2017-10

子育ての第一歩はかわいがること - 2013.11.27 Wed

「子供をかわいがる」など言わずもがなのことを書いているようですが、自分たちが思っているほどにはそれができていないのが現在の日本の子育てではないかという気がします。







特にここ最近は、仕事・生活・時間・お金・人間関係といろいろなことに余裕のない世相になりつつあります。

保育園の子供たちをみていると、親はそういったものに追われていて、子供に必要十分なだけの「かわいがる」という暖かい関わりができている家庭はそう多くはないように感じます。



もちろん子育てに一生懸命で熱心な人も少ないわけではないのだけど、なにかを身につけさせることや、なにかを「できる」ようにすることなどに目が行きがちで、ただ純粋に「かわいがる」ということができなくなってしまっている人がたくさんいます。


不思議なことに、かわいがることよりも子供にそういった「できる」を中心に子育てされてきた子と、ただ単に可愛がられてきただけの子との差がある程度の年齢になるとほとんどないように感じるのです。

もちろんこれは個々の違いのあることなので、あくまで僕が見てきたことの一般論としての印象にすぎませんが。



以前にしつけについて述べたところでも引き合いに出していますが、それがはっきりわかるのがフィリピン人のお母さんの子育てです。

例外もありますがフィリピンのお母さんたちはとても家族主義です。
子供を大変かわいがります。

日本人の基準から見たら、「甘やかしている」と見えるほどです。

実際子供の姿は、幼く、わがままだし、偏食は多いし、自分勝手で集団行動はなかなか慣れません。

でも、これらの子供も年長も半ばを過ぎた頃になると、(おそらく学齢期としての成長に達すると)それらの姿がほんとんど気にならないほどのレベルまでの成長を示すようになります。

そして特筆すべきなのは、その時期が来るまでのわからんちんでわがままな段階でも、一貫して情緒の安定を欠くという状況にはあまりおちいりません。

つまり、それらのわがままなどは、これまでブログで紹介したりしたようなネガティブ行動としての、大人の関心をひくようなわがままではなくて、純粋なわがままであるのです。

「ジュースがのみたい」とわがままになる状況で言っていたとしても、それは純粋に言葉通りの意味で、「大人の良い関わりが欲しい」というような裏の意味はありません。

猫っ可愛がりされるものだから、幼かったり、自立心が弱かったりということもあります。

でも、そういうものも学齢期が見えてくる頃には、おおむね追いつきます。

幼いというのも別の見方をすれば、子供らしく純真で可愛げがあるという姿です。


ただ可愛がられてきただけの子供達ですが、そのいい点は、親子関係における自信のなさや満たされなさからくる、精神的な飢えとでもいうものとは無縁であるということです。

ここが、今の日本の親子のあいだで起こっているさまざまな「育てにくさ」と大きく違うところです。


多少できないことがあっても、幼いところがあっても、成長というのは年齢ベースで追いついてくることも多いです。

むしろそこで得られる十分に満たされている気持ちや「情緒の安定」というものと、大人の要求するところの「できる」を天秤にかけた時、前者の方がずっと子育ての上では重みのあることだと僕は思います。

これまでにも時々言っておりますが、「子育てが下手でも可愛がることができていれば、どうにかなってしまうもの」だといろいろな子育てをみていて思うのです。


別になんらかの「できる」を持たせることが悪いことだと言っているのではありません。
でも、それらは「かわいがる」を十分したあとですればいいことだし、むしろそれでこそ無理なく、バランスのとれた子育てになるだろうと感じます。
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● COMMENT ●

可愛がられているかも

おとーちゃん、こんにちは。いつも記事を読ませていただいています。おかげさまで、息子を可愛がりながら親子共に育ってきました。
最近仕事がきつくて弱っている私を、気づけば可愛がってくれていた、可愛い息子です。育てやすい可愛い子になってくれました。
興味関心の幅が広く、こちらから何かを教えようとしなくても、色々気づいて、質問してくるので、私の方が知識豊富になってきました(*^_^*)
何も習い事など出来ませんが、息子が色々な経験から自信を持ってくれたらと思います。

韓国の子育て

全く同感です。以前も書いたのですが、韓国で子育てをしたことがあり、街角や食堂で子どもたちを可愛がってくれる人の多さに、日本とは違ったストレートで積極的な愛情表現を感じました。
親バカなくらいがよしとされますから、日本のように「可愛がらない見栄」はなく、人前でも自分の子どもの長所や得意なことなどを愛情たっぷりに話します。
私の小さな頃、母親が人前でよく謙遜のような感じで私のことをけなすのを耳にして嫌だった思い出があります。「可愛がらない見栄」どころか、「けなして謙遜」という感じでした。コンプレックスとなり、辛かったです。
大家族や地域社会で可愛がってくれる大人が減った分、日本の親はもっとストレートに可愛がるべきだと思っています。

東南アジアのおおらかさ

おとーちゃんさん、こんばんは。
主人がインドネシアに赴任しているのですが、フィリピンと同じく子供を怒ったりいわゆる躾のようなことをする人はいないのだそうです。
フィリピンは男女平等、カトリック教徒の国で子供は神様からの預かりものという考えの人が多く、中絶や性別を選んだりする人が少なく、貧しい家庭ほど子供が多いと聞いたことがあります。

励まされました。

ウチのような「特殊な家庭環境」でも…。

「可愛がっていれば」きっと大丈夫!と思えました。

子育ての「主導権」を握っているのは「私」ではないから…いろいろと悩んでいたこともあったのだけれど。でも誰が可愛がったって「肯定感」は育つと改めて信じて日々子育て励みます。

息子がいつか私を頼らなくなるその日まで…。

その日が待ち遠しく、そしてちょっぴり寂しい気持ちです。

「お母さん」って寂しい職業でもありますね~。

子供が「独り立ち」するまでのプロセスをお手伝いするのがお母さんの主な仕事なのに…いざ「独り立ち」したら寂しいなんて!(笑)

迷ったらこの記事を何度も読み返して励みにしようと思います。

いつもありがとうございます。

感謝です。

友里さん

可愛がられて余裕のある子は大人にそれを向けてくれますよね。

子育てが後手後手に回ってしまうと、そういうことを知らないまま過ごしていってしまう大人はとても多いので、なにはともあれ子育ての第一目標は可愛がることというのを伝えていけたらと思っています。

自己肯定感の育っていない息子4歳年中

そのことに悩んで、ここのblogへたどり着きました。

かわいがるって私には難しいです。
どうしてもダメなことばかり目につきます。

息子を、ダメな子だと見ている自分がいます。いつも不安げで、見ていてイライラしてしまうんです。いいところを見つけようと誉めると、どうしても「字がきれいにかけた」とか「お手伝いした」とか「弟に譲ってあげた」とか表面的なことしか誉められないので、息子は字がうまく書けない時が出てくると、これじゃダメだと思うらしくてキーキー言いながら書けるまで何回も何回も何回も怖いくらい練習したりするんです。その様子を見て私は、ものすごくまたイライラしてしまうんです。だから私は、字がきれいにかけたね、と誉めるのをやめるようになっていきます。そうすると似た感じでだんだん誉めることに私が息子のその後の反応を想像して誉めなくなっていきます。こんな悪循環なんとかしたいのに、出来ない。

こんななので、息子は自己肯定感なんて育っておらず、友達とお話しするのですら恥ずかしがってオロオロするほどの不安げな子どもに育ってしまいました。

とても辛いです。

コスモスさん

日本の謙譲の美徳ってやつも小さい子供には理解できないものですよね。
それをなんでもなく流せる子供とそうでない子供もいますから。

僕も子育ては親ばかなくらいでちょうどいいのだと思います。

きのこママさん

なんか最近、中絶を軽々しく口にする風潮が世間に多くなってきたように感じます。

まだ生まれていなかったとしても命には変わりないですよね。

なまこさん

ひところ「褒めて育てる」ということが盛んに言われていましたが、この「褒める」というのは場合によっては親からのプレッシャーにもなりかねないので難しいものです。

大事なのは子供が「自分を肯定されている」と感じられるかどうかというところです。


なのでほかにも方法はたくさんあります。


僕がよくあげる「くすぐり」なんかもそうですし、絵本を読んであげるなどということもそうです。

極端な話、「自分を見てくれている」と子供が感じることでも十分に肯定になります。
もちろん、それが微笑んでとか笑ってとか、楽しそうにであればなおさらですね。


でも逆に同じ見るでも、いつでもイライラしてとか嫌そうにとかではその逆にもなってしまいます。



とはいえ、なまこさんがまずすることは、今の関わりの良くないところを直そうとすることではありません。

それはそれでいいです。
そこを変えようとしても、それはなかなかしんどいです。

なので、そこを努力することはとりあえずしなくていいですから、それ以外の場で肯定になることをちょっとずつでいいから増やしていけばいいです。

結果的にそのことは子供の姿を安定させていく方へ働くので、イライラが減ります。


まずは子供の良くない部分を直そうなどと考えないでいいです、問題の部分はそのままでいいですから、そのほかでプラスをつくりましょう。


なんでもいいです。
できることからはじめましょう。

くすぐりでもいいです。一緒に楽しく遊ぶことでも、料理をお手伝いしてもらうことでもいいです。

一緒にお風呂に入った時でもいいし、寝る前でもいいです。ゆったりした気分になれるときに、お子さんが生まれた時のことを話してみるのもおすすめです。
どんなに大変だったか、どれほど痛かったか、生まれてどんな気持ちがしたか、子供にとってそういう話を親の口から聞くことは大きな肯定になりますよ。

トルコの子育て

ずいぶん以前の記事にコメントを失礼いたします。
最近、トルコに関するエッセイ漫画を読んだのですが、そこに紹介されていたトルコ人の子育てを読み、「そういえばおとーちゃんさんのブログにもトルコと似た感じの子育てについて書かれていたなぁ」と思い出しまして、少し思ったことを書かせてください。
その本に書かれていること曰く、「トルコ人は国民こぞっての子煩悩で、子どもはみなべたべたに愛されて育つ」そうです(笑)日本人から見ると「こんなに甘やかして、ちゃんと子どもが育つのか?」と思うような場面もやはり少なからずあるそうですが、道端では見知らぬ子どもが気軽に声を掛けてくれたり、困っている時にはさりげなく手を貸してくれたり、そして興味深かったのが、「子供同士のイジメももちろんあるが、いじめられている子を助けてくれる子も多いので、大きなイジメ問題はない」ということです。
元来、陽気で社交的で人付き合いが大好きで、イスラム教の国だから礼儀正しく紳士的な人が多いという国民性ということらしいですが、その親切で明るい人柄の根っこには、子供時代にたくさん可愛がられ、また子供を「砂糖菓子のように」べたべたに愛する大らかさにあるのかもしれない、なんて思ってしまいます。(甘いもの大好きなトルコの人々は、子供のことを「私の可愛いお砂糖ちゃん、食べてしまうよ~」なんてことを連発するそうです)
その反面、親の力というのは強大だそうで「うちの父さんは怒ると世界一怖い」というのが、トルコの子供の口癖だそうで、叱るときはしばきあげて容赦なく叱ることもあるそうですが。
じゃあ、日本人である私がトルコ式を真似して上手くいくかというとそうはいかないのでしょうが、でも自分の感情を隠さず、大らかに子供に接するトルコの人々の子育てに、憧れのようなものを感じております(^^)


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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