2017-09

条件付きの肯定はいらない vol.3 - 2015.03.22 Sun

前回のつづきから。

この状況にある大人には必然的に、「自己肯定感」「自尊感情」「承認欲求」の問題がついて回ります。








こういった育ちを送ってきた人は、

自分が頑張って、親の期待に応えるための具体的な行動を努力し、それを親に認めてもらうことで初めて、自分の存在が肯定・承認されてきました。

この形は、大人になり周囲にいる人が変わっても引き継がれていきます。



例えば、この人は他者の目がとても気になります。

周囲の人間に自分が承認されていると思えてこそ、初めて自分の存在が自分で肯定できるからです。
ただ、そのように他者から、そのときそのときでもたらされるような肯定は、あまり強いしっかりした肯定とはならないものです。なので、自己の承認欲求に対する満たされなさ、不安を抱えていることも多いです。


ときどき、周囲の人がどう思っているかなど我関せずで、自分のしたいことを自分のしたいように平気で出来る人がいますが、それの真逆の状態です。


ですから、この人は例えば、公園にいった先で我が子が周囲の子供のモノをとってしまったりすると、その相手の親から自分が否定的に見られはしないかと大変強く気にしてしまいます。

そのため、我が子への関わりが、「問題を起こさないように、起こさないように」と先回りした過干渉を過剰にしていったり、自分が「子供をしつけられない親」と周囲から思われないようにと、とても激しく我が子を怒ったりする姿を出してしまいます。

実際はそのように周りから思われていないとしても、子供がそういった適応的でない姿を出すことが、結果的に周囲からの自分へのダメ出しをされるのではないかと感じてしまうので、我が子を許容的・肯定的に見ることが出来ずに、いらだちや、子育てに対する徒労感を強く感じさせていきます。


過保護や過干渉、受容できない態度、子供を肯定的に見れない姿勢は、当の子供の姿を難しくする方に持って行きますから、ますます子供の行動はコントロールしづらいものとなってしまいます。
これは、子育てが難しくなる悪循環を生みます。


その関わりが年齢を重ねるにつれて積み重なっていくと、いつも怒ってばかりの親や、イライラが抑えられず子供に手をあげてしまう親、子供を極力見たくなくて放任になっていく親、ネグレクトになっていく親を作り出してしまいます。

これは子育ての問題のように見えて、その実、子育て以前の問題になっています。




またはこんな状況も生みます。

その人は自分の子供時代から思春期・青年期と、常に親の顔色をうかがって過ごしてきました。

この生育歴がどのような人格を作るかというと、自分に自信のない人間を育ててしまいます。


「自分がどういった行動をとるべきか、とっていいのか」という問い(こう書くと難しいですが、つまりは日常での行動のいちいちや人生の選択)、に対する答えを自分で出せないということになります。

その人の立場から言うと、「これをしていいんだろうか?」「自分は間違ったことをしてはいないか?」「こうしたら誰かに怒られてしまいはしないか?」といった不安にいつもさいなまれているわけです。
なかには「自分でした選択」と思っていることが、実は親の願望に合わせていただけといったケースもあることでしょう。


自分では行動に対する答えを自信を持って出せないので、子育てするときの子供への関わり方にも、その傾向が顕著に出ます。
そのため、子供に振り回されて「いいなり」や「甘やかし」になりやすいです。

また、自分がする子育てに自信が持てないので、「正しい」子育てを求めて、様々な情報にも振り回されてしまいます。それがこうじて、不安を煽って「トンデモ」なことを主張する悪質なものにすらとらわれてしまうこともあります。


前半に出てきた怒ってばっかりや、放任などの「強い大人」傾向の人と、このような子供に振り回されてしまう「弱い大人」傾向の人のどちらもが、この、支配的もしくは、親の願望や要求に従うように関わられてきた生育歴にその原因を見いだすことが出来ます。




余談ですが、この傾向が非常に顕著な人は、自分のことを強引なくらいに引っ張ってくれる人に、無意識にですが安心感を見いだします。

それがいい形でできていればいいですが、DVやモラハラをする父親のいる家庭で育った人が、自分の恋人や夫に、DVやモラハラをする男性を選んでしまう傾向があるのはこのためもあるでしょう。
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● COMMENT ●

自分に思い当たりすぎてドキドキしながら読んでいます。
今イヤイヤ期の子育て真っ最中で、自己肯定できない自分がこれからどう生きたらいいのか、どうやったらこどもの自己肯定感を育ててあげられるのか悩みに悩んで育児ノイローゼになっています。(強迫症状がでて精神科にかかっています。私のような大人になりきれないこどもがこどもを産んでしまったことを本当に後悔しています。夫にもこどもにも罪悪感で一杯です。こんな親を持ってしまっても、こどもには前向きに幸せに生きてもらいたいと考えています…。)
おとーちゃんさんがこのシリーズを書いて下さって本当に救われました。
おとーちゃんさんがこの話題をどのようにまとめられるか、複雑な気持ちで更新を待っています。
おとーちゃんさんのブログは私にとって一筋の光のような、救いの糸のような存在です。そう思っているお母さん達が沢山いると思います。執筆にお仕事に子育てに、お忙しいでしょうがお身体ご自愛下さい。

これは、まさに、私です。
自己肯定感がなく、子育てに無知だったころ、まさに、上記のように公園でも家でも、子どもにとって不必要な働きかけをしていました。
今でも、自分に余裕かなくなると、ぶれてしまい、元に戻ってしまいます。
アドラーの本を読み、性格は今からでも変えられる、と信じ、常に真っ直ぐ人の目を見て話し、相手の利益になる行動をとるようにしています。すると、少しだけ、あー今日はよかったなー、と思えるようになりました。

この問題の怖いところは、親は、無意識のうちに、子どもに心の傷を与え続けることですね。
私と同じ養育環境だった弟は、引きこもりになっています。親は、現在でも、問題解決能力が、ありません。負の連鎖を、私で断ち切りたいと、おもっています。

私は、まさにこれです。
本当に当てはまる所ばかり。最近、息子がお友達にオモチャを貸せない、手を上げることをしたりが目立ち、今日も強く怒ってしまい、『もう遊ばないでいい、向こうに行ってなさい』と疎外感を与えてしまいました。こんなことしたくないのに、周りにどう見られているかが一番になってしまってます。周りから『甘やかしてる、叱れない、嫌な子』と思われないように…。息子が、意味もなく、むやみに手を出しているんではないということも知っています。弟が産まれ、今まで、とても我慢してくれていて赤ちゃん返りの様な物が少し遅れて出てきていることもわかっています。オモチャもなかなか貸し借りが難しい時期だと分かっているのに、その気持ちをくんであげれません。とっても明るい子だし、素直な子なのに、自分がダメにしてしまいそうで怖いです。自分のような窮屈な生き方を息子にはしてほしくないです。誰が悪いのではなく、私の自信のなさからくるものだと思います。眠る息子を見て、ごめんねと涙がでます。毎晩、反省して、明日こそは…と、気持ちを切り替えたつもりが、また怒って。私には出来ないのかと悔しく思います。こんな風に息子に接したいと理想があります。自分なりに頑張ってきたつもりだけれど、自分の性格や悪い癖がいつも邪魔をします。穏やかに、自信を持った母親になりたいです。

まさに、今の悩みでした。
それでもこのblogを見て、改善する様に頑張りました。でも、顔色を伺う様子が子供に出てきてるので、無意識な部分はどうにも出来ないのかもしれません。
人格が形成されてしまう大事な時期。少しでも、影響を少なくしたいです。うちの子供は、感受性が強いので、慎重に接するべきだったのですがうまく出来ませんでした。
どうしても、他人目線の育児になるので、児童館には行きませんでした。おとーちゃんが書かれた様に、私も負担のない場所を選んで遊びました。無理に行く事はなく、小さい頃に嫌々集団に慣れさせなくてもいいとのアドバイスに救われました。ありがとうございました。

連鎖に関する本など、参考になりそうなものがありますか?
なかなか、長年染み付いたものはなおりませんが、頑張りたいと思います。
blogを楽しみにしています。

No title

まさにこれは私そのものです。
小さい頃からいい子でいなくてはとの思いが強く、自己肯定感もとても低く人からどう思われるのかがとても気になる性格です。
客観的に言葉にして頂いたことで、自分を改めてみつめ直すことができ感謝しています。
最後の強引にひっぱってくれる人に安心感を持つという言葉もよく理解できます。

娘には自分のようになって欲しくないと思うのに、知らぬ間に条件付きの肯定をしてしまっていたのだと思います。

以前「子供が拗ねること」で相談させて頂いて自分の心の持ちようを変え色んなことを一緒に楽しむようになってから、子供の状態も落ち着きお友達とも仲良く遊べるようになりました。
色んなことが改善されて私も心から可愛いなと思えるようになったのです。
赤ちゃんをみて思わず溢れ出るような笑顔を私は向けていなかったのだ、ありのままの娘を受け止めてあげれていなかっのだと反省しました。

自分自身の生育歴を変えることはできませんが、自分自身の心の持ちようで娘が変わることを実感出来たので、これからもありのままの娘を受容する子育てを続けて行きたいと思います。

いつも本当に感謝しています。
これからも記事を楽しみにしています。

精神レベル的な話にも繋がってきますね

自己肯定感をあげることは、人生においても大切な課題かと思います。

自己肯定感あがる→幸せに感じる→周りに感謝でき優しくなれる→周りに大切にされる→幸せに感じる→また自己肯定感あがる
とプラスの連鎖を生み出してくれると思います。

そうした積み重ねが、心のエネルギーレベルを上げ、願いが叶いやすくなったり、自分の家のメリットが増えたりしますね。

私はまさに、この課題に取り組んでいる最中にこの記事に出会いました。
思考は現実になると言いますが、まさに私自身が引き寄せたように実感できるものでした。大変ありがとうございました。

No title

こんにちは。
16歳と14歳のこどもを持つ少ーし先輩ママです。
親子関係のものを読むのが好きでおとーちゃんさんの過去記事をゆっくり拝読中です。

今回の記事と皆様がたのコメントを読んで、私はみなさんをおもいきりぎゅっとだきしめたくなりました。
皆さんとても頑張ってらっしゃいますね。コメントされてる方、されてないけれど記事を読まれているかた、みなさんきっと大丈夫です。
子どもの時、親からだきしめてもらいたかったですよね。可愛いいね、大好きだよっていつでも言ってもらいたかったですよね。
そんな皆さんの気持ちを私はしっかりと受け止めたいです。
皆さん素敵な方ばかりです。私も皆さんからパワーをいただいています。だから私もみなさんに少しでもおかえしできたらいいな!

毎日毎日

我が家ではというか、私は、毎日朝起きたら、「おはよー!!今朝も可愛いねー!」と言って、ぎゅーっと子供たちを抱きしめています。

イヤイヤ時期な2歳だから、日中怒ることも、下の子がいて我慢させることも多々ある中で、毎日の習慣としています。

お悩みのママさんが沢山いるようですけど、毎日少しでも、ただただ抱っこしてあげる機会を作ってみたらどうかなぁ?と思いました。
真っ直ぐにママの愛情が伝わる気がします。

コメント参考にさせていただきます

2歳の娘がいます。
朝、抱っこして「今日も可愛いね~」と言うことを、早速やってみました。
おとーちゃんのブログもですが、コメント欄も興味深く読ませていただいています。
おとーちゃん、皆さま、いつもありがとうございます。

うちも毎朝

3歳の息子に
「起きたの~、な~んて可愛いんだおまえは!」
とか言いながら、ぎゅむぎゅむハグしてます。
朝忙しい時に、「あらもう起きちゃったの?」と、内心思ったりしちゃう時もあるけれど、お互いの心の栄養になってるかな?と思います。


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