2017-08

『自己肯定感』 Vol.2 - 2010.03.17 Wed

『自己肯定感』の続きです。

前回は、「家庭で自信を持たせる関わりができない。保育施設・幼稚園などでもそういったこどもを否定することがある。」
ということを述べました。


こどもに「自己肯定感」を持たせてあげられない親には様々なタイプがあります。








以前は、人との関わりが苦手な人・親自身が自己肯定感をもてない人が多かったのですが、最近では別のタイプが急増しているように思います。
とりあえず今回は「人との関わりが苦手な人・親自身が自己肯定感をもてない人」という親のタイプについて見ていきます。


まず、「人との関わりが苦手な人」・「自分自身が自己肯定感をもてない人」というのは、こどもとの適切な関わり方を教えてあげたり、こどものいいところを教えてあげて、たくさん褒めてあげたりすることで、けっこう変わっていけます。

つまり、親へのアプローチしだいでこどもも良くなっていけるし、同時にこどもへ良いアプローチをしていくことである程度の期間関わることができれば、それまでネガティブな行動の多かった子も、こども集団のなかでもそれなりに友達を作ったりしてやっていくことができるようになれます。


上で言っている「適切な関わり方」とは、こどもの良い反応を引き出してあげられる関わり方のことです。

「人との関わりが苦手な人」・「自分自身が自己肯定感をもてない人」の、子育てにおける問題は集約してしまうと、多くの場合「こどもとどう関わったらよいかわからない」にあるようです。


こういう人はこどものネガティブな面に目がいきがちで、どうしても叱る、注意する、怒るなどの否定的な言葉がけが多くなってしまいます。

否定や抑圧が重なるので、さらにネガティブな行動が増えてしまうという悪循環になってしまい、どんどんエスカレートしていってしまうので、そのうちこどもとの関わりが感情的になったり、冷淡になったり、あきらめ無関心になってしまったりします。

こういうパターンにはまってしまうと、こどもはまさに「自己肯定感」のもてない子になり様々な問題がでてきます。


そこで、先ほどの「こどもの良い反応を引き出してあげられる適切な関わり方」を教えてあげる必要があるわけです。


こういう親の場合、「こどもが言うことを聞かなくてほんとに困っているんです。どうすればいいんですか?」なんて聞いてくる人はまずいません。
親自身が人と関わることが苦手で自分から打ち解けたりすることがないからです。

そういうわけなので、毎日こどもの様子を伝えたり、褒めたりを続けて、ある程度信頼関係を築いたところで、家庭での様子や大変さ、仕事のことなど聞き共感していったうえで、ゆっくりと時間をかけて伝えていきます。


時間をかけるのは、最初から「こうしたほうがいい!」とか言ってしまうと、自分の子育てひいては「自分を」否定されたととってしまい、いい信頼関係が築けず返ってこどものためにならなくなってしまうこともあるからです。



適切な関わり方」とは具体的には・・・

ケースバイケースで色々なのですが、多くの場合有効なので僕がよくお願いするのが、

「毎日ちょっとの時間でいいからくすぐってあげて」

です。

本当に人との関わりの苦手な人でも、これならできるからです。
そして確実に効果があります。

なぜでしょう。
おそらく、目と目が合って皮膚への心地よい刺激があり、一対一で向かい合う楽しい時間を共有していると実感できるからではないかと思います。


「くすぐり」ってこどもは実のところくすぐったくて笑ってるのではないと思うんです。

くすぐったいのはきっかけにすぎず、そこで向き合ってもらっているという安心感、うれしさそういったものが楽しい気持ちにしているのではないかという気がします。


うそだと思ったら、ためしに自分は無表情のままこどもをくすぐってみて下さい。
おそらく多くのこどもがいくらくすぐったって笑わないと思いますよ。


このことは『絵本の読み方』で書いた、「絵本はコミュニケーションツール」っていうところに通じるものがありますね。
絵本も親と一対一で向かい合い、時間を共有できることが楽しさになっていると述べました。

こうやって、「親と時間を共有できること」。このことが、こどもが自分を肯定できる基礎になっているのだと思います。


この「くすぐり」をある程度続けてもらうと、それまで無表情で、口数が少なく、物を投げたり叩いたりなどネガティブな行動が多く、大人の言うことを聞こうとしなかった子も、
だんだんと、笑顔を見せるようになったり、その日のあったことを親に話したりするようになっていきます。


こうなってくると、こどもへの関わりをあきらめかけていた親もこどもは関わり方しだいで変わるんだって実感してくれます。

最初「くすぐるなんて意味あるのかしら?」と半信半疑だった人も、まるで魔法でも教わったかのような驚きを感じるみたいです。



関わり方を変える気になってくれれば、あとは

 「褒めてあげる」

 「一緒になにかを楽しむ」

 「なんでもいいから話をきいてあげる」

 「感じたことに共感する」

 「甘え方を教えてあげること」

 「否定の前に受け止めること」

などなど、をしてもらいます。


このなかでも特に大事なのは「甘え方を教えてあげること」です。


親子間でよい関わりがなく、自己肯定できない子はまずたいてい「甘え方」を知りません。
『「甘やかす」と「甘えさせる」のちがい』でも書きましたが、親に甘えをストレートに出せるというのは人間を信頼できるということです。
そして、甘えを受け止めてもらうことは、自分の存在を肯定してもらうことです。

親にも甘えを出せない子は、どんな人間をも信頼することができないので、人との関わりが怖いものになってしまいます。
そして、自分のことも肯定できていないのだったら、人が怖く自信ももてないのだから、集団にはいっていけるわけがありません。
ある程度の年齢で言えば社会に出て行けないということです。


「不登校」「ひきこもり」「ニート」の根はこういうところにもあるのではないかと感じます。


また次回に続きます。今日はここまでおやすみなさい~。


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● COMMENT ●

No title

今回もなるほど~と思いながら読みいりました。
「絵本の読み方」も「甘やかす~」の話も読んで考えさせられることがありました。

ひとつ質問があります。
2歳8ヶ月の息子、パパやお友達などママ以外の人がいるときは、靴も着替えも一人でやります。
でも、ママと二人になったとたん「くつはけない」「着れない」とママにやって欲しいとお願いしています。
時々本人が「甘えてる」なんていうし^_^;

こういう場合、靴を履かせてあげたり、服を着させてあげたりしてもいいんですか?
「甘やかす」「甘えさせる」いまいちその区別が分からなくて、↑をやってあげると「甘やかす」になっちゃうのかな?なんて考えたりもします。

するどい!

さすが、先生ですね。子どもの心理、親の心理がよーく分かってないと
こんな素敵なアドバイス書けないと思います。
結局、子どもは自分のことを受け止めてもらいながら、成長していくんでしょうね。
私は幼少期、抑圧された環境で育ったので甘えることもあまりなく、良い自分を演じていたので家では、ほとんど笑わないし、あまりしゃべらなかったです、なので家が苦痛で苦痛で・・・。
そんな人生、自分の子どもには絶対させたくないので、子どもが自分に甘えてくるだけでうれしい毎日です。

ほんとうに

読んでいてわかりやすいです。
そしてとても共感できる。
そっか、子どもはくすぐられると喜ぶもんな・・・。
「やめてぇぇぇ~~。」「わかった、じゃ、やめる。」
「やめないで!」って(笑)

最近、寝る前に子どもの話をゆっくり聞くようにしてみました。起きている時間は、下の子の世話や家事でゆっくり聞いてあげられないからです。
親からすればくだらない事や、言葉が足りず何を言いたいかわからないことも多いですが、本人が満足するまで聞いてあげることにしています。
そうすることでふっと思い出した事が。私の親も忙しい人でしたが、ちゃんと返事をしてもらえなかったり、話の途中でどっかへ行っちゃったり、本やテレビを見ながらで話しかけてもこっちを見てもらえなかったりした時の自分の気持ち。
母にこっちを向いてもらいたかった。ちゃんと目をみてうなづいてほしかった、あの気持ち。愛されていないんじゃないかという不安。いつも心がお腹を空かせたような気持でした。
人は確かに人との関わりの中で自分の存在価値をはかっているのかも。大人だってそう。だから、相手の態度ひとつに傷つき、自信をなくす。
自分の子どもにはお腹を空かせたまま大人になってほしくない。
お腹を空かせていれば、食べなくてもいいものまで食べる。それが人間関係のトラブルのもとになったりもする。
娘には愛情いっぱい食べさせてあげなきゃ。
保育士とーちゃんさん、ありがとう。
いつもたくさんの大事なことに気付かせてくれて。

No title

やってます!♪くすぐり♪
ウチでは「こちょこちょ攻撃」と言ってますが(笑)。
夫も私も子供が笑うのが嬉しくて、赤ちゃんの時から、攻撃し続けています。
夫とは、戦いの武器にしあっててますが、私には、「ママ~、こちょこちょして~!」と甘えてきますよ。

保育園のお友達にも、コチョっていたずらすると、みんな喜んでいます。子供と遊ぶのが苦手な私でも、結構、これで、子供たちの人気者?というか、よく囲まれます(笑)。

何の考えも無しにやってましたが、これって、いいことなんですね~。
これからも、続けて行きます!

sachi さん

> ひとつ質問があります。
> 2歳8ヶ月の息子、パパやお友達などママ以外の人がいるときは、靴も着替えも一人でやります。
> でも、ママと二人になったとたん「くつはけない」「着れない」とママにやって欲しいとお願いしています。
> 時々本人が「甘えてる」なんていうし^_^;

こういうのは、まさに「甘えている」わけですから、やってあげていいと思いますよ。
他のところではちゃんとできるのに、お母さんだと甘えたくなるってかわいいじゃないですか。それは受け止めてあげていいんですよ。

もしもそれが逆だったらどうでしょう、お母さんのまえで「いい子」になってなんでもきちんとするのに、外では自分を爆発させてなにもできない。
親の関わり方しだいでこういう子も現実にいるんですよ。
ちょっと将来が心配ですよね。

「甘え」をちゃんとだせる子になってて息子さん心配ないですね~。

ちえっつママ さん

> 結局、子どもは自分のことを受け止めてもらいながら、成長していくんでしょうね。
> 私は幼少期、抑圧された環境で育ったので甘えることもあまりなく、良い自分を演じていたので家では、ほとんど笑わないし、あまりしゃべらなかったです、なので家が苦痛で苦痛で・・・。
> そんな人生、自分の子どもには絶対させたくないので、子どもが自分に甘えてくるだけでうれしい毎日です。

そうですよね、親の育ちはさまざまあっても、大人なのだから乗り越えて我が子には関わっていってあげたいですよね。
日本人は甘えさせることがとっても下手なんですよね~。

Mamachiraさん

> 読んでいてわかりやすいです。
> そしてとても共感できる。

ありがとうございます、そういってもらえるとうれしいです。


> 自分の子どもにはお腹を空かせたまま大人になってほしくない。
> お腹を空かせていれば、食べなくてもいいものまで食べる。それが人間関係のトラブルのもとになったりもする。
> 娘には愛情いっぱい食べさせてあげなきゃ。


人によってはこどもの相手をするのが苦手な人もいる。これはしょうがないことです。
でもやはり自分の親がそうだと悲しいですよね。

思いだけはあっても実行に移さないとなかんか伝わるものでもないし、特にこどもは行動を通してしか、実感できないことが多いのでなおさらです。

でも、Mamachiraさんはそれを乗り越えて娘さんに接しているのだから、いろんな思いがあったと思うけど決して無駄ではなかったんですよ。

こどもは可愛がれば可愛がっただけ、必ず返してくれますからね。

みんしゃみー さん


> 保育園のお友達にも、コチョっていたずらすると、みんな喜んでいます。子供と遊ぶのが苦手な私でも、結構、これで、子供たちの人気者?というか、よく囲まれます(笑)。

くすぐりはほんといいことなんですよ~。
そういったスキンシップに飢えている子も多いから、そういう風にしてくれるんだって思うとみんなよってきたりしますよね~(笑)。
たくさんやってあげてください。

こんにちはー

何処へ行ってもどんな仕事を選んでも、結局大事なのは人間関係ですもんね。その元となるところですから、大事ですよね。

保育士さんの仕事はかなり幅広いんですね。
親御さんのフォローも視野に入れなければならないのは大変ですねー。てっきり行き帰りの挨拶くらいしか交わさないと思ってました^^;
私も育休中で後々は保育園を利用予定ですが、自分の小さい頃の保育園と今の保育園は全然違うんですねぇ。。。

ずんさん

> 何処へ行ってもどんな仕事を選んでも、結局大事なのは人間関係ですもんね。その元となるところですから、大事ですよね。

やっぱり、それなりに人間関係が築けるようにならないと社会で生きていくのは大変ですよね。ほんとに大事です。


> 保育士さんの仕事はかなり幅広いんですね。
> 親御さんのフォローも視野に入れなければならないのは大変ですねー。てっきり行き帰りの挨拶くらいしか交わさないと思ってました^^;
> 私も育休中で後々は保育園を利用予定ですが、自分の小さい頃の保育園と今の保育園は全然違うんですねぇ。。。


それが中には30年前とかわらないことしかしていない保育園も、実際にはたくさんあるんです。
それには様々な理由があるけど、単に不勉強だったり、地域がのんびりしていて現代になって出てきたような問題がそもそもなかったり、問題がでていても職場に学べる余裕、人材がなかったり、営利中心でそこまでするつもりがない・・などなど。

当然、いまの子の問題がでているところで30年前のやりかたをしていたら、いろいろな齟齬がでてきます。

救うどころかつぶしていることもね・・
ほんとはもっと日本の保育自体もかわらなきゃいけないんです。

こちょこちょからプロレスへ

おとーちゃんのこのブログを読んだのが娘2才の頃。めっちゃこちょこちょしていたら、今でもこちょこちょ大好きです笑 

最近は力もついてきたので夜、3分プロレスに変化しています。
パパはなんで母と娘でプロレスなの?って驚きますが、私と娘にとってはこちょこちょの延長で、小学生バージョン。

やり方は、お布団の上でキッチンタイマーで3分はかってどちらかが背中を10秒間つけられたら負け。でも一度も勝敗がついたことはありません。無理な姿勢をすると痛い痛い!って言葉が出るときはゆるめます。相手のことを思いやる。娘の体幹が強いのがわかって、「この姿勢になったら絶対に動かない」という自信のある体勢も毎回確認できます。

あなたのことがまるごと、好きだよっていうのが伝わります。娘の心が安定します。おとーちゃんおおかげでここまで来たなあ!と、思います。本当にありがとうございます。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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