2017-03

いじめ問題 「学校の意識は古い」 - 2016.02.04 Thu

他の記事が途中だけれども、今日はいろいろと思うところがあったので勢いで書きます。

いじめの事件の報道が相次いでいます。
いじめにはとても多面的な問題があって、ひとつのことを解決するだけでは減っていきません。

”子育て”が専門の僕からすると、ひとつ大きな問題は「いじめをする子は親によって作られる」ということです。
もちろん、わざわざ「うちの子をいじめっ子にしよう」と子育てする人はいません。親が無意識に、それか無頓着に、もしくは「よかれ」と思ってすることが、結果的に「他者にいじめや意地悪をすることで、心のバランスをとらなければならない」というところに子供を追い込んでしまいます。

僕は主に乳幼児の子育てに焦点をあてて、無理のない子育て、楽しい子育てをお伝えしています。それによって、遠回りだけど結果的に子供をそのようなところに追い込まなくてすむようにと考えてこの仕事をしています。


ですから、非常に微力ではあるけれども子育てへのアプローチから、いじめを無くすという働きかけはできます。
しかし、いじめ問題は多面的です。
それだけでは解決しません。
僕が働きかけられない分野に対しては、せめて訴えかけることで少しでも現代に生きる大人としての役割を果たしていこうと思います。







いまちょうど神奈川県横須賀市の私立高校1年生の女子生徒がいじめを苦にして自殺未遂をし、現在でも意識不明の状態である事件について、学校側を含めた第三者委員会による報告書が出されたのでニュースになっています。
もし僕がこの女の子の親の立場だったらどうでしょう。言葉では言い表せないほどの、絶望や怒り、悲しみにさいなまれ、とても正気ではいられないのではないかと感じます。
(ちなみに、”学校側を含めた”って、すでにこれ第三者じゃないよね。責任逃れありきで設置された委員会なのではと感じてしまいます)




その調査報告によると、結果として「いじめはなかった」となっています。
いじめられていることを本人が、担任や養護教諭に相談した事実があって、それを苦にして自殺未遂まで図ったのに、どこをどういじくったら「いじめはなかった」と言えるのだろう。


この点、学校の意識は非常に古いとしかいいようがありません。
現在、セクハラやパワハラ被害があったとき、または差別問題に対して、「した側どういう意図であったか」という加害者側の理屈ではなく、「された側の心情」を最大限汲み取って判断するようになっています。

僕の友人が、業界的にそれまで男ばっかりの会社に勤めていました。
それが世の流れで女性社員も採用するようになり、その女性職員が配置される前に社員全員に研修を開き、そこでこういわれたそうです。
「もし、女性社員からセクハラの訴えがあったら、男性側の”そんなつもりはなかった”というのは理由になりません。どんな小さなことであったとしても訴えがあった時点で調査が入る。処分は失職もあると覚悟して下さい」


現在は、事件性や法律的な介入はともかくとして、ハラスメントの存在については、された側の訴えがあった時点で、「ある」として対応すべき問題として浮上するのです。

それは当然でそうしなければ、みんなした側の「そんなつもりはなかった」でことがうやむやになってしまうからです。


ハラスメントがあったとき、第一に守るべきは「された側」なのです。
訴えられた人からは、どんなにその問題が小さく見えたとしても、まずその人の立場に立って支えていかなければなりません。
ときには、被害妄想・被害者意識で問題にしているケースや、誤解・思い込み、はたまた訴えた側が実はいじめている側なんてこともあります。

でも、認識としては「訴えがあった時点で”いじめ問題”は存在している」と考えるべきなのです。



学校側は自己保身のためであっても、このような歪曲した解釈をすべきではありません。今回の神奈川のケースだけでなく、小さなニュースにしかならないものでも、山のようにこれと同様の「いじめはなかった」という学校側の判断が見られます。

今後もこれをしていくことは、学校のためにもならないでしょう。


こういった対応は、すべての人の学校と教員に対する不信感を募らせることになるからです。
子供は、自分の属している学校や教師を信頼して通っています。
ちょっとやそっとのことがあっても、学校のことを好きでいたいと思っています。
しかし、学校側のこのいじめにおける対応は、そういった子供の信頼を逆手にとって裏切ることになっています。
これを続けていけば、親も「学校を当てにするな」「教師を当てにするな」と子供に教える必要が出てきてしまいます。

いじめを苦にして自殺を選ぶような子は、むしろ非常に学校を信頼している子なのです。信頼して相談したり、訴えたりしたのに、取り合ってくれないと痛切に感じたからこそ絶望して最後の手段をとってしまいます。


それを防ぐ手段のひとつは、最初から信頼などしないことになってしまいます。
しかし、それでは学校も教育も成り立たないですよね。
だからこそ、学校はいじめ問題に対してもっと誠実にならなければなりません。
このいじめにおける対応は、学校の存在の根幹に関わる問題なのです。


まだまだ、訴えるべきことはたくさんあるのだけど、ここで一旦切ります。




本当は学校側もわかっているんだよね。自分たちが詭弁を弄して言い逃れを図っていることは・・・・・・。でも、みんな責任を取りたくないから、問題をなかったことにしようと組織的に対応してしまう。でも、それは頑張る方向が間違っています。では、どこを頑張ればいいかが問題です。またの機会にそれも考えていきましょう。
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● COMMENT ●

No title

今回と次の記事を読んで、息子の学童の子達のことを何となく思い出しました。

ある子は高学年で、低学年の気にくわない子を木の枝で叩いて回ったのですが、その子は親の前では正座しておとなしく説教を聞いているそうで、親の前では悪いことはせず、必ず暴力を振るうのは体格的にあきらかに劣る低学年のみ。

別のある子は、気にくわないことをすると血が出るほどつねる罵る、配下の女友達に命じ仲間外れにするなどする、思い通りになるまで騒ぐなど、問題行動が多かったのですが、その反面、親から指定されたドリルが学童の勉強時間内に終わらなきゃ親に怒られると涙ぐんで恐慌状態になる。
今年からは担任に恵まれ、だいぶ落ち着いてきたのですが、今度は、些細なこと等(しかも自分に非がないこと)を気にして、こんなことがバレたら、またみんなに悪い子だと悪く言われるから怖くて教室に入れないと、さめざめと泣いているのを目撃して…。
担任にたくさん話を聞いてもらい、一緒に説明するから心配いらないと言われてやっと泣き止んでいました。

去年はいじめっ子だった子が、そんな風に、自分の土台がグラグラなことに、そしてクラス内での確かな秩序の提示とともに受容して、その子を受け止めてくれる大人がいるから今年は他人をいじめたりしなくなってきたことに、とても重いメッセージを感じました。

事件のたびに、教育機関が、いじめはなかった、とかいじめと自殺の因果関係はないと言い切るのを見ると、本当に失望します。
将来の損害賠償請求を見据えた対応なのかもしれませんが、世の中にも大人にも失望して命をたってしまった子供をどうして再びそんなふうに踏みにじれるのかと思ってなりません。

子育てに躓いた時はこちらを参考にさせて頂いています。
息子は1歳9ヶ月ですが、自我をバンバン出して人らしく?成長している真っ最中です(笑)
イライラドッカーン!もありますが、可愛くて仕方ない息子です。
私の家系が教師一家な事もあり、この手のイジメのニュースは必ず談話タイムに出てきます。
父が小学校の校長で、どの学校にも必ずイジメはあると断言しています。そしてそれを無い物とする学校も多いと。
ただ、ニュースに出てくる学校と違うのは、対応の早さと誠実さです。校長自ら担任、生徒、保護者に素早くフォローをし、加害者も被害者も根本から改善出来るように走り回っています。
父はまさしく、受容を関係者全員にする事で時間をかけてイジメを無くそうとしています。
確かに殆どの学校が責任から逃れようとしているかもしれませんが、こんな校長のいる学校もある事は知っていて欲しいです。
たらたらと失礼しましたm(_ _)m
おとーちゃんさん、忙しいかと思いますが、陰ながら応援してます!


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