2017-11

ほいくみーコラム 連載2回目 - 2015.08.19 Wed

昨日、ラジオをうちの子供たちと一緒に聴きました。
なんだか聴くときの方が、収録のときより緊張した気がします。

内容は、「子育てに参加してくれないお父さんをどうしたら参加してくれるようにできますか?」
というものだったのですが、ある人を”どうすればこうできる”といった技術を僕は持ち合わせていないので、男性の子育て参加一般についてのお話しをしました。

それは要約すると、現代では男性だからと言って「まったく参加しない」のは、男性の方からすら「それは、さすがにえばって言えないな・・・」となっていますので、「遊びの相手や、お母さんに頼まれたことなどはしよう」という意識の人が多いです。
しかし、遊びの相手などは子育てのほんの一部でしかなくて、つきつめれば子育てというのは、日々、食べさせて、清潔に保って、健康を維持するという生活の部分がおもなものなのです。

ですから、男性も下手であってもいい、不得手であってもいい、例えば料理が苦手ならばお総菜を買ってきてでもいいから食事の準備をしたりといった、生活の部分に積極的に踏み込んでいきましょう。
現代では、子育ての表面的な一部ではなくて、そういった子育ての主要な部分に男性が参加することが望まれている時代になっているんですよ。

といったお話しでした。



さて、以前も紹介した『ほいくみー』の保育についてのコラム第二回が掲載されました。

『保育士おとーちゃんが教える「子育て・保育が大変にならないように」』






ある保育園では、そこの保育士はほとんどつねに怖い顔をしています。
大きな声を出して子供に命令をしたり、冷たいあしらいをして子供の疎外感を刺激しながら思い通りの行動をさせようとしたり・・・・・・。

これは、「言うことを聞かせる保育」です。

そういった保育をしている人は、それが唯一の子供への関わり方だと思ってしてしまっていることでしょう。
でも、保育士がそんな支配者になったり、疎外まで使わずとも子供は大人の望む姿になってくれることを僕は知っています。

ましてや、現代でそれをやれば子供の姿はあっという間に難しいものになってしまいます。

ですから、「寄り添った保育」を知ることが必要とされているでしょう。

第二回目はそういった思いで書かれています。




「言うことを聞かせる保育」、「寄り添った保育」という言葉ではないかもしれませんが、このような保育観の変遷は僕が初めて言っているわけではありません。

もう何十年も前から、真摯な保育者たちはこの問題に取り組んできました。


「保育園に家庭的な雰囲気を」

「施設から家庭へ」

「大人の都合で子供を動かさない」

「子供と同じ目線に立つ」

「子供の人権とは」

「子供を尊重した保育とは」

「子供を真ん中に」

その昔、保育園は”多くの子供を少数の大人で”保育することを求められていました。(まあ、それはいまもそうですが。かつては、いまよりももっと過剰に)
そこでは、効率が優先されるので、極端なところでは子供の都合や育ちなどおかまいなしです。その園の大人の都合のいいように都合のいいようにと、保育の仕組みがつくられていってしまいました。

「これではいけない」と思った保育士たちは、なにが問題か、どうすればいいか、そこでの子供の育ちを守るには・・・・・・とさまざまな試行錯誤をし、学び、実践に生かしてきました。

そのように、子供中心の保育へと舵をきったところもあれば、そのまま何の疑問も覚えずに、ずっと効率だけの保育をしてきてしまったところもあります。
(保育園選びをなさった方は、そういった温度差のようなものが各園にあることをなんとなくでも感じたのではないでしょうか。)


そのように良心的な保育園や保育士たちは、子供を中心に据えて保育を再構成する努力を重ねてきました。

しかし・・・・・・。
最近その流れは、変わりつつあるようにひしひしと感じます。
それはおそらく僕だけの感覚ではないことでしょう。

どういう方へかというと、逆行する方向へです。

あまりに施設的だったものから、家庭的なあたたかいものへと少しずつ少しずつ積み重ねてきたものが、いまガラガラと音を立てて崩れ去って、また施設的なものへと保育の潮流が変わりつつあります。


それは、「保育も規制緩和しろ」と言われ、予算の切り崩しの対象になったころから始まり、営利化参入が認められた頃から加速し顕著になり、新システムによって決定的なものとなってきているのではないかと僕は見ています。


営利化された園が、もちろん全部ではないにしても、個々の子供の保育よりも”外見”の部分が重視されていること、またはその傾向がどうしても強いこと。過去にも何度かそういった記事は書きました。

例えば、

「〇〇を教えます」
「〇〇ができるようになります」

そういったことを売りにしている、保育施設が多くなっていますね。

これは

施設から家庭を目指してきたものが、また”施設”化しはじめている顕著なものです。
なぜかというと、これをすると、「個々の子供ありき」ではないからです。
「習得させることありき」になってしまいます。

教えますと言っているのに、その子がちっとも覚えないのではその園の面目丸つぶれです。
ですから、なにがなんでも”教え込まなければ”なりません。”教えます”を言うと保育士にそれが要求されてしまいます。



宣伝になるところ、親受けのいいところはたくさん飾り立てているけれども、実際の保育の中身ははるか昔の、少ない大人で多くの子供を効率よく見ていただけの施設的な保育のところもあります。
ありますというよりは、むしろそういった施設が増えているといえます。


実際はその程度もさまざまでしょうけれども、これがちょっとでも行きすぎれば、保育園は子供が安心して日々を過ごせる場ではなくなってしまいます。



おそらく『ほいくみー』を読んでいらっしゃるような、若い保育士さんや保育士を目指す人たちは、そういった保育の積み上げてきたもの、いまのおかれた状況を知らずに、現在の保育界に飛び込んでいくことでしょう。

その行った先が、もし子供を大人の思い通りに支配するだけの園だったら、本当の保育のおもしろさは得られないのではないかと僕は感じます。


そんなわけで、保育士の諸先輩方が爪に火をともす思いで蓄積してきたものを、少しでも次世代に伝えたいと考えています。
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● COMMENT ●

No title

ありがとうございます。

この記事を読んで、こんな言葉しか浮かびません。

我が家も色々な保育や子供に関わる仕事の人から、あたたかい言葉や保育をしていただき、そのおかげで今子供と笑顔で過ごせる日があるのだと思っています。
最初の営利優先の保育園は本当に悲惨でした。子供もそして職員も。

おとーちゃんさんの活動を心から応援しています。
いつもありがとうございます。

No title

今回のおとーちゃんさんの
「あまりに施設的だったものから、家庭的なあたたかいものへと少しずつ少しずつ積み重ねてきたものが、いまガラガラと音を立てて崩れ去って、また施設的なものへと保育の潮流が変わりつつあります。」
と意見が違うので書かせていただきます。

おとーちゃんさんが知っている情報の中では、そのように見えるのかもしれませんが、私が知っている情報・見ている情報では、様相が違います。

保育業界だけではないと思いますが、逆方向になっているというよりは、選択肢が増えており、多様化しています。

なので、昔よりも、もっと家庭的ですごく理想的な保育環境にある保育施設で、高いところも安いところもあったり、
おとーちゃんさんが言われるように施設的で、旧泰然なところや、保護者サービス至上で、子供中心目線のないと感じられるところもあります。
しかし、こちらは保護者のニーズをくみ取ることを常に努力しなければならないので、流動性があり、利用者の質と、それに答える保育者次第で、とてもよい保育環境になったり、ならなかったりします。

つまり「相手は自分の鏡」と感じられる状況や環境が、以前にもまして保育施設にも反映されるようになったなあと思います。

東京は人口が多いので多様な選択肢がありますが、多くの人にとって、住める範囲も限られているし、認可保育園選考という制度で縛られる中で保育施設を選ぶ環境にあるので、
その地域(例えば待機児童問題が解決しない・保育に関しての知識が偏る高学歴共働きの若い両親が多いような)によっては、お父ちゃんさんが言うような
「家庭的で温かな保育」→「施設的で、営利主義的な」感じになっている所もあるように思います。

翻って、様々な情報開示が進んでいるおかげか、地方の保育園の質は、とても良くなっているように思います。
日本の自治体の8割以上は、待機児童問題なんかで悩んでませんし、利用する側の方が強気で保育園選べますから。。。
また、東京等、都市部で求められるようなサービスを展開するのも限界ありますから、保育施設が売りにするのは、「家庭的な子供を中心とした保育」が前面に出ると思います。

おとーちゃんさんのブログに来られる方は、都会の方の方が多いだろうから、実感としても同意される方が多いかもしれませんが、
むしろ、今の日本は、おとーちゃんさんをはじめとして素晴らしい保育士さんが多く、他国と比べれば、最高に質の高い保育を受けられる環境にあると思います。(←もちろん、上を見ても下を見てもきりはなく、保育園は、自分の能力と努力と少しの運が反映されていると思います)

残念なのは、それを安心して利用できる機会が与えられない(選べない)人がいることだと思います。

言葉かけについて

いつも楽しく拝読させて頂いています。
4才になったばかりの子供ですが、間違いを認めなく、人と比べて自分の方が○○だ。といった発言ばかり聞くようになりました。このような発言に対しては、なんと言葉を返すのがよいのでしょうか。
あまりよい事ではないなと思い、過去の記事を参考にさせて頂いて色々と働きかけても、なかなか改善してくれなく逆にひどくなるばかりで、どう対応したらいいのかわからなくなってしまいました。

ももさんへ

参考になるかも知れないと思ったのは、
2015・5・16「嘘は大人がつかせる」(貼付け出来なくて申し訳ないです)という記事です。
「間違いを認めないこと」を「自尊心を守るための嘘」と解釈すると、後半の部分が参考になるかもしれないと思います。
ただ、「あまり気にして直そうとしなくても特に問題ありません」ということになるようなので改善策では無いですが…。
見当違いだったらすみません。

いつも勉強させて頂いています。
これからも頑張って下さい

かいさんへ
わざわざありがとうございました。
参考になりました_(._.)_


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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