゆえに過保護になってしまうケースです。

これも程度の問題ですから、そういったお世話を手厚くすることが”悪い”というのではありません。行き過ぎになれば”よかれ”と思ったことも、かえって子供のためにならない場合もあるということです。


ただ、それが過剰になってしまう人の中には、大人の側になんらかの原因や傾向があるケースもあります。

例えば、
・自身が過保護・過干渉で育てられてきた人が、同じことを繰り返しているもの。

・他者の視線が気になるあまり、我が子を「正しい姿」にしなければと過剰に頑張ってしまう人。

・私は「子育てを頑張っている人なのだ」と、過保護・過干渉をすることで周囲にアピールしたくなってしまう、比較的自己肯定感が低い人に起こるケース。

・vol.1でも触れたように、お世話することが自分の生きるモチベーション、アイデンティティになってしまう場合。

・曲がったことが嫌いで、些細なミスや違いを許容できず、子供に「正しさ」の要求を積み重ねていってしまうもの。


これらも程度の問題だし、それらが複合している場合だってあるでしょう。



その出し方もさまざまで、優しく過保護になるタイプ、下手にでてしまうタイプ、上からの関わりで過保護をするタイプ、などなど。



それでも、こういうケースに比較的共通しているのが、「この子は”できないわよね”」という子供への見方です。

だから、「私が手伝ってあげなければ」「守ってあげなければ」「できるようにしなければ」
そのような思いをもって子供へ関わってしまいます。
もちろん、悪意からなどではなく”よかれ”と思ってなのですが。



僕がいろんな子育てを見てきて、また自分でもたくさん子供と関わってきて感じるのは、

「手を出すよりも、手を出さないで見守ることの方がはるかに難しい」ということです。

手を出さずに見守るというのは、自分がやってしまいたくなる気持ちにセーブをかけることだからです。

子育て初心者のお父さん、お母さんだってそうだし、新人保育士だってそうです。
慣れていない人ほど、手や口をついつい出してしまいます。待ったり、見守ったりすることの方が難しいのです。

ベテランならそれができるかというと、それがそうでもなくて、それなりに子供への関わりを意識してそういった経験を培ってきた人でなければ、手や口を出すことが止められません。

これは年配の人だとかえって顕著になったりしますよね。

おじいちゃんやおばあちゃんは、手や口を出すことを我慢するのはなかなかできない人も少なくありません。




さて、vol.1で書いた、

>強い過保護をされている子供が慢性的に持っている感情は「イライラ」です。

についてなのですが、

「この子は”できないわよね”」、「私が手伝ってあげなければ」「守ってあげなければ」「できるようにしなければ」

こういう子供の見方をする人の子供への関わりの端々には、ある気持ちがにじみ出てしまいます。
子供は、人の気持ちに敏感なのでそれを感じ取ってしまうのです。

それはなにかというと、子供からすると、
「ああ、この人はボク(わたし)のことを信じてくれていないのだな」
という気持ちになってしまいます。

過保護って、その根底には「その子の力を信じきれない」という大人の思いがあるのです。

それゆえに、過保護をされている子は、常に「自分は信じてもらえない」「なんで(お母さんは)ボクのことを信じてくれないんだ!」という気持ちが渦巻いているのです。


だからこそ、子供に向き合うときに大切な大人の姿勢のひとつが、

「子供には失敗をさせていい!」

ということになるのです。
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● COMMENT ●

ついつい。。

いつも、なるほどなぁ~と思いながら拝見しています。
。。が、理解はできるのについつい手出ししてしまいます。
食事のときのコップ。
あ!そこにあったら手がぶつかって倒れちゃいそう!
と、ついつい脇にどかしてしまう。
何事も経験させないと学べないのに。。
わかっているのにやってしまう泣

今日寝る前に3歳半の息子が「トイレはない」というのにオムツで寝てる間によく漏れることがあるので「ないかもしれないけどビチャビチャになったら困るからトイレ行っておいて」と言いましたらかたくなに「ない!」というのにいきなさい、いかないで小一時間揉めました。
何故行かないと行けないか説明したんですが結局、息子はいきなくない!だってないから!
で最後は「あるかないか行ってみてみよう」でトイレに行ったのですがこういうのも尊重して信じたほうがいいのでしょうか、、
親としては後の煩わしさを考えると先回りしてしまうのですがこれも過保護にあたるのでしょうか。
でも子供って邪魔くさいから行かないとかあると思うのですがその辺の見極めが難しいです。
見極めって言ってる時点で信用がたりないのかな、、

こんばんは。
気がついてわかったのですが、
おとーちゃんさんは、先回りの関わりを勧めていらっしゃいましたが、カウンセリングへ通う前の私は、それがどうしてもできなかった。
それどころか、温かい関わりを面倒くさく思ってしまう。子どもからの過度の要求は怒りに変わる。
それはそうですよね、、小さい頃私は母と遊んだ記憶はほとんどありませんでした。与えるだけの愛は母にはできなかったのです。母自身にも与えられる場面、美味しい物を食べる、自分の買い物に連れていく、(そういう時でしか母は子どもといても楽しめなかったのだと思います)関わってくれなかったのです。
でも、まだ少しは優しい関わりの記憶があるだけいいですよね。 そうでなかったら、私は、虐待していたかもしれないですもの。
自分の中に親との温かい関わりがない人は、こんなにまで心の中に何もないのです。

No title

信じて待ってあげることは、本当に難しいですよね。 
でも、時々、うまくいくとその日全てがうまーく回るんですよね。

それでも色んなパターンがあるわけで。
素っ裸の息子を放っておくわけにはいかないし、お着替え全部自分で出来ることは知ってるけど、「手伝って欲しいの?」と聞いて「うん」と答えた時はきせてやっています(^_^;)

いつかは、自分でやれる日が来ると信じて。

できるようにしなければも過保護の1つなんですね。
私の友達もまさに曲がった事が嫌いで、正しさの要求を積み重ねて、できるようにしなければで、親子共々追い詰められている様子。何か🆘をだしてくれたら、伝えられる事もあるかもしれないのに。

さり気なくおとーちゃんの本でも置いて来ようかしら?

親が子供を信じること

過保護的支配 vol.1にもコメントを書いたぷこたんです。

私の母の過保護的支配は、母の「自分が子供の頃寂しい思いをした。もっと親にかまってほしかった」という思いが根底にあるようです。
母は複雑な家庭で育ち、母の母からの愛情はたくさんあったものの、母にはうまく伝わっていなかったようです。

そのことが理由で、自分の子供たちにはたっぷり手をかけて、愛情をかけて、と子育てをしてくれたように思います。

私にはそれが窮屈だったのでしょうけれど、自己愛から発生した過保護ではない分、私が本当にうれしい形でかわいがってもらったこともたくさんあったように思います。

でもやっぱり、過保護の影響か、私は全然自分に自信のない子供でした。
長い間いじめられていましたし、コミュニケーションの取り方もすごく下手で、今なら療育に行っていたレベルだと思います。

母からよく「自分に自信をもちなさい」と言われていましたが、「自信ってなに?どうしたら持てるの?」とよくきいていました。

でも、親に信じてもらえない子が、自分に自信を持てるわけがないんですよね。
なんか、腑に落ちた感じがします。

幸い、なぜか思春期の頃に突然自信が持てるようになり、話の合う友人にも恵まれてその後はそれなりに楽しく過ごせるようになりました。

小さい頃大変だったのも、その後楽しく過ごせるようになったのも、両親が一生懸命育ててくれたおかげです。
親にもいろいろ事情があって、完璧な子育てなんてないから、子供が幸せなら、それが成功ということなんでしょうね。

親は失敗してみるもの

「子どもには失敗させていい!」が親に自然と身につくようになるには、まず何より「親も失敗してもいい!」と心の底から思えるようになることが大事だと思います。
子どもの失敗がなかなか受け入れられない気持ちの背景には、親の「子育てをうまくやらなきゃ!」という気持ちが元になっているのではないかと思います。
また、(これは私の場合なのですが、)親が自分の出来ない(或いは出来なかった)ことを抱え込み過ぎてそのことを受け入れられずにいると、「子どもには同じような失敗をして欲しくない」「子どもには私よりももっといい人間になって欲しい」という願望が強くなりすぎて(こういった願望は子育ての原動力だと思うので否定出来ないものとは思います)、そのせいで子どもの失敗を温かく見守ることが出来なくなることもあるように思います。そうなると本当に悪循環です。“上手な子育て”をしようとすればするほど子どもの失敗(或いは親が認めたくない子どもの姿)を見逃せなくなり、子どもにイライラしてしまう、そして上手く子育て出来ないと落ち込んで自分自身にイライラ。もしこのスパイラルにはまってしまうと、「子どもには失敗させてもいい!」と分かっていても、「子どもの失敗を見守ることが出来なった」とき、親はそのことで自分を認めることが出来なくなります。親が自分を認めることが出来ないと、なかなか子どものことを認めるのは難しいです。
最初からとんでもなく素晴らしい親になるなんて、私には無理です。子育てしていきながら、10年20年後くらいに、自分で「まぁまぁいい親になってきたかも?」と思えるくらいがちょうどいいかもしれません。
今よりよくなろうと努力することは大変素晴らしいことだし、生きてく上で必要なことだけど、それは現状を否定することからではなかなか上手く行かないように思います。
子どもの失敗も、自分の失敗も受け入れながら、(時には、失敗を受け入れられない自分すらも認めて)、おとーちゃんさんの仰るような楽しい子育てをしていけたらなと思っております。

ままこさんのコメントで私も同じだなぁと

子供と居ることを仕事にして来たはずなのに、ふと、温かい関わりを面倒に感じること、ありました。

楽しいと感じる事も多々あったんですよ。それでも自我が強い子供と関る時に、私の内側には怒りだらけだったりしました。今我が子を育てていると、冷静な自分がいるんですけど、息子が発揮する自我に怒り心頭な自分もいるんですよね。   

心の中に何もない。
そうなんですよね。
自分の担任する子供が受けている親からの温かい関わりを見て,羨ましく思うほどでしたわ。
私にはこういう記憶がないんだなぁと。

まどみちおさんのぞうさんの歌を歌おうとするといつも涙が出ました。母さんてそんなにみんなが好きなものなんだって思うと、私は違う。みんなみたいに歌ってニッコリなんてできなかった。

買い物や旅行に母には度々連れ出されましたが、何もいい記憶がないんですよね。

ついついままこさんのコメントを見て、動けなくなってしまいました。

自分の中に親との温かい関わりがない人は、こんなに心の中に何もないのです。ってコメントに激しく動揺して、ついコメントしてしまいました。

過保護の具体的な説明をしてくださいましてありがとうございます!

私が子供の頃から、過保護は良くないとは聞いてきましたが、『過保護』という言葉の解釈が人それぞれで、いざ自分が子育てをしてみると何が過保護になるのかハッキリ分からず迷いがありました。

お父ちゃんさんのおかげで、
過保護にならないように気をつけるというより、
子供を信じて待つ、という親の姿勢が大事なのだなと理解できました。

うちの母は、多忙であまり子供に構うタイプでは無いのにもかかわらず、過保護にならないようにと放任になりました。

父は過保護になりやすいタイプで、過保護はやめてと言うと、もっとしなければ!と勘違いしてより過保護になりました。

お父ちゃんさんが、以前、強い大人は強い方法を選び、弱い大人は弱い方法を選ぶ事があるというような事を書かれていたと思ったのですが、思い返せば両親がまさにそのタイプだったのかと、思わず笑ってしまいました。

自分を知るって大事な事なんですね。
お父ちゃんさんのメッセージやアドバイスはとても分かりやすく、どちらを向けば良いのかが理解できるので助かります。
ありがとうございます。

過保護ではなく、過干渉では?

いつも勉強させていただいています。
過保護ではなく、過干渉という言葉が適切なのではないかと感じました。
わたしの読解力がないからかもしれませんが、疑問に思い投稿しました。


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