2017-03

『子供』と『子育て』の価値を高めたい Vol.3  「不安」と「心配」が大きい理由 - 2014.06.23 Mon

「不安」と「心配」が大きい理由。
それは「これでいい」というものが見えないからです。






過剰な厚着をさせてしまう人の心理状態というのを以前に書いたことがあります。

その人は子供に「どの程度服を着せればいいか」ということに自信が持てません。
「これで風邪をひいたらどうしよう。体調をくずしてしまったらどうしよう」、そのように「不安」と「心配」がやまないので、ついつい「もう一枚、もう一枚」と余計に着せてしまいます。

しかしその「不安」と「心配」から、過剰に着せたことにより返ってかいた汗が冷えて風邪をひいてしまったり、体温調節能力の低い身体にしてしまったりと子供の不利益を招いてしまうことすらあります。


なにごともやりすぎはよくないのですが、「これでいい」と思える「自信」がないので、その「不安」と「心配」はとどまるところを知りません。


ゆえに、前回見たようなさして根拠のないような話などにすらとらわれてしまいます。
なかには「こんなトンデモ理論に!?」というものにまでどっぷりはまってしまうことすらあります。

いま早期教育が大流行しているのにも、このような親の持つ「不安」と「心配」という背景があるのではないかとも感じます。


「世間でいいといわれること」「周りの人がしていること」をすることで、親にしてみると「不安」と「心配」を多少なりとも解消して「安心」が買えるのです。


でも、これで本当に「安心」になるでしょうか?
なかには厚着と同じように、次から次へと数々の早期教育やら習い事やらをどんどん増やしていってしまう人もいます。
おそらく、少しでは「安心」にいたらなかったのでしょう。

保育園でもそのような家庭を少なからず見かけます。
ただでさえ保育園に長時間預けられることで子供には負荷がかかっているのに、親は漠然とした「不安」と「心配」が大きいので、目の前の子供の姿が正しく映らず子供の情緒や心が壊れていくほどにそれらを重ねてしまっている人がいます。

早期教育や習い事には限りません。
過保護・過干渉などにもそういう側面があります。
子供の現状に「これでいい」という見方ができないばかりに、ついつい「ああしよう、こうしよう」と手や口がでてしまいます。
こういった普段の関わりにあることも「不安」と「心配」と無縁ではないでしょう。


結局のところ、本質的な「これでいい」が見つからないまま、目先の「不安」と「心配」の解消をしていても本心からの「安心」にはいたらない人が多いのではないでしょうか。


また、見失ってはいけない点としてこのことがあります。
よしんば、それで親の「不安」と「心配」が解消されたとして、それが必ずしも子供のためとなっているのかどうか?というところです。

先に見た「親の望むもの」と「子供に本当に必要なもの」のベクトルの点ですね。

ここを親は気に留めていないと、「一生懸命子供にしていた」と思っていたことが子供の姿を難しくしていた原因ともなりかねません。
これはまさしく「子育ての迷走」です。


つづく。



余談ですが、そういえば以前こんな話を聞いたことがあります。

「母親はどうしても子供への近さやその細やかな気遣いによって、子供の姿に不安や心配を重ねてしまう。一方で、父親はもう少し客観的な広い立場から子供を見据えて、母親のそういった過剰な心配に対して「そう心配しなくてもいいのだよ」というセーブをしていた。そういう役割に自然となっていた」

というようなものです。
現実には母親でもどっしりと構えた人もいれば、父親でも細やかな人もいたりしてこのような見事な役割わけなどなされているものでもありませんが、まあ傾向としてはそういうこともなきにしもあらずというところなのかもしれません。

そういえば、最近のお父さんは昔よりもかなり過保護・過干渉な人が多くなっているというのは実感としても感じることはあります。
まあ、こちらも実は以前のお父さんが単に子育てにノータッチだったとか、関心が低かったのでそう見えなかっただけということもあるかもしれませんが。



それを父親がするかどうかは別としても、確かにその過剰な不安・心配をセーブしてくれる人は少なくなっているというのは言えるかと思います。
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● COMMENT ●

No title

こんばんは。

連日の更新ありがとうございます。

今日の記事を読み、親の不要な不安や心配は子供にとってはただの負担でしかないんだと理解できました。
自分も子供の頃はそうだったなあ。と思い出しました。

「どうしたら不安にならないか。」よりも、視点を「自分はどうすれば、これでいい。と自信が持てるか。」のほうにシフトしていくことが大事ですね。

次の記事も楽しみにしてます。
ありがとうございます。
お返事は不要です。

相談です

はじめまして。
おとーちゃんさんのブログを、参考励みにしながら愛読させてもらっています!

本文のコメントとはずれてしまいますが相談させて下さい。

4歳2ヶ月の娘についてです。
娘はワガママやダダコネはありますが、私からみて素直で優しく明るい子だと思っています。
8ヶ月の弟の事は可愛い可愛いと大変可愛がってくれ、見ていて本当に幸せな気持ちにしてくれます。
時々弟のニギニギぺチぺチに本気で泣いて怒ったりはしてますが…。

親バカ目線なので参考にならないかもしれませんが、娘はこのような感じの女の子です。

本題にはいります。
娘が2歳位の時から床にうつ伏せになり足をピンと伸ばしながら上下に動かしてる姿を見るようになりました。
どうやら自慰行為のようで、現在もお昼寝の前と起きてからもしています。
ネットで調べると「問題ない」や「満たされていない」などの情報があり困惑しています。

本人には、これはおうちでだけにしようね。と伝えており外ではしません。
(祖母の家で眠くなると時々していますが。)
あまりにも汗がすごい時はその辺でおしまいにしようよ~と声をかける時もありますが、だって気持ちいいの~と言い止めません。

娘の自慰行為も、おとーちゃんさんの言うネガティブ行動なのでしょうか?

まとまりのない文章ですみませんが、お時間のある時にお返事を頂けたらと思います。
よろしくお願いいたします。

相談です。

いつもブログ読んでます。
とても参考になることばかりで、子育てが楽しくなりました!

相談なのですが、二歳一ヶ月の息子は
遊んでいて思う通りにいかないことや失敗することがあると
その失敗した時のプロセスを繰り返し再現します。

例えば、 積み木を積んでいて、誤って自分で倒してしまう。
→高く積むのをやめて、少し積んでは倒すことを繰り返す。
例えば、 机の上に並べて遊んでいた車のおもちゃを、誤って自分で落としてしまう。
→机の上に置いては落とす、を繰り返す。

という感じです。
失敗を受け止めるための作業なのかなと思い
私は特に何もせず、見守っています。数回やれば治まるので。
でも、大人からすると、まるで自暴自棄になってるようにも見えるし、急におもちゃの扱いが荒くなるので、
もっと別のやり方で、失敗を受け止められたら良いのにな、とも思います。
どんな言葉がけをしたら良いでしょうか。

葵さん

>例えば、 積み木を積んでいて、誤って自分で倒してしまう。
→高く積むのをやめて、少し積んでは倒すことを繰り返す。
例えば、 机の上に並べて遊んでいた車のおもちゃを、誤って自分で落としてしまう。
→机の上に置いては落とす、を繰り返す。

その様子を見ることができないので今ひとつどういう状況なのかわからないのだけど、そのときの様子がものすごく激しているとか、なにか普通でないような問題のあるような姿として見えるということなのかな?

積んで倒すのも遊びだし、車を落とすというのも遊びとしての姿ではないのかな?
申し訳ないが僕からはどのあたりを問題視しているかというのが今ひとつよくわかりません。

そういったささいなことを息子さんは、失敗と捉えてそれを受け入れられないような様子でそういった行動をとっているというように見えるということなのでしょうか。

それらがなんらかの発達上の問題とつながって見えるように感じるという意味でしたら、その時以外の行動でも気になる兆候というのが出てくるかと思います。

そういうわけでないのでしたら、過剰に心配しないで子供の成長の一段階の姿として見守ってあげていいと思います。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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