2017-08

「弱い大人」の問題 Vol.5  - 2012.12.04 Tue

こんなことがあった。

保育園の登園時。
3歳3ヶ月の女の子、母親と登園。

母「先生ちょっとみてもらえますか?娘がぶつけた傷が痛いというのですが、よくわからなくて心配なので・・」

と、手にあるという傷を見るが、傷などどこにも全くない。






結論から言うと、要するにぶつけた傷があるという理由をつけて、自己主張や関わりとしていたのだ。

しかし、子供がこのような行動をとるようになってしまたのには、大人の方にも原因がある。

この母親はいわゆる「いいなり型」の関わりをしており、そういったことでしばしば子供に振り回されてしまっている。

そして子供は、このように大人を振り回すことを関わりとしてしまっている。

そのためにこの子は「ウソ」とまでは言わないが、このようなオーバーな「演技」をすることを身につけてしまっている。



園にいるときも、ときどきこのような「演技」を出すが、十分な経験のある保育士はそのようなことで振り回されたりはしない。
むしろ、そういうことを踏まえ、その上をゆく対応をするので、その子もそういう関わりがでてもひっこめることができる。

また、保育士もそれで振り回されるような対応をして、結果的にその行動を助長するような応じ方はしない。



しかし、家庭では親に対してそういう関わりが通じてしまうので、親を振り回すような行動をとっている。

親が「弱い大人」としての振る舞いをしてしまっているがゆえに、子供はこういった斜めの方向の関わりをするようになってしまった。


もし、この子が素直に甘えの出せる子供に育っていたとしたら、そもそもこのような行動にでる可能性は低かったことと思う。

しかし、そういった親子関係は築けていなかったのに加えて、「弱い大人」としての対応を積み重ねてきてしまった故にこういう関わりを身につけてしまっている。


「見て傷もない、押しても痛がる様子もない、手も何の問題もなく使っている」

であるならば、「もう治っています、大丈夫です」
そう大人が自信をもって言えば済むことだったのである。

だが、大人の方に自信を持ってそういう態度をとれるだけの強さがないばかりに、親と関わりたい気持ちや、自分を見て欲しい気持ち、満たして欲しい気持ちなどをそのような「振り回す」「いいなりにさせる」という形で出すように育ってきてしまっている。

本来は、素直な甘えや、大人からの受容という形で満たされていれば、なにかもっとほかの「可愛い姿」を見せてくれていたはずのことなのである。




この3歳程度の年齢ならば、このように大人を振り回すと言ってもたかが知れている。


しかし、このままこういった積み重ねを続けていって、5歳6歳となっていけば、その「振り回し」というのは、大人としてもかなり困ったものとなる。


そしてそういうものはもう性格としてその子の身についてしまったりもするので、子供同士の対人関係などにも、そういった影響を落とすようになる。

それらはけして良いことではない。


子供の育ちのためにも、大人が「弱い大人」に甘んじないで欲しいと思う。
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● COMMENT ●

いつも見させていただいています。
私にわ、今一歳になったばかりの息子がいます。

このブログに出会ったのわつい最近です。
それまでわ、なんの疑問もなく、

ダメダメの繰り返し、それでもわからなかったら、
てってピン(叩く)するよってゆって、
ピンしてやめさせようとしたり、
まだわかる年齢ぢやないのに、

自分のイライラの気持ちも込めて怒ったり突き放したりしていました。
もちろん、それで言うことを聞いてくれるわけでもなく、
悪循環な生活をしているところ、

このブログと出会い、今は誉めるのと認めるを意識して子育てしています。
今までの息子とわ違い、気持ちが伝わるのか、私が嫌な事(髪の毛ひっぱるとか、テーブルにのぼるとか)わ途中で気持ちを込めていうとやめてくれたりしてくれるようになりました!


しかし、病院や、友達のうちでの対応がわからなく相談したくてコメントさせて頂きました。。

病院で待ち時間の間ポスターを貼っている磁石をとったりなげたり、、

そうゆうときに、投げるものじゃないからね、口に入れるものじゃないからねって言って一緒にナイナイしますが、

ひっくり返って泣いてだだっ子になって、
病院だし、私の携帯とかでごまかしましたがどうやって対応していいかわからなくて。
それわ普段のかかわりからでてきてる子供の態度なのでしょうか?

うちの息子わ、9か月ころまでわ周りに心配されるほどおとなしく、家でも外でもあまり言葉を発しない子でした。でも、9か月後半くらいから自我が出始め、
病院、人のいるところで声を出してキャッキャしたりするよーになりました。
そして欲しいものが手に入らないときに泣き出すのも、ここ2ヶ月くらいからです。
欲しいものが手に入らないときに、だだっ子になった時どう対応すればいいんですか?
今までの事例わ、テレビのリモコンだったり、スプーン(ごちそうさましたからナイナイしようねといって頂戴して、もらいました)だったりです。

あともうひとつ、友達のうちでの事です。

引き出しを開けたりテーブルに登ったり。
うちでわ引き出しをあけれるけど、友達の家でわできないよとはっきり言えばいーのでしょうか?

最近テーブル登りたいって始まったのですが、私が近くにいると膝を土台にして登ります。
ブログを参考にして登るとこぢやないよと言ったり、怪我していたいいたいするの見たくないよと言ったり、自分で降りるのを待つようにしてます。
けど、友達の家で、それをやったら早く降ろしてよって目でみられないか心配です。。
だからと言って、登ったりしてるところを、無理やり抱っこでおろしたくないし。

どう対応すればいいのでしょうか?

まとまりのない文章ですがどうぞよろしくお願いいたします。

No title

弱い大人の話、毎回興味深く読ませていただきました。
私は下の子が生まれるまでは、弱い大人だったんじゃないかと思うのです。
あまりやんちゃをしない上の娘だったので、ダメダメいうこともなかったし、
こども一人だと、割とこども中心に生活してもそれ程不都合を感じなかったのですが…
でも、下の子が生まれて、上の子にも待ってもらうことや我慢することが増え、
きっぱりした態度を取れるようになって、
今の方が、私も生活が楽だし、娘も本当に手がかからず、すごく成長してる、って感じます。
今から考えれば、以前は娘の気持ちを大事にしているつもりで、
弱い大人だったんじゃないかな、って思います。
今回の話題(いつもなんですけど)、自分の体験とピッタリだったので、
コメントしちゃいました。いつも更新、楽しみにしています。
風邪などすごく流行っているみたいですが、皆さんお体に気をつけて楽しいクリスマス過ごせますように!(^-^)/

いつも、楽しみに読ませていただいています。
二歳半の娘の育児、うまく受容できてよい関係になったり、私に余裕がなくなって怒ってばかりになって後で反省したり、まだまだだなぁと痛感する毎日です。
こちらのブログの内容も、情けないですが、理想だとは思っても実現できないこともたくさんあります。
でも、少しずつ立ち止まって考えるきっかけをたくさん頂き、助かっています。

娘ですが、痛がるふり、まさにやります‥
ただ、保育園でぶつけて痛かった(らしい)場所や、ちょっとぶつけた時に、
『ここ、痛かったの』
とか
『ここ、痛いの』
と悲しそうに言い、ノンタンの絵本の一説で
『いたいのいたいの、あっちのお空のいたいのかいじゅうに、とんでけー。とれた?』
『とれた(^ー^)』
という、ちょっとした遊びな程度で終わります。
たまに悲しいことがあった時とかは、
『まだ取れない‥』
と、もう一回言い、ま、痛くないだろうと思っても何度かつきあいます。
これも、弱い大人、になるんでしょうか。

私も小さい頃、わざと痛がってなでなでしてもらったりしていました。
母は穏やかですが、どちらかというと強い大人(ダメなものは絶対だめで、とつとつと説得される)だと思います。
でも、私はその母の゛なでなで゛でたくさん励まされた気がします。

きっと、いろんな場合があるんだと思うので、娘がどんな気持ちなのか、考えてみようと思います。
きっかけを、ありがとうございました。

あゆさんさん

>病院で待ち時間の間ポスターを貼っている磁石をとったりなげたり、
そうゆうときに、投げるものじゃないからね、口に入れるものじゃないからねって言って一緒にナイナイしますが、 ひっくり返って泣いてだだっ子になって、
病院だし、私の携帯とかでごまかしましたがどうやって対応していいかわからなくて。
それわ普段のかかわりからでてきてる子供の態度なのでしょうか?


ひとつには、病院などの待ち時間とかは長くなってしまうと飽きたりするのは、ある程度しょうがないことですから、自宅から好きなおもちゃをもっていくとか絵本をもっていくとかして、そうならないような配慮というものをすることはできます。

それはそれとして、もうひとつ大事なことは、
「親が好ましくない」と思うのならば、自信を持って「それはしない!」と伝えることです。

このとき、親がその気持ちに自信をもっていなければ、子供はそれを聞きません。
まずは、そのへんの気持ちを大人の方がしっかりもつことです。

そういった際に、「受容がたりなくなったりしやしないか」などと考えることはありません。

ふだんきちんとそれができているのならば、どんなに大人が強い態度をとったとしても、子供はきちんと受け止め、またその気持ちを消化することもできます。

また、フォローなどはあとでいくらでもできます。

このように、大人が気持ちや意思をしっかり持って、子供にそれを伝えることができることは、今後の子育てにおいてもずっと大切になります。
いまの時期に大人の方が身につけておくと、今後の子育てがずいぶんとかわってくるでしょう。



>最近テーブル登りたいって始まったのですが、私が近くにいると膝を土台にして登ります。
ブログを参考にして登るとこぢやないよと言ったり、怪我していたいいたいするの見たくないよと言ったり、自分で降りるのを待つようにしてます。
けど、友達の家で、それをやったら早く降ろしてよって目でみられないか心配です。。
だからと言って、登ったりしてるところを、無理やり抱っこでおろしたくないし。


こちらも基本的には↑と同様です。
大人が「それは好ましくない・するべきじゃない」と思うのならば、させるべきではないのです。

簡単な言葉で伝えて自分からやめるのならば、無理にすることもありませんが、ただ待っているだけで子供がそのまま、それをしているのならば関わり方によっては子供は、その行動が認められていると考えて、その後も、また別の時にも繰り返したりするでしょう。

大人が本気でそれをして欲しくないと心の底から思っていれば、しっかりその気持ちを込めて伝えれば子供は必ずやめます。

それができなかったり、そうしても伝わらないというのならば、「してはいけないこと」であるのだから無理矢理でもやめさせるべきでしょう。

そうしたからといって、それは悪い意味でのリフトでも、子供の意思を尊重していないということでもありません。

大人の方がしてはいけないと思っていることを、ずるずるさせることを積み重ねていたら、年齢を重ねるほどに子育ては大変になってしまいますよ。

のびのびさん

>娘ですが、痛がるふり、まさにやります‥
ただ、保育園でぶつけて痛かった(らしい)場所や、ちょっとぶつけた時に、
『ここ、痛かったの』

そういう姿はよくあるものですね。

そして、それに振り回されるのではなく、その心情を理解して対応してあげることは別に弱い大人というものではないと思いますよ。

No title

いつも興味深く読ませていただいています。
私には、5歳(年長)3歳(年少)の子どもがいます。上の子のだだコネ、ワガママに参っています。
おとーちゃんの言う弱い大人、しかも子どもに疎外感を与えるような関わりもしてきてしまいました。いけないことは十分承知です。でもどうすれば良いのか分かっていてもつい、子どもがネガティブ行動をおこすとそうなってしまいます。まさしく悪循環なのです。したの子にはそれほどでもないですが、上の子にはかなりです。5歳と言う年齢では、もう性格として入ってしまって、このような行動は治らないでしょうか?

りくママさん

大人になってすら人は変わることができます。
思春期を過ぎてしまえば、それはなかなか難しくなりはしますが不可能ではありません。

ましてや5歳でしかも我が子であるのですから、それができないということはないでしょう。

本当に難しいのはおそらく子供を変えることではなくて、大人自身が自分の気持ちや行動を切り替えて変えていかなければならないことの方でしょう。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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