2017-09

「尊重」することは「支配」しないこと - 2015.06.03 Wed

講演会の時に、にいにとむーちゃんも来ていたので、その様子をみた何人かの方に、「どうしてあんなにおとなしく育つんですか?」とか「どうやったらああいう風に上手に遊べるようになるんですか?」と聞かれました。







受容だとかそういった基礎的なことはもちろんなのですが、僕の場合はそのポイントはどこにあるかといえば、やはり「支配しないこと」だろうと思います。

「支配しないこと」については、前にも1~2度書いたことがありますが、これは言い換えると「子供を尊重すること」です。

「子供を尊重すること」は誰しもが口にするわりには、それは抽象的に考えられていて(はっきりいって言葉だけで実態がほとんどなにもない)、具体的には見えてこないので、僕は「子供を尊重すること」は「支配しないこと」+「信頼すること」+「一人の人として誠実に関わること」であろうと考えています。


これまで「しつけ」として考えられてきた子育てメソッドは、「子供を大人の望む姿に近づける」ことなので、非常に「支配型の子育て」になりやすい特徴があります。


支配的な関わりが常のものとなると、大人は上からの関わりで、指示する、禁止する、命令する、規制する、ルール(お約束)を課すといったことが、子供にたくさんなされます。

それがすんなりいかなければ、ごまかす、脅す、釣る、おだてる、機嫌を取る、怒る、叱る、威圧する、疎外する、という手段を用いられます。
そしてこれらのいくつかはしばしば、大人から発する「嘘」になっています。(脅したり、ごまかしたり、機嫌を取ったり、など)
このような大人の関わりは、実は子供を尊重したものではありません。

なぜなら、大人の方に「子供はこうすれば言うことを聞かせてしまえるだろう」という子供をみくびった気持ちがその背後にはあるからです。

モノで釣ったりすることもそうですし、「そんなことをしていると、後でお父さんに叱ってもらいますよ」「鬼がくるよ」「おまわりさんにおこられるよ」など、釣ったり脅したりすることで、”うごかせる対象”であると子供のことを見ているからできるわけです。
(”一個の人格”ではなく、”対象”と最初からとらえてしまっている)


このような、これまでの子育て世代が普通にしてきた関わりは、あまりに一般的なものであるので、それをしている大人自身が、それらが子供を尊重していない関わりであるとは気づいていません。
しかし、だれあろうそれらをされる子供たちは、そのような関わられ方が心地よくないものであると、みな感じています。

このことは、結果的に子供のその大人に対する「信頼感」を低下させます。
支配的な、”言うことを聞かされてしまう”大人からの関わりを不快なものと認識して、その大人からのアプローチ全体を真剣に受け止めようとはしなくなってしまいます。

「しつけ」のメソッドにのっとって、「支配」しようとすればするほど、よけいに思い通りにならないという悪循環が生まれてしまうのです。


僕は子供たちには、そのように支配で関わることを最初からしていません。
これは0歳の時から一貫してそうです。

子供のことを一人の人格として尊重し、同時に親である自分を尊重してもらいます。
子供はだれしも、親のことが大好きです。
親が先に子供に理不尽な関わりをしなければ、子供の方から理不尽な関わりをしてくることはまずありません。

信頼に信頼で応えていれば、その両者は互いの進む方向を一致させようとします。それが「寄り添った関係」ですね。
(言葉で書くと大仰ですが、ようはかわいがること、受容することを子育ての第一に置くことでこれは可能になります)

そういう関係ができているのであれば、例えば静かにして欲しいところで、親が望むように静かにしようとしてくれます。
でも、子供なのでそれがいつでも完璧にできるわけではありません。
そういうときは、理不尽にならないよう子供にわかる方法で伝えていけばいいわけです。
「ここは大きな声は出したら困りますよ」と。


それにたいして、最初から「うるさい!」など、上から威圧するような言い方をしていると、子供は積極的に大人に寄り添おうという気持ちがなくなってしまいます。
支配されることに慣れてしまうと、逆に支配されていないとき(支配が弱いとき)は自律的な行動をとらなくなるという反動を生んでしまいます。すると大人は注意すること、支配することが結果的にどんどん増えてしまいます。これも悪循環ですね。
でも、これまでの子育ては、「子供とはそういう言うことをきかないものなのだ」と最初から決めつけ、「だから強く支配していく必要があるのだ」、「子供はごまかしてしまえばいいのだ」などと、子供をみくびった捉え方をしてきてしまいました。
それは最終的には、「言うことをきかなければ、叩いてでもきかせる」という、体罰容認論を必然的にもたらしてしまいます。
大変残念なことです。



うちの子が、よく遊べたり、必要な場で静かにしていられたり、話を聞いていられたりする背景にはそういったことがあるのだろうと思います。

あとは、「子供を信頼していること」と、親の方に「焦り」や「ブレ」がないことがあげられるかもしれません。

長くなったので、今日はここまで。
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● COMMENT ●

以前、妊娠中の上の子の心配や、午睡をやめるべきかなど相談させてもらい、丁寧に答えて頂きました。ありがとうございました。下の子が産まれて、心配していたような事は何一つなく、弟の事を、とても可愛がってくれます。笑わそうと必死にあやしたり、泣いていると『お兄ちゃんがいるよ。みんないる。大丈夫だよ』と、自然にそんなことが言えていてビックリさせられています。
お友達に対して、物の取り合いや言い合いの時に、どうしても掴みにいったり、押したり、手が出ていたのですが、『叩いたりしないで、お口で言えばいいんだよ』と伝えていたら、最近はぐっと我慢している姿が見られるようになり、子供たちの中で喧嘩になっても『そんな風にされたら困っちゃうから!!』とか『仲良くしよう?』など、言葉で伝えることや自分で切り替えをしようとするようになってきました。それでも、お友達に怒ったりしてはいるので、まだまだかもしれないのですが…息子がちゃんと考えて必死に我慢している事が、親バカですが、本当に成長したなぁと思っています。おとーちゃんさんがおっしゃるように、私自身が子供だからと見くびってしまっている所もあり、『あんな言い方しなければ良かった。あんな態度はダメだったな』など、相変わらず反省の毎日です。
けれど、少しの心がけ(おとーちゃんさんの育児法)が息子に伝わっている気がします。これからも、少しでも尊重して…寄り添う形を目指したいです。
大げさに聞こえるかもしれませんが、私がおとーちゃんさんのブログに出会ったことで、息子の人生は変わったと思っています。このブログがなかったら、私は息子に対して、もっとすごい酷い育児をしていたと思います。ありがとうございます。とても感謝しています。これからもずっと応援しています。

こんにちは。

3歳の女の子の母です。
娘が1歳から職場復帰して、時短勤務で働きながら、今は二人目妊娠中です。

地方在住ですが、いつかは講演を聞きにいきたいです。

子供を支配せず尊重すること、難しいことではないと思っていたのですが・・・。

最近、突然、難しくなりました。

この4月に引っ越しをして、娘は保育園を転園して、さらに妊娠しました。

職場は同じで、保育園の往復、通勤が長くなり、同僚の退職で仕事が増え・・・。

家にいる時間が減り、つわりがひどく、体調が悪く、さらに出血があってあまり動けなくなり、いきなり、子育てが大変に感じました。

娘に、こちらの思い通りに、効率よく動いてもらわなければ、生活が成り立ちません・・・。


つわりで吐きながら、必死に作った食事を食べなかったり、「ママが食べさせて~」と言われたり、ご飯を食べながら、顔を近づけられると、あまりの気持ちの悪さに、泣きたいほど辛かったです。

核家族で、夫の帰宅が遅いので、どんなにつわりがきつくても、私がご飯を作って食べさせるしかなかったのです。

魔の2歳児ってなんだろう?いつ、娘はイヤイヤ期になるんだろう?と、思ったいた娘が、キーキー言うようになりました。

子育てって、親のゆとり(時間とか、精神的、体力的に)が大事なんだなぁと、安定期にはいって少しは余裕がでてきて思います。

でも、ゆとりがない時ほど、子供を支配しないこと、尊重することを、親が忘れないことが大事なんだと思います。

ただ、2時間の時短勤務、通勤が長くなったといっても30~40分、フェンスでしっかりかこった一軒家なので庭で安全に遊べる・・・首都圏の友達には「甘い!」と言われてしまい、子育てが大変になるはずだよね、と思いました。


これから、二人目が生まれて、もっと余裕がなくなるかもしれませんが、おとーちゃんのブログや本を参考に、楽しく娘達の子供時代を一緒に過ごしたいなぁと思います。

長い目で見てほしい

おとーちゃんのブログでいつも助けられています。
ちょうど最近悩んでいる事だったので、吐き出させてください…

赤ちゃんの頃はあまりなかったのに、子供が幼稚園に入った頃から、『できる、できない』で他人の子供や子育てを評価するお母さんが増えてきたと感じています。
子供が自分自身で考える力は、支配的な関わりでは育たない、と私は考えています。
だからなるべく、脅したり物で釣ったり羞恥心をあおったりせずに子育てしています。(疲れているときに「うるさい」と言ってしまうことがあるので反省する日々ですが…)

支配的な関わりで子供が従う姿に慣れているお母さん方は、私が子供が理解してくれるようにと話すのを見ると、「もっと威圧的に言え」と批判したくなるようです。
最近批判されることに疲れてしまいました。
『できる、できない』もそうですが、子供の事も親の事も、もっと長い目で見てほしいなと思います。

愚痴ばかり書いてすみませんでした。
おとーちゃんの記事を読んで、また今日からブレずに頑張ります!

No title

いつも更新楽しみにしています。
今回の記事もとても参考になります。ですが、
支配しない、というのが中々難しいです。
3歳になったばかりの息子は、寝つきが悪く
毎晩1時間ほど布団の中で独り言を言ったり、歌ったり、ゴロゴロ転がってから眠ります。
ゴロゴロしながら生後半年の娘の上に乗っかってしまうこともあり、
私はかなりイライラします。
一言でいうなら、「早く寝ろよ!」というきもちです。
ですが寝ろと言ったところで寝るわけではないので、ぐっとこらえて寝たふりをします。
でも、あんまりギャーギャーゴロゴロうるさいと
「お母さん、だんだん怒ってきた。口閉じて目閉じて!ってどなるよ~」
などと脅してしまいます。
どんなふうに言葉がけすれば、脅さずに寝かしつけられるでしょうか。
おとーちゃんは、相談は受け付けていないとのことですので
どなたかお知恵をお貸しください・・・

aiさん

ふたりのお子さんの子育てお疲れさまです。

こちらのブログで睡眠を扱った記事があったのでご紹介させていただきます。過去記事なので、aiさんのお悩みにぴったり当てはまらないかもしれませんが…
もしすでに読んでいらしたらすみません(^^;;

http://hoikushipapa.blog112.fc2.com/blog-entry-645.html

http://hoikushipapa.blog112.fc2.com/blog-entry-42.html

自分の睡眠時間も満足に取れないのに、子どもが寝てくれないのは辛いですよね(/ _ ; )
aiさんの子育てが少しでも楽になりますように




aiさんへ

横レス失礼します。
うちは2歳になったばかりの息子がいます。
うちも支配的な関わりをしてしまったり強く怒ったりすることが最近増えてしまい、反省しきりなところです。
寝かしつけの時間が長くなってしんどいなぁと思いついイライラしちゃう気持ち、わかります...

こうすれば寝るよというわけではないのですが、例えば布団に寝転びながらチューしあうのはどうでしょう。もう恥ずかしがっちゃうのかな?
大好きーって言ってほっぺにチューして、息子さんにもチューしてもらって。娘さんにも二人でチューしたりとか。
いきなり大好きと言うのが不自然になりそうなら、「そんなに寝ない子は...お母さんチューしちゃうぞー!チュチュチュチュー(^з^)」みたいな(笑)
眠りにつきやすくなるかはわかりませんが、早く寝てよねってイライラする時間が少しでも減って、息子さんとのスキンシップでお互いあったかい気持ちになる関わりの時間が増えるのはいいことだと思いますので、やっていなくて出来そうならオススメです。
親子で心穏やかな夜を過ごせますように(^^)

イライラ症

4歳と1歳の男の子の母です。
いつも読むたびに「そうだそうだ!」と思い、おとーちゃんさんの本も読ませていただきました。
今回の記事の「支配しない」に、またそうだそうだ、と思いました。
思いました…が、してしまいます〜涙。

次男の欲求やイヤイヤ度もかなり激しくなり、私も夕方くらいから疲れてしまって、イライラ爆発!
主人は毎日遅くて週末もほとんどいないので、ほぼ私が一人でやっています。
二人ともとても可愛いし、子供らしくていい子達なんですが、私が待てず、イライラして脅しや鬼もわんさか出してしまいます…

子供たちも、丁寧にゆっくり怒らず関わればできると思うのに、ほんと余裕がなくて…
こういう、分かってるのに余裕がないからのイライラや待てないのは、どうやって出来るようにしたらいいのか、ぜひおとーちゃんさんのアドバイスを頂きたいです〜。


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