2017-10

無関心をつくらない - 2013.06.17 Mon

先日病院で待っているときのことです。

以前にも似たようなケースについて書いていますが、子供に無関心な母親がいました。
病院の待合室でこういうことにあたることはとても多いです。

おそらく同じような光景を目にしている人もたくさんいるかと思います。



5~6歳の男の子とその母親。

男の子は落ち着かず、あれやこれやと病院のものをいじったり、うろつきまわっているので他の患者さんの通行の邪魔になったり、看護師や職員の妨げになってしまったりしている。

母親は、子供に目を向けたり話しかけたりということを一切しないが、まるで子供が困ったことをしている時ほどさらに見ないように視界に入れないようにしているかのような様子。

ついには診察中の診療室のドアを開けて中を覗きだしてしまう。
母親はそれを目に止めたが、なんのリアクションもとらなかった。


というものです。

さすがに診察室を開けてしまうというのはまずいですよね。
病気というプライバシーに関わる話をしていたり、服を脱いだりしていることだってあるわけですから。

さて、別に僕はこの母親を責めようと思って、この記事を書いているわけではありません。


なぜなら、どうしてこういった無関心な親になってしまうか、その理由をよく知っているからです。




子育てをしている中で、人はときどきこういった子供への無関心な状態が作られてしまいます。

誰によってかというと、その本人になのですが。
その原因にはこのブログの最初の方でよく書かれていた、「子育ての当たり前になっていることの落とし穴」や、価値観として浸透してしまっている「日本の子育て文化」といったことが大きく関わっていると思います。


いまの人が、ただ親になって「子育てというのはこういうものだろう」という認識にのっとって子育てをしていると、もともと子供を放置したり、放任したりする悪意がなかったとしても、だんだんと「子供を見たくない」という状態になってしまうことがあります。


あきらかな無関心というのでなくとも、保育園の2~3歳クラスあたりから、「子育ては大変、できるなら見たくない」といった様子になってくる親が急速に増えてきます。




冒頭に書いたケースのように、注意すべきようなことをしていてすら無関心といった状態になってから、そこを改善していくのは大変難しいです。

変えるのは不可能ではないのですが、それにはどうしても欠かせない条件があります。


まず、ここまでの状態になってしまうと、好意で伝えていてすら他者からの忠告やアドバイスといったことには耳を貸さなくなってしまいます。

もしくは、聞いてくれたとしても、「この子は大変な子だから、自分にはどうせできない」といったネガティブなとらえかたになってしまって、なかなかプラスには転じません。

ときには激しく反発されたり、怒ってしまうこと、落ち込んでしまうこと、関係を悪くしてしまうということも少なくありません。


なぜなら、こういう子供に対する無関心は、ネグレクトや放置をしているようなケースとは違って、そういった思い通りにならない子供の状態を大変心苦しく思っているからです。
それだけでなく、非常に負い目に感じており、他者には出さなくとも自分自身や子供自身を責めたりする気持ちを持っていることもあります。


こういった状況を解決するためには、自分自身の考え方や力だけではなかなか難しいのですが、上記のようにとりつくしまのない様子になってしまいますと、本当に子育てをそこから安定化していくのは困難になってしまいます。


先に書かれた変えていくための「条件」というのは、その親本人が現状を変えたい・打破したいと思えるということです。

それがなければ、もしくは中途半端な気持ちでは援助をしてもなかなかうまくいきません。

なので、そういう風に思ってもらえるようなアプローチをしなければならないのですが、今日のテーマはそこではないので省きます。






僕は題名を考えるのが本当に下手だなあと自分でも思うのですが、この記事の表題はそのまんま『無関心をつくらない』としました。

なってからどうこうするよりも、大変な姿を作らないようにするのが一番いいのはもちろんです。


冒頭で無関心になる理由をよく知っていると述べました。

つまり、そういった問題を引き起こしてしまう根っこというのも、実は目に見えてあるものなのです。

それは0、1、2歳の関わりにあります。


具体的には主に1、2歳の関わりがあとあとそれを引き起こすのですが、子育てというのは積み重ねなので当然ながら0歳での子供の見方なども無視できないことです。なので一応0、1、2歳と書きました。



この1、2歳の時期にしていることで、一般に子育てに「当たり前」だと思われていることが、実は落とし穴だとしたら・・・。

このへんのことはすでにブログの中でいくつも書かれてはいます。

「甘やかさない」「きちんと叱って育てろ」「怒ったり叱ったりするのはよくない」「過保護」「過干渉」「支配的な関わり」、そのほか日常的にある刺激過多なメディアや玩具などなど・・。
当たり前と思っていることのなかにも、その程度や使い方によっては、子育てを難しいものにしてしまうということもあります。


子育ての専門家のあいだではとっくに否定されていることが、まだまだ当たり前の子育て方法としてたくさん残っていたりもします。
子育てを仕事にしている保育士のような人たちまで、まだそのレべルの人もたくさんいます。


本当にそのときにしなければならないことをせず、その反対のことを積み重ねてきたとしたら、親からも子供がお荷物になるような姿がでてきてしまうのは、当然とも言えることでしょう。


なので、そうなってはいけないのです。
援助する側の人間からすると、そうさせてはいけないのです。


そこで、子供をお荷物にしないために必要なことを、あらためて簡単にまとめておこうと思います。
あらためてというのは、どれもほとんどこれまでにも書いていることばかりだからです。


その内容については次回に続きます。
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● COMMENT ●

おとーちゃんに感謝です。

少し前に断乳後の指しゃぶりについて相談しました。指しゃぶりは相変わらずですが、服に手を入れておっぱいをさわろうとするのはなくなりました。彼なりに試練をうけいれ階段を上っているのだとおもいます。

さて、今回はそれ以外の日常的なことでお礼がいいたくて…息子は1歳4カ月になりましたが成長期の予行練習?と思うようなイヤイヤが数回ありました。頻度は高くないし、成長期真っ只中の親御さんからするとまだまだそんなレベルじゃないわよと言われるかもしれませんが、おとーちゃんのブログのおかげでとても冷静に対応できました。

また、今日遊び場で息子が他の子が遊んでいるものに手をだそうとしていたのですが、向こうの親御さんは「貸してあげなよ」とよくある対応でした。でも、私は「使ってるって言ってもいいよ」とおとーちゃんの言う通りに。親御さんはちょっと??な反応でした(多分貸してあげるって言ってるのになんで?みたいな思いでしょう)が子どもの方はなんか安心してました。反対のパターンでうちの息子がおもちゃとられそうな時は「使ってるよ」って言うと気強いと思われる?とかちょっと思うんですが、遊びの保証は私も大事だと思うのでおとーちゃんの教えてくれた言い回しそのまんま使ってます(笑)まあ、「どーしたの?」はまだまだ修行中です。おとーちゃんは「どーしたの?」は非難の言葉ではないから…と紹介してくれてたはずですが、息子には非難というか注意の気持ちがこもりまくった「どーしたの?」になってます(汗)

でも、不必要な禁止や譲り合いなど、知らなかったら連発してしまうであろう事柄は多分圧倒的に予防できている気がします。もちろん育児休暇中で時間や体力に余裕があるのもありますがやはりおとーちゃんのおかげだと思います。最近、そう実感することが続いたのでお礼がいいたくて…本当にありがとうございます。今回の記事の親御さんもそんな日常の積み重ねがきっとずれてしまってぐらぐらと不安定になってしまったのでしょうね。まだ、子どもの本格的な成長期も経験していないので偉そうには言えませんが、頑張って息子を「可愛い子」にしたいと思います。

病院

保育士おとーちゃん、体調はいかがですか?病院で子供にやんちゃされて、注意しても聞いてくれなかったら、周りに迷惑かけてしまい困りますね‥。繰り返していると、親も病院に行くのが嫌になりそうです。

おかげさまで私の3歳の息子は病院にいくと特に「お利口さん」になります。静かにするところだということ、優しい上手な先生に会えること、看護師さんにほめられること、受付の方に微笑みかけられること、そのようなポジティブな経験が彼を自然にいい子にしているようです。
病院で落ち着きはらって絵本を読んでいる息子。そんな息子が少し誇らしい母です(^_^*)

でも、そんな息子も時には生意気言うし、やらないといけないことを何度言ってもしないし、怒り心頭に発することも(ー ー;)

ま、子供は親の思うようにはいきませんよね‥‥怒り爆発しても聞かない、でもそこで諦めてはいけないのでしょうね。冷静になった時に、どうすればいいのか、違うアプローチを考えてみたり。そうやって親も子もお互いに、成長していくのでしょうね。

久しぶりにコメントしたら、長文になってしまいました。
お身体に気をつけてお過ごしください。

難しいです

2歳の息子がいます。
私自身と息子とは、いい関係を作れていると思っていますが
田舎暮らしをして、庭で走り回っているせいか、人が多い場所では、
走り回ったり、割と好き勝手してしまう息子を制御するのが大変です。

先日フェリーに乗った時のこと、腰の悪い母は椅子席
私と息子は靴を脱いでくつろぐ場所にいました。

数時間もあるので、本を読んだり、おやつをあげたりして、うるさくしないように注意していました。

息子はご機嫌でしたが、飽きたのか、「おばあちゃんとこいく!」と靴も履かずに走っていき、また帰ってくる、、と数回繰り返していました。

裸足で行ったり来たりしているのですが、大声を出しているわけではないですし、私も疲れてしまっていて、まあいいか、、とほったらかしにしてしまい、にこにこ見ておりました。

すると、隣のおばさんに一言言われました。
「放し飼いはやめてください」

犬じゃないのに、、、と思いましたが、私が悪かった、と思い、頭を下げて、母のいる椅子席に移りました。

その後、公共の場では周りの目が気になり、怒ってしまうことも増え、これではいけないな、と思っていました。
怒らずに、公共のルールを穏やかに教え、できないことは手伝ってあげる、、、口で言うのは簡単ですが、母親業は体力、気力が必要だなーと思います。

それにしても、「放し飼い」と言われたのは、ちょっと凹みました。

子供をお荷物にしないためのアドバイス、これからしっかり読みたいと思います。

No title

この記事にはとても共感しました。

「無関心を作らない」健やかな子育てにおいて、これがこんなに大事なことだと、最初は気づかず、色んな失敗をしました。

元々、親になる前から無口で、関心があること以外に注意を払うのが苦手で、何かに没頭すると回りが見えなくなり、並列処理も苦手なタイプでしたが…。
自分が子供を育てる際も、普段、回りの関係でしているような普通の態度を取っていたら、無視することが多くなったり、淡白すぎたらしく…。
他のトラブルも重なり、子供はどんどん荒れました。
まさにおとーちゃんさんがよく書かれている、大人を試す行動を頻繁に出しました。しかも保育園や父にはいい子で出さないのに、私にだけ出しました。今思えば全般的に大人への信頼感が損なわれていたけど、そのなかでも少しだけ私だけには期待をして、藁にでもすがる気持ちだったのだろうと。今思えば子供にはほんとに辛い思いをさせました。

例示のところまでは(子供の性格的なものもあって)いかなかったのですが、逆に子供自身が感情が出せずに強迫神経症的なものが出ました。
その時に精神科医等に相談したりして、私が家事等の何かの作業に過剰に没頭してしまうことが、子を無視することに繋がり、それが意図せず子供の存在を否定するシグナルになっていたのだと、やっと気がつきました。
生活に必要なことだからと自分のなかで正当化していたので完全に盲点でした。
いくら必要な家事や仕事でも、子供に接する際には言い訳にならないから、きちんと態度でフォローしていかなければならないのだなと。
もっと早く気がつけば良かったと思いますが、気づけてよかったです。
気づけたのは、子供の心が派手に壊れてくれたおかげなので、心苦しい限りなのですが…その後に受容を心がけ、信頼を試す色んな行動を乗り越えて信頼関係ができて、明るく優しい子に育ってくれた今では、感受性が豊かで繊細なタイプの子だったことに私が助けられたなと思っています。
これが、気が強くて感情表現が他者や外に向かうタイプの子だったら、私もこの記事の例示のように気づけずに、さらに無関心さをエスカレートさせてたのではないかなと思います。

いつも、的確な記事をありがとうございます。
感想のつもりが、自分の話が多くなってしまい、すみません。
更新を楽しみにしています。

友里さん

>優しい上手な先生に会えること、看護師さんにほめられること、受付の方に微笑みかけられること、そのようなポジティブな経験が彼を自然にいい子にしているようです。

そういった子供に寛容な環境が子供を導いていけるのだけど、最近ではそういうところも厳しくなっている問題があって難しいところもあるのですよね。

だんだんさん

>「放し飼いはやめてください」

これはひどい言い草ですね。

本来人間に対して使わない言葉をあえて使っているわけですから、侮辱的・攻撃的な言い方です。

その人自身、きちんとした感覚や常識が備わっていないととられても仕方の無い態度だと思います。
運が悪かったと思って気にしないほうがいいと思いますよ。


ありがとうございます。

おとーちゃんさま

そういっていただけて胸のつかえがとれました。
ありがとうございます。

言葉がいやな気持とともに頭に残っていて
子供と公共の場に行くのが怖くなっていました。
言葉の力は強いのですね。

子供に対する言葉づかいも大切なんでしょうね。
これから心して気を付けようと思います。

ぽりさん

子供の出している姿はなんらかのサインとなっていることも多いですから、そこを読み取れればいいのでしょうね。
でも、そういうときは往々にして自分自身にも余裕がないので、サインがサインであることに気づけないこともまたたくさんあります。

あとあとになってみれば、そうなのだけどやっぱりそのときは無理なのだから、自分を責めたりしてもそれでプラスにはならないのですよね。

子育てはいろんなことがあるものだから、あとで気づくことができたのならば、それで良しなのだと僕は思いますよ。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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