2017-04

条件付きの肯定はいらない vol.8 - 2015.03.31 Tue

自己肯定感が低いがゆえに、子供に過干渉になったり、ダメ出しや規制が多くなってしまう人は、冷静になったときや普段からの気持ちとして、子供に「申し訳ない」「かわいそう」という負い目を持っています。








そこから子供に対して出てくる感情と言葉は、「ごめんなさい」になっています。

子育ての時期が終わって大人になってしまった子供に対してならばいざ知らず、乳幼児を子育てしているときには、この「ごめんなさい」はあまり子供のプラスにはなっていきません。

「よくない(と思っている)関わり」 → 「ごめんなさい」 

の繰り返しをしているだけになってしまいます。

「ごめんなさい」という言葉は、いくら誠実に重ねたところで、子供を「肯定」する言葉には少しもなりません。

その子供が子育ての中でたくさんされてしまっていることは「否定」であり、望んでいることは、それの逆、つまり「肯定」なわけです。


自己肯定感が低く、子供へ肯定的に関わることが出来ない人が発するこの「ごめんなさい」は、子供を折り返し地点にしているだけで、実は自分に向けられている言葉です。

そして、その返ってきた「ごめんなさい」が運んでくる意味は、「私はやっぱりだめな親なのだわ」といった、自分に向けられた否定です。



子育てをよいものにしていくきっかけとなる、その人が子供に掛けるべき言葉(もしくは普段向けている感情)は、本当は「ありがとう」なのです。

「いつも頑張って保育園に行ってくれてありがとう」
「健康でいてくれてありがとう」
「ご飯を残さずたべてくれてありがとう」
「私は怒ってばかりいるのに、いつも笑顔でいてくれてありがとう」
「私の子供に生まれてきてくれてありがとう」

何に対して「ありがとう」と言うかは、なんでもいいし、その人次第ではあるけれども、「ありがとう」というのはまぎれもない肯定の言葉です。
(もちろん、嘘をつく必要はありません。自分を偽って無理やり「ありがとう」を言いましょうという意味ではありません)


その「ありがとう」という肯定の言葉で、子供と、親である自分を含めた子育てそのものを包み込んでしまうのです。



子供も親も、家庭もそれぞれ違います。
正解の子育てなどないのだし、ちょっとやそっと、それどころか結構な失敗・間違いですら、子供の育ちは許容していってくれます。

正解を求める必要も、失敗を怖れる必要も、周りと比べて自分の子供や家庭を不憫に思う必要もありません。


自己肯定感が低く、自分に自信を持てない人は、子育てという未知のものに直面して、不安になり恐れを抱きます。

不安だからこそ、子供にたくさんのものを持たせなければと考えてしまうし、早くに能力を獲得させなければと考えてしまう、出来ないことが多いことや、発達が遅いことなどが必要以上に気になってしまいます。



やはりこの一連の記事を書いている中で、ネントレをさせなければならないのか?、排泄の自立が遅いことを気にするコメントがありました。


世間で言われることを気にして「正解を求める子育て」をする必要はないのです。
その家庭の状況でネントレがどうしても必要ならばすればいいし、別にその必要性がなければしなくたっていいのです。ただそれだけのことです。

でも、自分の心に不安があり、子育てに自信がないと、まるで「それをしなければ子育てが大失敗でもしてしまう」かのように感じられてしまいます。


こういうことは、なんでもない人にはなんでもないことなのだけど、生育歴や自己肯定感に引っかかるものがある人には、とても大きな問題です。

排泄にしても、焦りが排泄の自立以上の問題を生んでしまうことは、排泄についての箇所や、相談の返信で繰り返し述べてきたことです。それは問題はもはや排泄のことではなくなっています。

そのまま「排泄の自立」のために「トイレトレーニング」をしたところで意味はないでしょうから(僕は元々トイレトレーニング自体を勧めてはいませんが)、一旦すっぱりやめてフラットなところに戻った方がずっといいでしょう。



「不安と心配」を子育ての原動力にしない方がいいです。

「失敗のないように、失敗のないように・・・」と考えながら日々の子育てを送っていたら、子育ては本当に大変なばかりです。

明確な正解もなければ失敗もないのが子育てで、もし、うまくいかないことがあったとしてもそこからでも取り返しがつくのが子供というものです。

まず何を目指せばいいかは、「かわいい子に育てる」の記事で述べたとおりです。
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● COMMENT ●

確かに

お父ちゃんさん、こんばんは
そうですね。「ごめんね」と「ありがとう」、似ているようで全然違いますね(似てないか)。娘に同じ事を伝えるにしても「ありがとう」で伝えると何か納得した感じに見えるのは安心するのかな。

最近、いやいやも落ち着いてきて育児が楽になってきた〜と思っているのですが、考えたらお父ちゃんさんが度々言っておられる、「不安の先取り」をしなくなった自分に気付きました。
笑顔でいるって大事ですね。つくづく思います。
色々気にならなくなると本当に楽です(笑)。

No title

今回の記事は私にはとてもわかりやすく、腑に落ちました。
「ありがとう」すると、子供はうれしそうな顔しますよね。

この数週間、お兄ちゃん(4歳)が少し情緒不安定気味で、なんとかフォローしなければ、、、と思っていたところでしたが、考えてみれば「ありがとう」の機会が少なくなっていたような気がします。

思い出させて下さってありがとうございます。

とても大切なキーワードに思えますので、もしネタと機会がありましたら「ありがとうシリーズ?」のような連載をしていただけると嬉しいです。

No title

おとうちゃんさんへ。

こんにちは。今回の記事は、私が子育てを始め、おとうちゃんさんのブログと出会い、そこから自分について長いこと考えていたこと、欲しかった答えの集大成でした!

このことに、私も本当に気がつけて、普通の感覚の人(肯定感のある人)にとってはこんなに育児が楽だったのかと気がつけたのがつい最近です。
わかるようになった今は、結局育児は対人につきるなあ、と思います。
大人の人(わかりやすく言えば自分の親や夫や兄弟)相手ですでに対人が下手で、心のそこから快い関わりを経験してない人は、子供からの沢山のよいサインに気がつけないんだなあ。と思いました。

私の場合は大人相手でも、子供相手でも、本当に全てをマイナスに考えすぎて恐ろしいほど自分を追い詰めてました。

ことの発端はもう10年ほど前に自分では全く思ってなかったのに、友人に、あなたは天然と言われたことと、主人にたびたび常識がないと言われたことで、ずっとずっと自分がわからなくなり苦しく、とてもとてもつらい年月を過ごしてましたが、今度は本当に終わりそうで1日1日が楽しくなってきてます。

それもこれも息子のおかげです。
一時は本当に変な子だとか、本気で思ってましたが、逆に、これだけおかしかった私が育ててこれしか変になってなかったんだから、すごい素直で賢い子だったんだなあ~と最近思い、ありがたいなと思います。

おとうちゃんさんのブログと、ここに書き込むことが、本当に支えでした。
これからも、ここで得た情報を使いながら、楽しい日々を送ってこうと思います。

どうもお世話になり、本当にありがとうございました。
おとうちゃんさんご一家の幸せとおとうちゃんさんの活躍を心よりお祈りしてます。

自分に自信がないと

以前親自身が自信のない性格で弱い大人であると、危ない危ないなどの過干渉な関わりになる、と教えていただきました。こどもに対して、わかった?ハイは?や、何度もしつこく同じ内容を指導してしまいがちですが、完全にこどもを信用していない証拠かと思います。こどもを信じてない=こどもが裏切る=こどもが親の思い通りにしてくれるとは思えない。
と無意識の心理の中でこのような考え方になっていることが、怖いなと思ってしまいます。完全なる支配的考えですね。本当に子育ては『特殊スキル』に値すると思います。
そんなスキルをご夫婦でお持ちのおとーちゃんさんは、さぞかし完璧な子育てだろうと予想しますが、『わたくんの成長期で苦労した』や、『寝グズリムーちゃん』など、大変なこともあるんだな(当たり前なんですが)と垣間見える内容から安心することもあります。
これからも、おとーちゃんさんの大変なお話をたまには見たいです。

そうだったのか!

こんばんは。
以前
「おとーちゃんの育児どおりにやってもちっともうまく行かないし子供も可愛くならないじゃないか!
おとーちゃんのお子様が特別賢いだけなんじゃないの?」
と意見したものです。
今回の記事を読んで目から鱗が落ちました。
確かに私は
「こんな母親でごめんなさい」
と常に思っているし「ごめんね、ごめんね」を口に出すことも多いのです。
それから、親子連れや母親に対する周囲の冷たい目が気になって
家の中では仲良くしていますが公園や買い物など少しでも外出すると
子供を叱ったり怒鳴ったり叩いてしまいます。
おとーちゃんのお陰で私の子育ての何が悪かったのかよくわかりました。
ありがとうございました。

ところで最近の親子連れに対する世間の冷たい目って恐ろしいものがあります。
子供が騒いだり走っているわけでもないのに睨んだり嫌味を言われたり、明らかに故意に突き飛ばされたことも2回もあります。
一度は下の子妊娠中、上の子1歳のときにバスに乗っていて立って優先席が空くのを待っていただけなのに後から来た若い男にいきなり突き飛ばされ優先席を奪われました。
「座れて当然の顔をしている子連れ様」だと思われたのだと思います。
その男は優先席で足を広げてスマホゲームをやっていました。
迷惑なベビーカーを持ち込んだわけでも子供がうるさく泣いたわけでもありません。
最近の若い人はアンチ子連れが多くて恐怖すら感じます。
なのでつい、家から出たときに少しでも子供が泣いたりすると怒鳴り散らしたり叩いてしまいます。


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