2017-06

支配しなくても子供はまっすぐ育つ vol.3 - 2015.01.31 Sat

「支配しないで子供と関わる」ということは、逆から言えば「一人の人間として接する」、「その子を尊重する」ということです。








僕は第二子の娘(むーちゃん)を、妻の育休が明けて復帰して以来、主になってみています。

このことは、僕にとってとても幸せな経験でした。
子育てを日々喜びや楽しさを感じながら送れるというのは、非常に幸運なことであったでしょう。
特に男性でありながらこの時間をたっぷりと持てたことは、現代では本当に希有なことであったろうと感じます。


それができることは、必ずしも当たり前ではないことを知っています。
子育てには自分の努力だけではどうにもならない場合もあります。
もし、娘が「寝ない子」であったり、「触覚過敏」な個性があって始終不快感を示していたり、触れられること、抱かれることも好まなかったり、という個性があった場合はそのようにすんなりとはいかないこともあったでしょう。
(お子さんに強い個性があって子育てがスムーズにいかない場合は自分を責めないようにしましょう。それは「子育てのしかたが悪い」というような問題ではないからです。
しいて言えば、むーちゃんは寝ぐずりがかなり激しかったことが特徴でした。これは4歳後半まで強くでていました)


それほど難しい個性を持っていたわけでもなかったので、無理なくたくさん可愛がることが出来、受容や信頼関係のプロセスがスムーズに行えました。

職業柄、子供といることにはあまり抵抗がないので、ついつい「かわいいなぁ」ばかり口をついて出てしまいます。




「子供を尊重する」という言葉を聞くと、
「子供のことを大切にしなさい」とこの人はいっているのだなと理解する方が多いかと思いますが、それだけでは半分しか正しくありません。

大人で考えてみればすぐわかりますが、こちらが相手を尊重して敬っていても、相手がそれを笠に着て居丈高にえばってばかりだったりすれば、そこにはお互いの信頼関係というものは高まっていきませんよね。

それでは本当の尊重には至らないのです。

「相手を尊重する」というのは、相互であって初めて健全に機能することです。


「子供を尊重する」ということは、
同時に、「自分で、自分自身も尊重する」し、「子供にも自分を尊重してもらう必要がある」ということです。


なので、僕は子供を支配はしませんが、自分が嫌なことは嫌と伝えるし、不快に感じることも子供の手前我慢するのではなく、それが不快であることを子供にもわかるように示します。ただ、それはあくまで不快であることを示すのであって、子供を責める気持ちを前面に出しているわけではありません。

例えば、こんなとき。


子供が3~4歳だとします。(1~2歳程度であれば発達上仕方ないケースもあるでしょう)

食事をしていて、コップを倒してしまった(食べ物を落としてしまった or お味噌汁をこぼしてしまった など)とき、笑顔で「いいよ、いいよー」とはしません。

それはミステイクであって、悪意があってしていることではないですから、責められるようなことではありませんが、かといって推奨されるようなことでもありません。

もし、それを食事のたびに毎回されたら、たいてい大人はうんざりしてくるでしょう。
またもし、1年後、2年後も同様のことが頻発していたら、そこでも大人は不快を覚えるでしょう。そして、その時期でもこのようなケアレスミスが多い状態では、大人は不快を通り越して怒りや、強いイライラを感じるはずです。


たくさんされたら嫌なこと、大きくなってされたら嫌なことなのですから、それは一回だとしても、年齢が小さかったとしても嫌なことには変わりないのです。

ですからここで、笑顔で「いいよいいよー」にしてしまうことは、自分にも子供にも嘘をついていることと同じになります。
なので、責めはしませんが敢えて笑顔を作りはしません、真顔で対応します。
「気をつけて下さいね」と伝えたりして、自分がそれを好ましく思っていないこと、つまり不快であることを子供が受け入れられる範囲で示します。


これによって、子供はその後、自覚的に行動に気を配ることを身につけていきます。(前提として信頼関係があれば)

叱ったり、小言を言うことで規範を押しつけて子供に正しい行動を教え込むこととは根本的に違うアプローチになっています。

この出発点は、「子供を尊重する。同時に大人自身も尊重する」というところにあるのでした。


そうして、一人 対 一人の人間としての関わりを積み重ねることで、ことさら支配のレールに載ることなく、無理のない形で子育てを送ってくることができています。


これはうちの娘が特別だったからできたというわけではありません。
保育園に来る大勢の子供とも、年齢が大きくなっていても、大人の姿勢次第でこのような関係を結ぶことが可能だからです。


最近、「子供と信頼関係で子育てをしてきて本当によかったなぁ」と思わせるエピソードがあったのですが。また今度紹介します。
関連記事

● COMMENT ●

No title

本当にこちらのブログにはお世話になっています。最近子育てがすごく楽しく、また、穏やかな気持ちで過ごせています。きちんと話せば、いつもうまくいくわけではないけれど、大抵耳を傾けてくれルし、どちらか一方が特別我慢するわけでもなしに、なんとなーくお互い色々妥協できるところを探しながら日々過ごしてます。時にはもう待てないから連れてくよ!なんて場面もあるのですが。子どものことを尊重するのと自分を尊重するのは、一緒にできるんですね。子どもが大好きなのは変わらないけど、前よりずっと自分が好きになりました。保育士おとーちゃん、本当に本当に、ありがとう。

我が家の場合

お父ちゃんさん、こんばんは
娘が成長期にはいってからというもの、夫と話し合い(言い争い?)になる論点は、この「子供を尊重するとはどういうことか」でした。
今もお互い同じようには捉えていないと思います。
だけど、それでいいのかな、と思うようになりました。
元気に育ってくれればそれでいい、という大きな軸に違いはないのでやり方は色々あっていいのかな、と。

娘に、「相手を尊重するとはどういうことか」教えてもらったような気がします。
成長期って親も成長していく時期なんだな〜としみじみです(笑)
最近は娘が私に寄り添ってくれてるんだな、と実感することが増えました。
まだまだ激しい自己主張もあるけれど成長期も終盤に差し掛かかったかな、と思う次第です。

お父ちゃんさんとお子さんのエピソードの記事、楽しみにしています!

鏡の自分

コップの例で言えば、うちの2歳9ヶ月の息子は、こぼしたら台拭きを持って来て拭きますよ、自発的に。

「子供だから出来ない」とか「こぼすのも仕方ない」とか親がイライラしつつ対処するのは、子供も成長しないし、親もストレス溜まると思うので、ずっと「こぼしたら、拭いてキレイキレイするんだよ」と説明し続けていたら、自分で後片付けをするようになりました。

子供って、まだ「どうしてそうなるのか?(コップからこぼれる)」とか「どう対処すれば良いのか?(雑巾で拭く)」を知らないだけなので、やっぱり『教える』って大事じゃないかな、と思います。

だから、支配するとかしないとかじゃなくて、(人生の)先生と生徒な気持ちになれば、良い関係が築けるんじゃないかな、と親をしていて気付いたことです。

自分自身は、支配的な親で育ったので、反骨心で支配的にならない!という思いと、おとーちゃんのブログに支えられて、とても可愛く(子供らしく)育ってます。

本文の、転載許可のお願い

こんばんは!

唐突で大変失礼なのですが、本文の転載をさせて頂きたいと思い、連絡させていただきました。

育児真っ只中の私にとって、ほ~!っとため息が出るくらい育児のあるあるばかりで、本当に勉強になります!
正解がないだけに、この対応で良かったのだろうかと自問自答するばかりでしたが、気持ちが軽くなりました!

記事はこれから書かせていただきたいと思います!
許可のお願いを申し上げます。
そして、アップ出来次第報告させて頂きます!

これからも参考にさせていただきます♡

ありがとうございました!

ps.コメントの非公開が出来なかったので大変恥ずかしいのですが(*'-'*)
よろしくおねがいします~


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://hoikushipapa.blog112.fc2.com/tb.php/738-98ad6c59
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

支配しなくても子供はまっすぐ育つ vol.4 «  | BLOG TOP |  » 支配しなくても子供はまっすぐ育つ vol.2

ごあいさつ

ただいまコメント欄での子育て相談は休止中です。 お悩みのコメント下さっても回答を差し上げることができません。 申し訳ありませんが、過去記事、すでにある返信コメントなどを参考になさってください。 多くの相談への返信がすでにあります。関連するカテゴリーから探す、検索を使って探すなど利用してみてください。 多忙になってしまい、コメントへの返信ができなくなってしまいましたが、お寄せいただいたコメントにはすべて目を通し更新の励みになっております。ありがとうございます。

最新刊

よければレヴューも書いてね!

前作!

最新記事

最新コメント

プロフィール

保育士おとーちゃん

Author:保育士おとーちゃん
当ブログはあくまで個人ブログであり、記事の内容および相談・コメントの返信等は効果を保障するものではありません。
ご利用に当たっては自己責任でお願いします。

楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

講演等のご依頼

講演・ワークショップ等のご依頼はFacebookのメッセージ または『保育士おとーちゃんホームページ』 http://hoikushioto-chan.jimdo.com/ よりどうぞ。

カテゴリ

はじめにお読みください (1)
【まとめ】記事 (2)
子育てノウハウ? (75)
子育て日記 (13)
保育園・幼稚園 (88)
日本の子育て文化 (163)
おもちゃ (26)
叱らなくていい子育て (9)
排泄の自立 (11)
『魔の2歳児』 (5)
子育てまめ知識特集 (4)
あそび (41)
おすすめグッズ (8)
おすすめ絵本 (22)
食事について (15)
過保護と過干渉 (31)
満たされた子供 (7)
早期教育 (19)
我が家の子育て日記 (86)
心の育て方 (91)
相談 (83)
子供の人権と保育の質 (53)
その他 (56)
未分類 (21)
講座・ワークショップ (69)
父親の子育て参加について (3)
雑誌・メディア (12)
子育てに苦しむ人へ (3)

保育ひろば

保育ひろば

楽天

FC2カウンター

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

おしらせ♪

当ブログはリンクフリーです。トラックバック・リンクはご自由にどうぞ。 しかし、本文・コメント・その他を含めて著作権は私にありますので、引用・転載する場合は連絡をお願いします。また引用元の記載も併せてお願いします。 なお写真の転載はお断りいたします。

ランキングに参加しています

検索フォーム

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QRコード

アクセス解析