2017-06

子供になめられる - 2014.06.18 Wed

ときどき、「子供になめられてしまっています」とか「甘えさせると子供になめられませんか?」というような相談を受けます。

関わりに自信のない保育士や教師が、毅然と子供たちに対峙することができず信頼関係の形成にいたらずに言うことを聞いてくれないというようなことはあるでしょう。
たしかにこういう状態は「なめられている」という言い方を当てはめることはできるかもしれません。






しかし、親子関係において「なめられる」というのはどうなんでしょう?
僕はそもそもそのような見方が入る余地というのは本来ないと思います。


「なめる」というのはなんでしょう?
これはつまり、支配・被支配の関係において、被支配の側が、支配の側を尊重せず従おうとしない、もしくは反発・反抗するという状態のことをさしています。


子育てを支配・被支配で考えている人だとしたら、子供が親に従わないとか反発を見せるという行動を見たときに、それを「なめている」と捉えるかもしれません。

「なめている」と捉える大人は、「舐められてはならない」と当然考えることでしょうから、その「支配」という関わりをより強化しようとするでしょう。

具体的には怒ったり、叱ったり、叩いたり、無視したり、脅したり、ものや食べ物をあげないといった何かを人質にとるような対応というのも考えられます。

子供と大人を比べたら当然大人の方が強いですから、子供を支配しようと思えばなんとでもなります。
その気になれば確実にその「支配の強化」というのは成功するでしょう。


しかし、それがいったい何をもたらすでしょう・・・・。

親子の関係を、支配・被支配にしたら、子供が力の弱いうちは子供は被支配側です。
でも、思春期くらいの力関係で同じくらいになった時には、それはどうなるかわかりません。

子供にはどんなにひどい扱いを受けていても「親を尊重したい」という気持ちがありますから、よしんば子供の方が力関係で上位にたっても、それを本気では出さずに親の優位を認めるという子もいるでしょうし、力関係で張り合うことを避けるために、親とかかわらない道を選択する子もいるかもしれません。



親子関係に支配・被支配というものが必要でしょうか?
封建時代ならばいざしらず、そのような親子関係など今の時代に必要ないと僕は思います。
おそらくこの考え方は、長いこと「叱る子育て」をしてきてしまった子育て観が産み落としてしまった弊害なのではないでしょうか。


ところが、いまだにこの種の考え方は日本人の中にわりと根強くあります。

1歳の子や、2歳といったほとんど赤ちゃんに対してすら、「私は子供になめられてしまっています」という価値観で悩んだりしている人がいます。


そのような幼少期から、親子関係を支配・被支配で構成しようとしたらとてもではありませんが、子育てがうまくいくはずはありません。


子供の反発と押さえつけ、さらなる反発、さらなる押さえつけの強化・・・・・。
その後の子育て人生がそれの繰り返しになってしまうでしょう。

そのような子育て、親子関係が楽しいでしょうか?

親がいなければ1日だって過ごせないような1、2歳の子が、その親を「なめる」などということはありえないのです。
大人の持つ先入観が色眼鏡になって、子供の姿をとんでもないものに見せてしまっているのです。



このように育てられた子供というのを見たことがあります。

その子供は人との関わりを、すべて支配・被支配として捉えています。
なので、友達関係においてもそれを行います。
力の強弱でもって人と関わろうとするのです。

他児からものを奪い取ったり、叩いたり、馬鹿にしたりということを平気でします。
その子にとっては、そもそもそれらが悪いこととは思えないので、平気もなにもないのです。
当たり前の行動なのです。

もしそういった行動をその親が見れば、「そんなことするんじゃない」と怒鳴りつけ、叱りつけ、特には叩きます。

しかし、その行為自体が、その子供の行動のモデルケースになっているので、そのように支配的に関わることはその子が他児に支配的に関わることを止めるどころか、その原動力にしかならないのです。

どこまでいっても出口がありません。



子供と親との間に必要なのは、「支配・被支配」の関係ではありません。
「子供になめられている」というように考えてしまう人は、本当に気をつけたほうがいいです。
その価値観で子育てをしたら、どれほど頑張ってもけっして子供はまっすぐには育ちません。

親子の間に必要なのは、互いに好意を示し大切に思いあっているという「信頼関係」なのです。

その信頼関係によって、子供は「望ましい姿」を親の思いと実際の行動を照らし合わせる中で獲得していくのです。
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● COMMENT ●

スマホのハロウィンテンプレートについて

こんばんは。
いつも参考にさせていただいてます。
ありがとうございます。

さて、わたしはiPhoneで見ているのですが、ハロウィンのテンプレートになってから、一部の記事が大変読みづらい状態になってしまいます。

具体的には、ページ全体が2文字で折り返しになってしまっていて、縦に非常に長く、読むのが困難です。

例えば、昨日の記事など。

私だけなのかもしれません。でしたらすみませんが、以前のノーマルタイプに戻していただきたいです。

ご検討よろしくお願いします。

No title

保育士をしていて、よく同じ保育士に「子どもになめられちゃダメだよ」と言われるのですが、子どもは大人の言う事を聞かせなきゃいけない、管理していかなきゃいけないという想うが強いのだと思っています。子どもを人としてみていない保育士の方が子どもをなめているとしか思えません。

なめられないように…

私も保育士をしています。そうおっしゃる方、いますよね。気持ちがわからなくはないですが…なめられないように…はあまり使いたくない言葉ですね。なめる・なめないではなく、こどもとの関係をしっかり作っていってほしいと思うことはあります。
後輩がこどもに全く話を聞いてもらえない姿を見ると特に…(^_^;)
いざという時に注意する事よりも、普段の生活の中で関係を作っていく事の方が大切なのに…
といいながら、全ての子にできるわけではないのが現状です(~_~;)マイナスな行動が出ている子ほど関わりを求めているのに、上手く関係が作り辛く…負のループになってしまう事も…。
おとーちゃんさんが、書いているように大人はこどもに対して支配がきいてしまうのは、確かにそうだなぁ…と自分はどうだろうかと振り返ってしまいました。自分を振り返るキーワードになりそうです。

あるあるですね。。

本当に、その子供観は百害あって一利なしだと思います。
子供を優位に立たせないために間違いを認めない大人、小さい頃たくさん見ましたし、今もごろごろいます。
「野蛮な獣に人間様の作法を教え込むのが躾であり教育」みたいな時代からの流れと言うのか、名残と言うのか…
今じゃドッグトレーナーすらそういう考えをしないと聞きかじりましたが。

でもそういう、私にしたら明らかに劣っていると思われる考え方も、周囲では「子育て(保育)に正解は無いよね~考え方は人それぞれだよね~」みたいな感じで許容されているようでイラつきます(なのでおとーちゃんがその手の保育をする保育園を「勉強不足」「質が低い」等とはっきり否定していると、溜飲が下がります)。

必要なのは准保育士ではなく逆に指導保育士のような立場だとおとーちゃんは仰ってましたが、そういう制度がもし出来たとしても、今の日本だと管理や支配を徹底するだけのご指導をされそうに思えます…。
それとも、おとーちゃんの主張するような子供観、保育論は、アカデミックな世界での一般的な見解なのでしょうか。
そうだといいな…

なんだか、周囲の人が子供に当たり前にしている対応が虐待のライトなものにしか見えなかったり、自分が当たり前だと考えてる対応が「育てやすい子を持った親の言うきれいごと」だとしか受け取られなかったりが多くて、歯がゆいです。
自然科学と違って何か自信を持てるような権威ある証拠もないですから。

急に愚痴を言いたくなりました。
ご清聴ありがとうございました^^;

はじめまして

4月に二人目が生まれた母です。
上には1歳9ヶ月の息子がおります。

いつも楽しみにしてます!
息子がもっと小さい時から読みたかったです。

最近息子は、よばれても振り向かなかったりおいでといってもおやつの時間以外来てくれなかったり、しかっても目を合わせなかったり。

以前は名前を呼ばれたりすると返事をしたり、○○取ってややってに対して反応したりしてくれました。

年齢や赤ちゃん返りでそうなることはありますか?二人の子育てがうまくいかなく、とても辛いです。

読み応えがあります。

初めてのコメントです。
5歳の息子の母で、出版業界で働いています。
書籍化されるかもしれないとのこと、半年ほど前から読み込んでいた私も、どうにかうちで……と思っていたので、悔しくもうれしいです(笑)。(まあ、うちの会社の体力では難しいのですが)
よい編集がついて、うまくまとまることを祈っています。
そして、本が出たとしても、このブログの雰囲気が変わらないことを願います。

このブログに出会って、私の中で大きく変わった「子育て」に対する考えが以下の2つです。
●子どもがおこす問題の多くは、子どもが大人を困らせるのではなく、大人が子どもを困らせるため、仕方なく子どもがそうなってしまっているのだということ
●「いい子に」「優しい子に」「賢い子に」と何かどこかに導かなくてはと思いがちだが、子育ては、親が目標をたてて、そこまでひっぱり何者かにすることではなく「その子そのもの」をちゃんと見るのだということ

子どもができて、初めて親になります。
だからいちいち不安で、こわくて、間違いたくなくて、昔ながらのしつけや、早期教育や、親としての先輩であるおばあちゃんや保育士の言うことに頼ってしまう。
そういう時におとーちゃんさんのブログに出会えたら、親も楽になるし、結果、可愛い子どもが増えるのではないかなと思います。
私は楽になりましたし、うちの息子もたいへん可愛いです(笑)。

これからもためになる記事を楽しみに待っています。

No title

「親が子どもになめられてはいけない」
今日保育園に言われた言葉です。。

年中クラスにいる女の子ですが、集中力がない、指示が通りにくい(言う事を聞くより遊んでしまう)事が多いために、保育園から以下のようなことを良く言われます。

・小さい頃からの親子の主従関係がなっていない。大人が上、子どもが下。子どもにいってみれば人権らしきものなんてないでしょう?躾ありき。躾に失敗している。

・お宅の子どもは園の求める水準に満たしていない。先生は1人、生徒は12人、ついてこれない大人の期待に答えられない子どもは切り捨てておいていきます。伸びる子を育てたいので。親御さんはそれでいいんですよね?

・・・と。
全く納得できません。うちでは子どもであろうが、やる理由をしっかり説明しているのですが、それさえも「不要、大人がやるといったらやる。右と行ったら右」と言われます。

こんな保育園、なにかが間違っていませんか?
保護者の私が子どもに甘いだめ親なのでしょうか。
わからなくなってしまいました。
是非ご意見が聞きたいです。

ぶっちさんのコメントを読んで

横レススミマセン。
ぶっちさんのコメントを読んであまりの腹ただしさに震えました。
ありえない保育園、保育士だと思います。
今までもこのコメント欄でいろんな保育園の指摘を観てきましたが最もひどい保育園だと思います。
たからといってやめられる状況ではないですよね、、、
それにそのような考えのもとに保育されている他の園児が可哀想です。どうにか、その園の考えを変えられる策はないのでしょうか、、、
公立なら、役所に訴えるとかですかね。
お力になれませんが、あまりにひどい保育園だったのでコメントせずにはいられませんでした。

佐野さん

>子どもを人としてみていない保育士の方が子どもをなめているとしか思えません

僕も同感です。

大人と同等の「人間」としては見てこなかったという価値観がこれまでの日本での子育てのスタンダードなあり方でした。

専門家としてそれではいけないはずなのに、学校や保育園でそういうことがそのまま行われてきています。

体罰などもそういった価値観から生み出されているもので、どちらも子供を管理すべき矯正すべき対象として、ひとりの人間としての人権を尊重しないところに発しています。

もういい加減これを改めていかないとならない時期にきているでしょう。

かずこはママさん

子育てを大人の思い通りに子供を動かすことや、○○できることを求めたり、規範を当てはめて制止や規制、過干渉などのマイナスの関わりを多くするよりも、楽しいことや心地よいことを共感したり、そういう時間を共有したり、可愛がったりというプラスの関わりを多くしてみることです。
それを気持ちに余裕をもってすることで、子供が「言うことを聞かない」という種の悩みは解消することが多いです。時間はかかるかもしれませんが。

まずはくすぐりからはじめてみるといいですよ。

ぶっちさん

>こんな保育園、なにかが間違っていませんか?

明らかに間違っています。
そこは保育の本質を見誤っていると言っていいでしょう。

その保育園は、なにかお勉強要素などが「売り」の園なのでしょうか?


>・お宅の子どもは園の求める水準に満たしていない。先生は1人、生徒は12人、ついてこれない大人の期待に答えられない子どもは切り捨てておいていきます。伸びる子を育てたいので。親御さんはそれでいいんですよね?

保育園というのはなにかカリキュラムを設定してそれを子供に習得させることを目的とした施設ではありません。というよりも、それをしてしまうことを保育指針の中で否定されています。

保育園は家庭の代替機能として存在しているのであって、そこではどんな子供であっても切り捨てて置いていっていいということはありません。

家庭のなかでもし、子供がついてこれないからといって切り捨てて置いていったら、それはネグレクトもしくは虐待です。

その保育士は、それをこれからしますと自分の口で言っているようなものです。

詳しい状況がわかりませんので正確なことは言えませんが、そのような発言をしたのは問題としていいことだと感じます。
施設長や、運営団体もしくは区市町村の保育課などに相談してもいいのではないでしょうか。


もし、子供は指示に従えなかったり集団での行動についていけないのであったら、そこをできるように見守り援助していくのが保育士の仕事です。
それをいかにできるかが保育士の力量であって、子供が従えないから「子供が悪い」「家庭のしつけが悪い」というのは専門職として思考の方向性が間違っています。
しかし残念なことに、このような姿勢で子供や家庭に臨んでいる保育士というのはたくさんいました。いまでも少なからずいることでしょう。

僕も「子供を威圧する保育はなぜ起こるか」などの過去記事の中で、それらについて言及していますがいまだにそのレベルの見識で保育をしているところ、それになんの疑問も感じていないところがあります。

「右向け右」というのは軍隊や刑務所でやることであって、家庭の変わりである保育園がそのような姿勢でいるというのは大いに問題です。だが、それがうまくできることがうまい保育であるという考えは昔から現在まで続いてしまっています。


もし、預かっている子供になんらかの個別の問題があって、行動が不適切であるというのならば、そこを改善できるように援助したり、家庭にアドバイスをしたりすることが職務として求められることであって、「子供が悪い」「家庭が悪い」というような発言はけしてしてはならないことです。

その園がそういった体質で、どの職員も昔式の考え方で子育てをしているのであれば、僕は恐ろしくて大事な子供を預けようとは思いません。
たまたま、その職員だけが見識の低い人であっただけならば、園長などに相談することで改善される見込みというのはあるかと思われます。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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