2017-05

乳幼児期の性教育について - 2014.09.02 Tue

最近いくつか同様の質問がありましたので、僕なりの考えを書いておこうかと思います。あくまで僕個人の考えです、誰に押しつけようとも思いません。こういったことは各家庭でそれぞれの考え方があるし、状況や事情もあることでしょう。





一言で言ってしまえば、僕は「あんまり気にしすぎない」と言うので良いのではと思っています。

もう20年以上は経つのかな、世界的に「性教育は早めにした方がよいのでは」というムーブメントがありました。
その主張はいろいろなところで取り上げられましたので、いまでも少なくない人がその影響を受けて「性教育を早期にしたほうがいいのか?」という考えを持ってしまっているのではないかと思われます。

実際にアメリカなどをはじめとして多くの国でその考えにのっとって実践もされました。(多くは学齢期に入ってからです。早いものだと小1から)
しかし、結果は必ずしも想定していたものとはならなかったのです。
たしかにその性教育によるある程度の成果は見込めるものの、逆に性的な関心を早めてそれゆえの問題がそれ以前よりも多くなってしまったのです。

このことが意味しているのは、「正しい知識」さえ与えればいいということではないということです。
これまでは「早期に与える」というムーブメントが大勢を占めていたわけですが、一周回って「与えない」という積極的な選択肢も考慮すべき点になったといっていいでしょう。


僕は乳幼児期において性教育ということは考えていませんが、それの前段階になることと、のちのちの性的な問題につながることの遠因はあると思います。

前段階になることというのは「大事にされる経験」です。
これが元になって子供のなかに作り出す「自尊感情」また、そこから派生する「自己の身体を大切にする感情」それらがさらに「他者の身体や個人の尊重」ということを生み出すでしょう。

このことが性的な教育以前のところにあることだと言っていいでしょう。
これらのことが獲得していなければ、上で紹介した近年の性教育の早期化をいくらしたところで望ましい結果とはなり得ないはずです。


もう一点の遠因というのは、機能不全家族やその他の不適切な子供への関わり方によって、恋愛感情や性的な関係によってそれらの穴埋めを子供が求めて行ってしまうという現実です。

「アダルトチルドレン」と言う言葉があります。
元々は、アルコール中毒の家庭のような機能不全家族において、幼少期の問題をひきずったまま大人になってしまっているものを指す言葉でしたが最近ではそれの範囲が拡大して以下のようなことを指すようになっています。
以下wiki「アダルトチルドレン」から抜粋

近年では「幼少時代から親から正当な愛情を受けられず、身体的・精神・心理的虐待または過保護、過干渉を受け続けて成人し、社会生活に対する違和感があったり子供時代の心的ダメージに悩み、苦しみをもつ人々」を総称して、メンタルケア(心理療法)が必要な人をアダルトチルドレンと呼ぶこともある。(引用ここまで)


こういった状態が家庭への帰属感を喪失させ、家族から適切に受けられなかった感情を男女関係や性的関係などの代償行為へと向かわせてしまい、その過程で子供の妊娠など性的な問題が発生してしまうことがあります。

子供の性的な問題の背景には、幼少期の親子間の関係などが大きく関わっているのです。
それが遠因となって起こっているということでしたら、それは「正しい知識」の問題ではありません。

このように乳幼児期においての性教育というのは具体的な性的な問題そのものではなく、基礎的な親子関係や適切な関わり方、「自己肯定感」「自尊感情」といった通常の子育てのなかででてくることが大切ではないかと考えています。



ちなみに、親から良い感情をもらいたくてももらうことができずに、変に大人びていってしまう子供というのは保育園の年長くらいであきらかに見て取れます。その子たちが将来早熟化するという可能性は高いのではないかと感じます。
関連記事

● COMMENT ●

No title

職場で子どもに性教育をすることがあります。
大事にされる経験、自尊感情、自己の身体を大切にする感情、どれも本当に大切で、これらがダイレクトに性に対する価値観というか、大げさに言えば人生の基礎となる気がします。まずは自分の大好きな人に大切にされないと、自分を大切とは感じにくいんですよね。

親が心配することとして、性犯罪に巻き込まれないか…ということがあると思うのですが、それに関してはやはり小さなころから少しずつ伝えていった方がいいように思います。
痛ましいことに子どもが心を許している身近な大人が加害者になることもありますし、「大人はみんな信頼するに足る存在」ということは毎日の生活の中で自然に伝えながらも、「でも、嫌な気持ちがしたり、何かおかしいと思ったらすぐに話してね」と伝えることも必要ではないかな思います。
小さいうちは少しずつでいいと思うのですが。

そして、「触られて嫌な感じがした」と感じることができるためにも、「心地よい触れ合い」というのがとっても大切なんですよね。親とスキンシップを十分にとっていて、信頼関係ができている子どもは、嫌な感覚にも敏感なようです。
信頼できる親との心地よい触れ合いは性教育の出発点で、その子の一生のお守りになるのかなあと感じています。

質問者さま
そしておとーちゃんさま

今回も興味深い記事をありがとうございます。
おとーちゃんさんの記事、
何度も何度も読み返しました。
心に響く言葉をいつもありがとうございます。
とても参考になります。

蛇足ですが、
横から失礼させてください。
我が家には「こいぬがうまれるよ」
という絵本があります。
性教育が生命を大切にすること、
であるなら
もってこいの本です。
本屋さんの回し者ではありませんが笑
少しお知らせさせてください。
この本は幼児の目線で
子犬の誕生、成長を温かく
愛情深くとらえている本です。
出産シーンもありますが、
白黒なのでファンタジックに
捉えられる気もします。
この本に出会って、
「あなたのお腹にも赤ちゃんの
たまごがあるのよ。」
という説明をしました。
いつも「あなたが大好き!」と
幾度と無く娘には
伝えていますが、
この説明をすると、
「わたし、大事大事ー」と
自分のお腹を撫でていて
それはそれはかわいいものでした。
(親バカですみません)


自分の体を大切に、そして
他人の体も同じくらい大切に、
というところが
我が家の幼児期の性教育です。


ただ、昨今の事件などもありますので、
「おかあさんはあなたのことが
大好きでたくさんキスをするけど、
知らない人にされるのは
嫌なことだよ」とか、
「お母さんは家族だから
お風呂であなたの裸をみるけど、
知らない人の前では恥ずかしいからね」
とか、
すこしずつ伝えるようにしています。
そしてこのあたりの意識は
主人とも共有することにしています。








管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://hoikushipapa.blog112.fc2.com/tb.php/650-bb2455aa
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

相談 自傷行為にどう対応したらいいのか?(1歳10ヶ月)  «  | BLOG TOP |  » 相談 目が合わない状態での声掛けについて(1歳3ヶ月)

ごあいさつ

ただいまコメント欄での子育て相談は休止中です。 お悩みのコメント下さっても回答を差し上げることができません。 申し訳ありませんが、過去記事、すでにある返信コメントなどを参考になさってください。 多くの相談への返信がすでにあります。関連するカテゴリーから探す、検索を使って探すなど利用してみてください。 多忙になってしまい、コメントへの返信ができなくなってしまいましたが、お寄せいただいたコメントにはすべて目を通し更新の励みになっております。ありがとうございます。

最新刊

よければレヴューも書いてね!

前作!

最新記事

最新コメント

プロフィール

保育士おとーちゃん

Author:保育士おとーちゃん
当ブログはあくまで個人ブログであり、記事の内容および相談・コメントの返信等は効果を保障するものではありません。
ご利用に当たっては自己責任でお願いします。

楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

講演等のご依頼

講演・ワークショップ等のご依頼はFacebookのメッセージ または『保育士おとーちゃんホームページ』 http://hoikushioto-chan.jimdo.com/ よりどうぞ。

カテゴリ

はじめにお読みください (1)
【まとめ】記事 (2)
子育てノウハウ? (75)
子育て日記 (13)
保育園・幼稚園 (88)
日本の子育て文化 (163)
おもちゃ (26)
叱らなくていい子育て (9)
排泄の自立 (11)
『魔の2歳児』 (5)
子育てまめ知識特集 (4)
あそび (41)
おすすめグッズ (7)
おすすめ絵本 (22)
食事について (15)
過保護と過干渉 (29)
満たされた子供 (7)
早期教育 (19)
我が家の子育て日記 (85)
心の育て方 (91)
相談 (83)
子供の人権と保育の質 (53)
その他 (56)
未分類 (21)
講座・ワークショップ (66)
父親の子育て参加について (3)
雑誌・メディア (9)
子育てに苦しむ人へ (3)

保育ひろば

保育ひろば

楽天

FC2カウンター

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

おしらせ♪

当ブログはリンクフリーです。トラックバック・リンクはご自由にどうぞ。 しかし、本文・コメント・その他を含めて著作権は私にありますので、引用・転載する場合は連絡をお願いします。また引用元の記載も併せてお願いします。 なお写真の転載はお断りいたします。

ランキングに参加しています

検索フォーム

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QRコード

アクセス解析