2017-08

信頼関係  Vol.1 - 2013.01.06 Sun

また「外からできるようにすること」と「内からできるようにすること」の違いについての、こちらの記事の内容的な続きです。

コメントで教えていただいたのですが、このような考え方は「外的モチベーション」「内的モチベーション」という言葉で最近の企業経営のなかで取り入れられているそうです。

やっぱり人を育てるということは、本質的に大人も子供も同じなのですよね。




以前の記事ではさらっとしか書いていませんでしたが、では外からできるようにするのではなく、内からできるようにするにはどうすれば良いのかということに今回は触れていきたいと思います。







叱咤激励したり、強圧的にやらせたり、脅したり、おもちゃや甘いお菓子で釣ったりせずとも、子供に「達成すること」を求めていくのに、その出発点にあるのは「信頼関係」です。


養育者との信頼関係に支えられて、子供の意欲、力は伸びていけるのです。




きちんとした信頼関係が形成されていれば、子供は怒ったり、やらせたり、モノで釣ったりせずとも大人の気持ちを汲んでそれに沿うように行動しようという気持ちを持ちます。

ごく小さい乳児くらいの子が、駄々をこねてモノをねだったりすることがよくありますが、多くの場合子供が本当に求めているのは、モノそのものではなく大人からの暖かい関わりです。

信頼関係を形成するために必要なのは、これまでにたくさん述べてきたように「受容と肯定」です。



毎日一緒にくらして、血の繋がった親子だから当然濃密な信頼関係があるか、というと、必ずしもそうとばかりは限りません。

実際に親に対して、信頼感が薄い、または不信感を持っているという子はいます。
2~3歳の乳児ですらいます。
(これについてはいつか事例とともに紹介しましょう。)

それこそ小さいころからずっと、脅しや、ごまかしなどばかりで関わってきてしまえば、ある程度の年齢になった時にはすでに大人の言うことなどちょっとやそっとでは聞かない子になってしまいます。


信頼感というのは、親子だからといって無条件であるものではなく、日々の関わりの中で形成するものだと言えるでしょう。

信頼関係をつくるには、子供に対しては「受容と肯定」。
大人に対して要求されるのは「誠実さ」だろうと思います。

当たり前ですが、「誠実さ」とは嘘をつかないということです。

子供はむしろ親や大人を「信頼しよう、信頼しよう」と思ってくれています。

しかし大人が、脅しやごまかしで事実でないことを便利使いしていたら、その「信頼しよう」という子供の気持ちを断ち切ってしまいかねません。

大人はよく子供に「嘘をつくな」と教えますが、本当にまず嘘をつくべきでないのは大人の方なのです。当然のことながら・・。


子供はその特定の大人に対しての強い信頼関係があることで、前向きなモチベーションを持つことができます。

この前も出てきた食事の例で言えば、信頼しているその人が褒めてくれるからこそ、たくさん食べようという意欲も持つのだし、その人がたくさん食べて欲しがっていると伝わってくるからこそ、もっと食べられるようになろうと思えるのです。

だからこそ、子供になにか「できる」を求める前に、しっかりと「受容と肯定」が必要なわけですね。

本当に極端な話、「かわいいかわいい」をたくさんされてさえいれば、ことさら外圧で「○○させる」をせずとも、子供は伸びていくのです。


次回に続く。
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● COMMENT ●

コメント反映ありがとうございます

興味深い話題を続けて頂いてありがとうございます。
おとーちゃんさんの記事を拝見していると、大人の世界とはなんと不誠実なのかと思いますね。「受容と肯定」は建設的な議論、より良い課題解決のためには必須とされているにもかかわらず、実際は相手の意見を認める=負けだという価値観が圧倒的優勢で、建設的な議論とは程遠い。勝ち負けの二元論ですね。
最後に勝つのは、裏で権謀術数を張り巡らせて、奇跡の(皮肉です)満場一致へ導いた人。そして残念ながら、こうして決裁がおりた案件は、必ず実行の段で破綻します。権謀術数では納得、信頼が産まれないからです。

本当に、大人も子どもも一緒です。
というより、長らく人の意を汲み人の意に沿うことが是という教育がされてきたせいで、みなさんナリは大人ですが人間性は子どものままなのかもしれません。

補足

私のコメントにもおとーちゃんさんの記事にも「人の意を汲み人の意に沿う」という表現があり、誤解がありそうなので補足します。

おとーちゃんさんの意図は、健全な意思を持つ親御さんの「意」であり、子どもは純粋な興味や面白みを感じてやるということだと思います。
私のコメント末尾の意図は、本人の意思とは無関係に、体裁だけを強要され、不安や恐怖から行動するというようなニュアンスです。
これでも差が分かりづらいかも知れませんね…説明が拙く申し訳ありません。

なっちさん

おっしゃること本当に痛感してきました。

保育の世界の人たちも「建設的な議論」というものがとても下手でした。

ある人が自分の意に沿わない意見を述べる人と話が対立的になると、「あなたはそう考えるのですか、でも私はこう考えます」ということにはならずに、意見そのものではなく相手に対する個人攻撃にすぐいってしまうので、意見を交換し深め合うというところには到底いかないことばかりが多かったです。

これだといいものはなにも生み出さないので不毛なのですよね。

だから結局、「声の大きい人が勝つ」という悲しい流れがどこでも成立していたようです。

親が救われました2

おとーちゃんさん、こんにちは。

当方、1歳5か月の男児をもつ父親です。

※「支配的な行動を示す子供  Vol.4」の記事から
連続のコメントで失礼します。

こちらの記事も、はじめて拝読したのは8か月ほど前です。
当時、自分に照らし合わせながら読み進めました。

まず、私自身は両親への信頼感があまりありません。
5歳の頃から、目の前が曇ったのを覚えています。
それは、大人へのあきらめだったのかもしれません。

~子供はむしろ親や大人を「信頼しよう、信頼しよう」と
思ってくれています。~

このことについて、息子はどうかな?と考えてみたところ、
ふと「私を信頼してくれている」と思えたのでした。

その翌朝、私にとって驚くべきことが起きました。
何十年と続いた目の前の曇りが、すっきり晴れたのです。

考えてみると、「私を信頼してくれている」と
”私が”感じられたのは、人生で初めてだったかもしれません。

当時0歳の息子に、人との信頼関係を教えてもらうとは、
思ってもいませんでした。

このとき私の人生が180度変わったと、8か月経った現在も思います。

今後も、息子の信頼に応えていきたいし、
また私も今後は人を信頼して生きていきたいです。

このような気づきを与えてくれたおとーちゃんさんのブログに、
心から感謝しています。

たまものさん

たまものさんはじめまして。

この「親が救われた」という思いよくわかります。

僕自身も不遇というわけではないけれども、けして納得のいく幼少期というわけではありませんでした。
おそらくだからこそ子育てを仕事とする保育士を選んだのだと振り返って思います。

自分で我が子を子育てするようになって、自分の心の奥底でわだかまっていたものが、本当にほぐれて溶けていくような感触を覚えました。


子育てをする多くの人を見ていると、自分の生育歴ゆえにいざ自分が子育てするときになって、そこで苦しみ悩む人が少なくないのを知っています。


それを乗り越えられる人もいれば、なかなかそれがうまくいかないという人もいます。


乗り越えられる人は、人生の中でよい人との出会いや経験に恵まれたからこそそれが可能になったのだろうとしばしば思います。

子供を心から可愛いと思って感じられるのは世間的には当たり前のようではあるけれど、実はいろいろな努力や幸運によってそれが可能になっているのでしょう。

子供がいてそれを育てていくというのはとても素晴らしい経験です。それができることに日々感謝しています。


たまものさんもどうぞお子さんとの生活をたくさん楽しんでいってください。

ありがとうございました!

おとーちゃんさん、
こんにちは、たまものです。

お忙しいところ、ご返信ありがとうございました!
何度も読み返しました。

おとーちゃんさんも、幼少期にわだかまりがあったのが、
子育ての中でそれが救われた感触があったのですね。
良かったですね・・(しみじみ)
わたくんやむーちゃんの満たされた様子、本当に素晴らしいですね。

私の場合は、心理的にひきこもっていたところを、
自分でつくった殻から抜け出せたような感触でした。
その後は、他人や自分の心に出会えるときがあり、もう涙ものです。
息子のゆうちゃんが、可愛くて仕方ありません。

私も、未だ乗り越えようとしている最中にいます。
息子への対応で、これでいいのかと考え込んでしまうときもあります。
そんなときは、自分の心の中を見つめ直す機会でもありますね。

おとーちゃんさんのブログに出会えたのは、本当に幸運でした。
息子の1歳はいましかないので、親子で楽しんでいきたいです(^^)

最後になりますが、おとーちゃんさんのブログは、
初期の頃から読み手に誤解を極力与えないような配慮を感じていました。
かなりの労力だと思います。

これからも、おとーちゃんさんのペースでの更新を楽しみにしています。


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