2017-06

「かわいい子に育てる」vol.11  おわりに - 2015.01.08 Thu

(現在、子育て相談は休止中です。新たにコメントされてもご返信差し上げることができません)



お問い合わせいただいた、電子書籍化についてですが、これも決定いたしました。
そちらでの発売は2月上旬予定になっております。
電子書籍のほうがご都合のよろしい方は、もう少々お待ち下さい。




ワークショップ第一回の内容を元にした、「かわいい子に育てる」シリーズも今回でおしまいです。

この内容は、保育園で言うところの「乳児クラス」つまり3歳未満児を、おおむね対象として組み立てています。

年齢があがっても基本的なことは変わりませんが、小さい頃に子育てを安定化させてしまうと、その後も子育てがスムーズにいきやすいというのが、このワークショップの狙いだったので、小さければ小さいほど今回の話が当てはまっていくかと思います。








◆おわりに
・褒める→行為の肯定
・かわいがる→存在の肯定




保育園でこんな子供をときどき見かけます。

これは幼児の場合が多いですが、その子はたくさんの習い事やお勉強をしており、そういった点では他の子よりも秀でているように見えます。
また、そういった子はしっかりしていたり、大人びている面も見かけられます。

しかし一方で、イライラや、余裕のなさ、満たされなさを抱えてもいます。
ちょっとしたところで意地を張らなければならなかったり、優しくしたり譲ってあげることができなかったり、なかには他児に意地悪さを出す子もいます。


その子たちはなにも、習い事や勉強をしたからそうなったというわけではなく、その子たちがそれらに駆り立てられる前の乳児期を見ると、その子たちの多くは乳児期の子育てにおいて、さまざまな「できること」を身につけることを期待されて送ってきています。


この子たちは、小さい内は生活や遊びの中でのさまざまな「できる」を親に求められて、少し大きくなってからは習い事や勉強などの「できる」を求められているわけです。


こういった子供たちは、親に褒めてもらおう、認められようと、頑張ってその期待に応えようとします。

その程度は様々ですから、このような形の子育てをしていても問題なく育っていくケースだってもちろんあります。




でも、極端なケースを見てみると・・・。

母親は普段、子供に笑いかけたり、冗談を言ったり、ゆったりした気持ちで遊び相手をしたり、関わったりすることもなく、いつも忙しそうにしていたり、子供のことを仕事や自分の余暇にとって邪魔な存在であると感じていたり・・・、というような家庭の場合。

その子供にとっては、親からの温かい感情をもらうためには、その親の期待に応えなければなりません。

頑張って成果を出した結果、認めてもらったり、褒めてもらったり、そのご褒美としてのモノをもらったりすることによって、自分が親から大切にされているという実感を得なければならなくなっているわけです。


言ってみれば、親の優しさ・温かさは「成果主義」「ノルマ制」の結果の報酬なのです。



このような子育てをされてしまうと、子供はごくごく小さい内から余裕がありません。
いろんなところでその子のキャパシティ以上の頑張りを要求されてしまいます。

そして、その無理をした分をどこかではき出さなければなりません。


中にはそれを親に対して出す子もいます。
それを子供からのサインと理解して、対応を修正できる親もいますし、それができない人もいます。


また中には、親に対しては出せない子もいます。
そういった子は親以外のところへネガティブ行動を出すことになります。


まったく出さずに、心の奥深くに圧殺するように溜め込んでいく子もいます。


または、親以外で無条件に温かく受け止めてくれる人がいて、そのわだかまりをそちらで消化できる場合もあります。




このことが何を意味しているでしょうか?

僕がたくさんの子供たちを見てきて思うのは、子供の人生の出発点から成果主義にする必要はないということです。

子育てで一番大切なことは「できる」ではないということです。




親は「親バカ」くらいでちょうどいいと思います。

「あー、うちの子はかわいいなー」
「なんてこの子はかわいいのだろう」

なにもなくとも、こういう風に思ってもらえるのは、無条件の好意です。
子供が健やかにまっすぐ育つためには、この無条件の温かさがどうしても必要なのです。



なにかの成果を出さなければ親に好意的に見てもらえない子というのは、無条件の好意がもらえないから、仕方なく頑張らなければならないのです。

つまり、無条件の好意の代償として、褒めてもらわなければならなくなっています。



一時期、「子供は褒めて伸ばしなさい」といった子育て法が流行りました。
しかし、褒めることを上のように機能させてしまったら、それはあやういことなのです。


「褒めること」が悪いわけではありません。
でも、「褒める」というのは、子供の行為の結果が良好だったから発生するものです。
つまり、「行為の肯定」なのです。



子供をかわいいと感じて、それを伝えたり、かわいがる関わりを大人がしてくれることは、その子そのものという「存在の肯定」になります。

子供が小さければ小さいほど、この「存在の肯定」が大きな影響をもたらします。

小さい内に「存在の肯定」をたくさんしてもらってこそ、あとからくる「行為の肯定」がうまく機能します。
「存在の肯定」なしに、それを「行為の肯定」で肩代わりさせようとしても、そこには限界があります。



だから、子育ての出発点は「かわいい子供」にして、たくさんかわいがってあげることが、なににも増して大切なことだと僕は強く思うのです。

以上で、「かわいい子に育てる」シリーズ終了です。
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● COMMENT ●

No title

新年おめでとうございます、本年も宜しくお願いします。

本日頼んでいた、おとーちゃんの本が届きました。
読むのが楽しみです、ゆっくり読んでいきたいと思います。


執筆にブログに講座、本当にお疲れ様です。
これからも応援していきます!
頑張って下さい!

No title

お父ちゃんさん、こんばんは。

今回のかわいい子に育てるシリーズを今簡単に全部読みなおしてみましたが、本当に解りやすくて良かったです。

私が変わってきたのでかなり息子も落ち着いたのですが、怒るのを本当にやめれたのが最近で、また、成長期をかなり甘やかしで乗りきってきたので、まだまだ安定できない時もあって、それはそれで今の私と彼としてはOKなのですが、今回の記事を見て、暖かい関わりをもっと彼にわかりやすく伝えることが出来そうだなあ。と感じました。

お返事は不要です。

講演の件です。

保育士おとーちゃん様へ。

静岡県東部で主婦をしています。
二歳の息子がおります。
以前よりブログを拝読しており、書籍も購入し大変勉強になりました。
講演の件ですが、個人運営で地域におとーちゃん様をお呼びすることは可能でしょうか?その際の条件とはいかがなものでしょうか?失礼を承知ですが、いてもたってもいられず…

地域のセンターを借りて、一般や保育士の受講者を募れないかと思っています。
悩んでいる仲間や、子供たちの役にたちたいのです。

お忙しいとは思いますが、ご連絡を頂けると幸いです。

お年玉やおこづかい お金のこと

おとーちゃんさん、こんにちは!
本の出版、おめでとうございます。まだ入手してないのですが、読むのを楽しみにしています。

子育て相談をお休みしているのを承知の上で恐縮ですが、おとーちゃんさんのお金についてのお考えを教えて頂きたいです。
というのも、5歳年中の息子がきのう年明け初登園したところ、急に「おこづかいって何?ちょうだい!それでイオンに行ってトッキュージャーの○○と△△と××と~~と……と買うの!」と言い出したのです。
家では、お年玉ももらったら全て貯金していました。でも、全て貯金しているとお金のありがたみや価値がわからないままだから、使った方がいいとも聞くし、今年はどうしようかと思っていた矢先のことです。

お忙しいところ大変恐縮ですが、むーちゃんやお兄ちゃんのお年玉の行方(!?)やおこづかい事情について教えていただきたいです。
よろしくお願い致します。

No title

前の記事で電子書籍について問い合わせた者です。
ありがとうございます!紙の本は昨日届きましたが電子書籍のほうも購入します!
読みながら、「いつもブログ読んで考えているつもりだったけれど、そういえば最近はちょっと余裕無くて子供が不安そうな感じだったなあ…」と反省しています。書籍になるとまた受け取り方が変わって面白いですね。

悩める母さま
お金については、このあたりの記事が参考になるかと思います、いかがでしょう?
http://hoikushipapa.blog112.fc2.com/blog-entry-533.html

No title

あけまして、おめでとうございます。

そして、本の出版おめでとうございます!
大手チェーン書店の店頭で買ったほうが、売れる本として認識してもらって書店においてもらえる数が増えるのでは、などと微妙な思い込みで書店買いにこだわっていましたが、保育園と職場の往復以外の時間がなかなかとれず・・・。
なかなか手に入らないのが悲しいので、アマゾンでぽちっとすることにしました。。。

今回の記事の内容、深く頷いてしまった内容でした。
しかし、同時に夫との間の溝を埋められずにいる内容でもあります。
育児の他の部分については、お互い話し合ってうまくやっていけているとは思っているのですが・・・。

夫は「きれいごとをいっても、世間は能力で評価し、『できない』人間は就ける仕事や人間関係にも影響し、自信を持って社会的な生活を送ることができないものだ。厳しい社会の中で『できる』ことがその子の自信になり、幸せな人生が送れる。特別できる人間にする必要はないけれど、平均以上には『できる』ことは必要だ」と言います。

確かに自分にも『できる』わが子の姿を、内心誇らしく思う気持ちは正直あります。
リレーで頑張って前の子を追い抜いたりすると、うれしい気持ちになったりします。
でもだからこそ、もしその時に追い抜かされたとしても、子供が精一杯頑張っていたとしたらそれをほめたいし、それは子供のことを好きや嫌いという気持ちとは関係がないんだということを、伝えてわからせたいと思っています。

しかしこの部分がお互いに、夫は運動ができなかったことから学校生活に消極的になってしまった過去を、自分は両親の仲が悪く家族のバランスを取る優等生のできる子を求められた過去を、それぞれ刺激してしまう会話になってしまい、なかなかうまくいきません・・・。

それでも、夫の考えを完全否定したり、極端にどちらかに傾いてしまうことのないよう、子供の幸せについて話し合い、バランスをとりながら子供たちに関わっていきたいと思います。
親が「子供のため」と言いながら子育てを理由に喧嘩していては、本末転倒だと思うので・・・。

そのためにも、おとーちゃんさんの本、使わせていただきたいと思っています!
夫は「個人ブログ」と「書籍」に対しての評価がかなり違うので。。。
(前者は「個人の一意見」、後者は「参考にすべき意見」になりがちです・・・)

本を読むのを楽しみにしています。
ありがとうございました。

そうでした!

お父ちゃんさん、こんにちは
かわいがる→存在の肯定
すごい、さすがだ〜、です。

このところまた難しく考えすぎていた&一人で子育てしていると勘違いしていたかも。
子育てはそう難しいものではないのでした。
ありがとうございます!

一言お礼が言いたくてコメントします

2歳3ヶ月の息子がいます。1年ほど前に、食事のことで(座れない。泣いて食べない)、相談させていただきました。

今息子は、周りの子はイヤイヤ真っ盛りの中、非常に穏やかで、今日一日泣いてないな〜、とか、しばらく叱ってないな〜という状況の息子。2歳を過ぎたあたりから、ちゃんと言えば、多くの場面で、息子の出きる範囲で言うことを聞いてくれるし、ぐずることがあっても、すぐに気持ちを切り替えられているので、すごく子育てが楽になったな〜という感じがしています。(あ、食事は今も飽きると立ってしまいますが、ずいぶん食べられるようになりました)

生まれ持った気質もあるだろうし、まだまだこれからなのかもしれませんが、1歳前後でこのブログを知ってから、できないながらも声かけの方法やくすぐりなどを実践してきたお陰かなと思っています。実際、一歳半くらいの時は、自我は出てくるし、声かけは通じないし…で結構苦労していました。今は、毎日、心からかわいいと思える状態で、息子もいろんな人にかわいがられていて、どんどん肯定的な関わりがもらえる状況になっています。

今、周りで苦労しているママ友に、このブログを薦めたり、本を貸したりしています。いつもありがとうございます。これからもためになる記事をよろしくお願いします。


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