2017-10

「弱い大人」の問題 Vol.4 - 2012.11.26 Mon

「弱い大人」は必ずしも =「弱い人」ではないこともある。

周りの人間にはことごとく居丈高で攻撃的でありながら、なぜか自分の子供だけには下手に出て「弱い大人」としての関わりを続けてしまうという人もなかにはいる。

そういうのはその親の性格や生育歴が関わっていることなのかもしれないし、人間の子供への愛情の不思議さというものかもしれない。

だが、やはり「弱い大人」は性格的・対人的に「弱い人」であることは多い。






僕自身も強い人間ではないし、人の個性というものは弱かろうと強かろうと尊重すべきものであると思うから、それはそれでいいと思う。

しかし、子育てをしているときには「自分は強く言ったり・叱ったりするのは苦手だから」では済まないこともある。


例えば、安全・危険に関わること。

子供が自分や他者に対して危ないことをしていたとき、優しく伝えて伝わるのならばそれはそれでもいいだろう。

しかし、それで伝わっていないならば、大人は毅然として伝える強さを持たなければならない。

それら危険・安全に関わることをしても、子供に伝わるように伝えていなければ、子供はそれを容認・追認されたととってしまうこともある。

そういったことが小さい頃から積み重なっていくと、年齢を重ねたあとには、それはたまたまでている行動ではなく、その子供の常習的な行動にへと発展してしまう。

そうなってからでは、対応していくのはとても大変だ。


安全・危険というのは小さい頃から当然ながらきちんと伝えていかなければならない一点である。

それには、自分の性格が向いていなから毅然と言えないというようなことが、いいわけにならないことは大人ならば理解できるだろう。

自分の性格が向いていなかったとしても、そういった親としてしなければならないことを通して、それをすることでその人も「親」として成長していけるのだ。



しかし、現実にはそれを回避してしまう人も少なくない。

回避してしまうこともそのときはできるのだが、あとあとになれば子供の行動も大きくなる。
その分対応も大変になるのに関わらず、逆に親としての力が身についていないということにもなり、より子供への関わりや、問題解決が困難になってしまう。


であるから、自分の性格が向いていないとしても、「親として」「人として」伝えなければならないことは伝えていくべきだろう。




別に「弱い」対応をしないということは、必ずしも「もっと叱りなさい・怒りなさい」とか、精神論的に「甘やかすな」ということではないけれども、時と場合によっては強い対応が必要になることもあるということである。


安全・危険についての他にそういったものはなにがあるだろう。

例えば、人に迷惑をかけないことや公共のマナーということもそのひとつであろうし。

モノや食べ物・お金などを大事にするという人として身につけるべきこと。

食事のマナーや食べ物を残さず食べるというような、文化的に大切なことなどもあげられるだろう。


その実際の関わり方というのは人それぞれだが、そういったところできちんと関わることは子供の全般的な成長にも大きく関わってくる。

よしんば、ほかの部分で放任気味だったとしても、そういったところでしっかりと関わっていれば、子供は親にきちんと見守られている、育てられているという実感がもてる。

逆にほかの部分では細々と関わられているけど、そういう部分でしっかり関わらないのでは、子供も親に目を向けられている実感にはつながりにくい。


なので、単に「しつけ・マナー」という意味でこのような毅然とした関わりをしなければならないのではなく、育ちの上で必要な大切なことなのだと僕は思う。


しかし、気をつけて欲しいのは、これらのことを気にするあまり単なる過干渉にならないようにすることである。

「弱い大人」は強く言えない・はっきりした態度をとれないこともあって、小言を重ねるだけの過干渉的な関わりにおちいりやすいからである。
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● COMMENT ●

昔の

すごく昔の記事で気になったことがあり、こちらにコメントさせていただきました。

逆に、母親がこどもを叩いたり、ヒステリックに頻繁に怒ったり、意地悪なものの言い方をしたり、あまりに神経質に関わったり、放任していたりすると、対人関係の問題は大きく深刻なものになります。


この文章を読んで、今私は子どもに対してこのような関わり方しかできていないことに気付き、どうしたらいいかわからなくなりました。
どのように深刻なのか、またどう改善していけばよいのかアドバイスいただきたいです。
よろしくお願いします。

悩んでいます

子育てに立ち止まるとき、いつも過去の記事などを読んでいます。
気づきが多く、とても助けられています。

今、二歳になったばかりの娘がいるのですが、
最近、いつでも私に抱っこをせがんできます。
できるだけ家事の手を休めて応えているつもりなのですが、

食事の時だけは、いつもひざの上で食べるのはどうかと思い、
抱っこはするけど、ご飯を食べるときは自分の椅子に座ろうね。
座らなければご飯は食べられないよ、と、食事を遠ざけていくことを繰り返していたら、最初はひざに乗っても、自分から椅子に座るようになりました。

こんな感じで、いろんなことを分かっていってくれるかな、と思っていたところ、
今度は、自転車の前座席から立ち上がり、私の方を向いて無理やり抱っこを
せがんできます。

危ないのでおろしますが、電動自転車なので重く、自転車を引きながら、子供を歩かせるのも危ないと思っています。
抱っこをしながら自転車を引くのはもっとできないので、困ってしまいます。

こういう場合、自転車に乗ってるときは抱っこできないんだよ、ということは、どうしたらわかってくれるでしょうか?

抱っこひもで自転車に乗ることもできなくはないですが、それを受け入れるのは甘やかしにはならないでしょうか?

子供は満たされていなくて、良いかかわりができていないのでしょうか?
普段はよく笑い機嫌も良いですが、自己主張がとても強く、乗りたくなければ何時間でも泣き続ける勢いです。

お忙しいとは思いますが、何かヒントをくださるとありがたいです。
よろしくお願いします。

はるさんへ

はるさん、横から失礼いたします。抱っこのことで少し気になったので。
はるさんが危ないと判断して、即刻やめさせるべきと思われるのであれば、甘やかしになるとか子どもの意志を尊重してないとか関わらずに、はるさんが安心出来る方法で自転車に乗せればいいと思いますよ。子供ですから、一度言い聞かせてすぐに言うことを聞いてくれるとは限らないですし、でも危ないことはすべきではないのですからこの場合は仕方がないと思います。それでもちゃんと言い聞かせ続ければ、分かってくれる日がいつか必ず来ると思います。
2歳でしたら成長期が始まるころですし、自己主張が強いのもそのせいかもしれませんよ。あまりマイナスに考えるよりも、甘えさせる時は思いっきり笑顔でイチャイチャして、すべきでないことはためらわずに「それをしたらママは困るよ」とはっきり伝えて、自信を持ってお嬢さんに接していけばいいのではないかなと思います。
もし、不快にさせてしまったらごめんなさい。お嬢さんと楽しい日々を送ってくださいね!

ゆんママさん

>逆に、母親がこどもを叩いたり、ヒステリックに頻繁に怒ったり、意地悪なものの言い方をしたり、あまりに神経質に関わったり、放任していたりすると、対人関係の問題は大きく深刻なものになります。


これに関しては、どのように深刻になるかというのはかなり個別の違いがでてきますので、これこれこうという風にあげることはできませんが、簡単に言ってしまえばひとつにはその問題の程度が大きくなるということが言えるでしょう。

例えば、自己否定の気持ちがより強くなったり。

もうひとつはそれら現れる問題が多くなる、長期化する、潜伏し出たときに爆発的に出るということもあります。

極端なところでは、あまりに厳しい子育てゆえに精神を病んだり、暴力的になったり、性的に倒錯したりということもあるようです。



>どう改善していけばよいか


については、当然ながらそれはよくないとご自分で思われるならばそれをしなければよいということがありますよね。

あとは、過去記事「叱らなくて良い子育て」のカテゴリや「心の育て方」カテゴリ、相談カテゴリにある「叱る子育てを変えていくには」などなどを参考にしてみてください。

はるさん

ちょうどこの記事に書かれている「安全・危険」についてのケースのことですね。

答えは記事に書いてあるとおりです。


>こういう場合、自転車に乗ってるときは抱っこできないんだよ、ということは、どうしたらわかってくれるでしょうか?


「大人の本気」というものを出してみるのもときには必要だと思います。

「私はあなたが怪我をしたら困るんだ。だからそこで立ってはいけないのだ」と思っているわけですよね。
だったら、その感情をきちんと相手に伝わる手段をとればいいと思います。

どういう手段でそれを伝えるかは、その人次第です。


「大人の本気」というのは、必ずしも「強く怒ったり・叱ったり」ということを意味しているわけではありませんが。

別にそれがその人の伝え方ならそれでもいいと思います。

どんな手段でも、その人なりの本気は伝えられるはずです。

ときにはそれを経験することも、子供だけでなく大人にとっても大事なことだと思います。

僕は、そういった経験を通して人は親になっていくのだと考えます。



>抱っこひもで自転車に乗ることもできなくはないですが、それを受け入れるのは甘やかしにはならないでしょうか?

甘やかしとも言えますが、「きちんと伝えてさせるべきこと」をさせずに回避していってしまうことは、ときに子供の成長を奪います。

そういったことを重ねていくとあとあと「依存」になったりして困ることともなりかねません。



>子供は満たされていなくて、良いかかわりができていないのでしょうか?

はっきり言って、こう考えてしまうことは「弱い大人」としての考え方におちいってしまっています。

もし、満たされていないことがあったとしても、その問題とこの安全についてのことは別に考えていくべきことです。


満たされていないからという「理由」をつけて、子供に安全を守らせることすら譲歩していってしまったら、子供は将来にわたってどんどん親を困らせる関わり方で自分を出すようになっていってしまいます。

そのことは結果的に子供のためにも、親のためにもなりませんね。


もし、満たすような関わりをしたいと思うならば、別のところですればいいだけの話ですよ。



>自己主張がとても強く、乗りたくなければ何時間でも泣き続ける勢いです。


おそらくは成長期としての姿でしょう。もちろん性格的なものもプラスはされているのかもしれませんが。

だからといって、その姿に大人がオロオロしていたり、ごまかしやいいなりをしていってしまうと、子供は適切な関わり方を学びそこねてしまいます。
そのへんは「魔の2歳児」カテゴリにかいてあります。


もし、僕だったらその時「今は危ないから立つんじゃない!」と目に力を込めてきっぱりといいます。
泣こうが喚こうが、それは安全に関わることなのだから譲歩はしません。

成長期ですと、同じようなことを繰り返すこともあるでしょう。
そのときも一貫した態度をとります。

それを適切に経験すれば、子供は「ここは引くべきところなのだな」ということをきちんと学ぶことができます。

大人がひよって一貫した態度をとれないと、いつまでも学ぶことができずに、手を変え品を変えそういったゴネ(不適切な自己主張)を繰り返していってしまいます。


いくら強く言ったところで、親子の絆というのはそう簡単にゆらぐものではありません。

あとで安全なところで、「素直に甘えていい」という関わりをしてあげれば、それで済むことです。

ありがとうございます

保育士おとーちゃん、とかちさん、コメントありがとうございます!

お二人の意見を聞いて、思うところが多く、関わりを全体的に見直してみました。

娘は一歳4ヶ月くらいからイヤイヤが始まりましたが、イヤイヤと言うのではなく、抱っこ!かまって!が多いので、満たされてないのかな、と自信がありませんでした。

本当に危ないことは、ちゃんと伝えて娘もやらなかったのですが、抱っこ!と言われると甘くなる私の態度を見透かしてきたんでしょうね。

食事の支度など、手を止めることはできるけど、本当は困るんだよな…という場面(今までは少し付き合っていた)で、
今はご飯作ってます。ときっぱり言うと、離れて行くようになりました。

オムツ替え、歯磨きなど生活の切り替え場面でも、同じようにしたら、気持ちの切り替えがみるみる上手になってきました。

これなら、と思い、自転車に再挑戦。自転車に乗るから、あなたは自分の席に座ります。と目に力を込めて言ったら、立ちませんでした!!!

そして、ひどい偏食だったのですが、それすら、きっぱりと言うと、今まで一度も口にしなかったものも、食べてくれます。信じられません…ただダダをこねてただけだったんですね。

おとーちゃんに、弱い大人の思考になっている、とはっきり言って頂いたおかげで、はっきりした態度を取れるようになりました。
とかちさんにも、何よりも安全な方法で乗るべき、と言われたおかげで、無理に自転車に乗ることを避けられました。

今は、抱っこ!と言わなくなり、あまりに機嫌が良く過ごす娘の姿にびっくりです。

おとーちゃんのブログに出会えて、深く感謝です。
これからも、勉強させてください!

はるさん

大人と子供のあいだにきちんとした信頼関係があれば、強く言ったり、要求を拒否することがあったとしてもそれは問題ないことなのです。

でも、多くの大人が親子であることに依存してしまって、「信頼関係」というものを意識しませんが、これは親子だからといって無条件にあるものではありません。

それを日々の関わりの中で作っていかなければならないわけです。

そこに、受容であるとか、ごまかさないであるとか、暖かい眼差しであるとかが必要なわけですが、
これら信頼関係がきちんとできていなければ、大人としての毅然とした関わりもうまくいかないことがあります。
また、強い関わりをしてもそれは単に抑圧にすらなりかねません。

そういうわけですから、普段からごまかしや脅しなどを多用している「弱い大人」になっている人ほど、あるとき強い関わりをしたとしても、なかなかきちんと通じなくなってしまっているわけです。


まずは信頼関係の構築。
その上で大人としての誠実な関わりがあれば、それが優しいものであれ、厳しいものであれ、大人の想いがそのまま伝わっていけるでしょう。


はるさんはいまの機会にそれを実感して、つかむことができたのだからこれからの子育てがずいぶんと変わってくるとおもいますよ。

過去記事へのコメントで失礼します。

最近こちらのブログを見つけ、過去記事から拝見しております。

もうすぐ2歳になる息子の対応に悩むことがあり、どの記事もなるほどとすごく勉強になります。
以前は過保護、過干渉になってしまいがちだったのですが、最近は本を読んだり人から話を聞いて、そうならないよう気をつけてはいるのですが、それも行きすぎると放任となってしまい、境界がわからなくなることがあります。

最近困っているのが、息子が支援センターなどで他の子が遊んでいる玩具を取ってしまった時の対応です。以前はお友達が遊んでるよ、などと言って止めたり玩具を返したり、取ってしまわないよう目を光らせていたのですが、これは過干渉になるのでしょうか?

危険なこと、マナーを守らなければいけないことは毅然とした態度をとこの記事にありますが、この場合は親が止めさせるべきなか、それとも子ども同士に任せるのがいいのか…。

危険なこと、食事中のマナーの面では厳しく注意をするのですが。

お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。過去記事にすでに書いてあったらすみません。

ヨッシーさん

>危険なこと、マナーを守らなければいけないことは毅然とした態度をとこの記事にありますが、この場合は親が止めさせるべきなか、それとも子ども同士に任せるのがいいのか…。


これは状況や相手によりけりというところでしょうか。

そういうのが大丈夫な相手や間柄でしたら、子供に任せておくのがいいとは思います。

1歳代の子であれば、まだ取られたことを気にしないという子もいたりしますし、そもそもものの所有の概念が形成されていたり、伝えたところで大人の理解するようには理解するものでもないので、子供の発達から言えばこの時期にあんまり気にしてもさしてプラスになる部分でもありません。

ただ、不特定多数の人の集うところであれば、なかにはそういうことを気にする親もいるでしょうから、そこでこだわってつまらない軋轢をつくっても損でしょう。

なのでそのときそのときで対応していくのが現実的なところではないでしょうか。

もし、返させるなどの対応をとるにしても、目くじら立てていうこともないので、さらっと対応していけばいいのではないかな。


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