2017-10

「弱い大人」の問題 Vol.1 - 2012.11.20 Tue

前にも述べたが「弱い大人」という言葉は、それ自体が悪いという意味でも、責めているわけでもない。

これは子育てにおける、大人のありかたの一傾向を表している。

これに当てはまる人で、子育てに悩んでいる人の参考になってくれればと思う。


まず、「弱い大人」によってどのような関わりが起こり、どのような子供の姿・子育てが引き起こされるのか、よくみかけられるところをあげていこう。







 「弱い大人」の大きな問題

1 子供の自己肯定感を低下させる もしくは形成できない

2 子供の成長を阻害してしまう

3 育てにくい子供をつくってしまう

4 大人自身も親として成長できなくなる



以下、これらをひとつひとつ見ていく。

今回は1の自己肯定感について


「弱い大人」は、子供に対する弱さゆえに子供の行動を好ましいものの範囲の中でコントロールできなくなることがある。

かと言って当然ながら、その状態を大人が是認しているわけでも、よいと思っているわけでもない。

これが日常において慢性的になってくると、子供に対して心から笑いかけたり、楽しんだり、褒めたり、認めたりする気持ちの余裕がなくなってくる。

その結果、その親は子供に対して、小言が多くなったり、「イヤイヤ」や「うんざり」といった態度で接することが多くなってしまう。

親にこういった態度が多くなると、子供は親から肯定されていないという不満・不安を感じる。

そのことがさらに、親を困らせたり、わがままを言ったり、親を支配しようとしたりすることでなんとか自分に「好意的・肯定的な視線」をもらおうとするのだが、それらの出し方はネガティブなものになりがちなので、子供が望むような「好意的・肯定的な視線」にはなかなかならない。

親もさらに「うんざり」「イヤイヤ」の態度になっていき、悪循環がうまれる。


これらのことは、子供の自己肯定感を下げたり、自己肯定感を形成することのさまたげとなってしまう。

自己肯定感がないまま成長していくと、今度は親に向けてだけでなく、他者に向けてのネガティブ行動として発展しやすい。


子供を肯定して育てていくためにも、子供が好ましい行動から逸脱しないようにコントロールできることは大切である。
(本当ならば叱らなくていい子育てのエッセンスのようにコントロールされてその姿になるのでなく、自分からそうあるように育ててしまうのがいいのはもちろんである)

そのためには「弱い大人」のままでは達成できないこともある。ときには強さを持って臨むことも必要になることもあるだろう。


ただ、そのことは単に必ずしも「怒る」「叱る」ということを意味するのではない。
これから書くほかのものについても同様だが、「弱さ」の反対や、「強さ」が、=「怒る・叱る」ではないのだ。

怒ったり叱ったりを多用しているが、肝心のところで子供のいいなりになってしまう「弱い大人」というものもある。

ときにそういうことが必要になることはあるかもしれないが、「弱い大人」への対策として、必ずしも「叱る」「怒る」を提案するという、そのような単純なことを述べているのではない。この点には注意して欲しい。

そのあたりのことについては、カテゴリの「叱らなくていい子育て」や「過保護・過干渉」「心の育て方」などが参考になるだろう。


今回のこの自己肯定感下げてしまう「弱い大人」の具体例はあげないが、このような子育ての状態におちいってしまっている人は大変多い、これに該当する人はここに書かれていることで判断できるだろう。

対応としては、この相談カテゴリにある『「叱る子育て」を変えていくには』の一連の記事に書かれていることとほぼ同様である。

そしてそこにある「先回りした関わり」や「全面肯定」それからもちろん子育ての基礎の部分である「受容」などにプラスして、子供の泣きやわがままに負けない毅然とした大人の態度や自信をもってのぞむことなど、自分の子育てにおける「弱さ」を克服する気持ちをもっていくことが大切になってくるだろう。

次回、2、3、4について見ていく。
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● COMMENT ●

このブログに出会えたことに感謝しています

こんばんは。はじめてコメントします。
現在1歳4か月の娘を子育て中のまなと申します。

私自身は自己肯定感が低い人間です。
このブログを読んでいて初めて気付いたことなのですが、
私の母はいわゆる教育ママで私は幼稚園~小学生の頃
たくさんの習い事をしていました。でもどれも望んでしたものではなく、
上達もしないので「何をしてもダメな子なんだ」と思っていました。
自己肯定感の低さはこういうところからきているのかなと。
(母は子供の頃家が貧しく習い事ができなかったので、私には
色々なことを体験させてあげたいと思っていたようですが)
1歳の頃トイレトレーニングも熱心にされたようで(母子手帳に
記録がありました)、小学校4年生までおねしょをしていましたし、
今でもトイレのような狭い所が苦手です。
幼児期に自分に自慰行為があったことも覚えています。

おとーちゃんさんのブログは1年ほど前に見つけて以来
子育ての教科書的存在になっています。
普段から「あなたは大事、大好き、大切」と伝えることは
特に心掛けています。

娘は4ヶ月から保育園に通っていますが、保育園の方針も
おとーちゃんさんの考えに近いです(持ち物のキャラクター禁止、
テレビ視聴や生活リズムについては結構厳しく言われますし、
早期教育は一切なしです)。この園に通えてよかったと思っています。
園児たちもですが、先生方もいきいきとされていますね。

これからも更新楽しみにしています。
個人的にわたくん、むーちゃんのほのぼの話が好きなので
また機会があったらアップしてくださいね。

まなさん

まなさんのような育ちをおくった人、今でもそのように子供を育てている人というのは少なくないのではないかと思います。


親の子供への思いというのはいろいろですが、それと裏腹に子供はまっすぐ育たなかったり、萎縮していったり、押しつぶされてしまったり、あらぬ方向へといってしまったり、うまくいかないのも現実にたくさんみてきました。

そういう実際の体験があるので、多くの人に楽しい子育てと、子供には良い育ちをおくってほしいと思って書いています。


僕自身もあまり自慢できるような育ちをおくってきていません。
でも、だからこそ保育士になった面もあるし、その育ちを我が子の子育てを通して乗り越えようとしているというところがあるのだと思います。

そんなこともあって、子供たちがすくすくと育ってくれるのをみるのは何にも勝る喜びです。

多くの人にそうなってくれればよいといつも感じています。

返信ありがとうございました

お忙しい中ご返信ありがとうございました。

おとーちゃんさんのような子育て観を持った方のお話を聞く機会が
すべての親にあったらいいのにと思います。
親も子どもももっと幸せになる家庭、たくさんあると思います。
私は「~しなさい」と子どもに言うことがお母さんらしいと思っていました。
このブログを見るまで、私の育てられ方は普通と思っていたし、
自分もそうするものだと思っていました。

親の思いとうらはらに…というのは悲しいですね。
私の母も子育てをしっかりしなければと思っていたと思います。
また、私の心を育てようとしたとも思います。
実際、ネガティブ行動について叱られたことはほとんどありません。
ただ、褒められたこともあまりないですが…できたことはできて当然と
思われていた気がしますし、母は私が天狗になって他人に高飛車な
態度をとらないように気を付けていたそうです。

私は友達に恵まれ、学校が好きだったので、学校でバランスを
取っていたのかもしれません。
私は小学生のころから学校は自分の領域という意識が強く、
「学校でのことは家では話さない」と決めていました。
こう書いてみると、母は過干渉だったのでしょうね。

私も娘とともに自分も育てなおしていると感じています。
ありのままの娘を愛することで、自分も愛してあげようと思うことができます。

お子さんたちのお話アップしていただいてありがとうございました。
兄妹は楽しそうですね。娘にも弟か妹ができたらいいな。

変な質問してしまってすみません。

素敵で心のこもったブログを拝見し、ぜひ保育の先輩として 聞い頂きたい事があります。

私は、保育士として3年間保育園で勤めていました。
退職理由は、職場でのイジメです。
今となっては、自分も弱かった、もっと踏ん張って頑張り続けるべきだったのかもしれないとも思っています。
しかし、当時は社会に出たばかりで日々の保育も手探りの状態だった私に、先輩保育士からの無視や暴言はとても辛く辞めてしまいました。
その後、小学校の放課後保育の仕事をしていました。

今は、9ヶ月になる息子の子育てをしています。日々成長する姿を見ていて、やはり『子供が好き』『保育が好き』たゆう気持ちが大きくなっています。

相談とゆうか、ご意見を伺いたいのですがたった3年で退職した人間がまた、保育士として復帰する事をどう感じられますか?(経験がものをゆう職業なのに、ほぼ経験がないのも同然。)(保育から逃げたとも思っています)

また、前職場での出来事のせいで、保育士や保育園に対してどうしても悪いイメージを持っています。やはり一種独特の世界なので、どこもある程度こういったことはあるものなのでしょうか?

まったくのお門違いな質問・相談なのは分かっているのですが、素敵なブログを拝見し、お会いしたことも無いので変ですが、胸の中にしまっていた気持ちを吐き出したいと思いコメントさせて頂きました。

ご迷惑や不愉快なお気持ちにさせてしまったらすみません。

としこさん

似たような経験を僕もさんざんしていますよ。

本当に保育の職場のあのいじめ体質はどうにかならないものですかね。
とても人を育てる人とは思えないようなことがたくさんありますよね。


また、前職場での出来事のせいで、保育士や保育園に対してどうしても悪いイメージを持っています。やはり一種独特の世界なので、どこもある程度こういったことはあるものなのでしょうか?


>保育から逃げたとも思っています

それは保育から逃げたのではなくて、自分を傷つける人から逃げたのですから、どこもおかしいことはありません。

やはり仕事とは自分が健康であってはじめてまっとうにできるものなのですから、それが守られないところならば自分を守るために行動することは当然のことです。


そのような人に意地悪する人と、としこさんのように心の優しい人とどちらのほうが子供たちを育てるのによいかといえば、当然ながら優しい人の方なのです。

もし、また保育をしたいと思うならば是非おやりになればいいと思います。



職場によりその体質はさまざまです。

もう、施設長からして意地悪をしているようなところもあれば、保育をよりよくするために職員一丸となって保育に取り組んでいるところもあります。

どのみちいじめがはびこっているような園では、よい保育がなされているわけもありませんから、やめて正解だし仕事としても経験としてもそこでがんばる価値もありません。

次に選ぶときは理念のしっかりとして園を選んで就職するのがいいと思います。


保育は人手不足ですから、どこでもいいというならばすぐにでも働き口は見つかるはずですが、職務条件や園の姿勢のおかしなところもたくさんありますので、よく選んでからの方がいいですよ。

返信ありごとうございます!

おとーちゃんさん、お忙し中返信して頂きありがとうございます。とても救われました。失くしていた自信を少しずつですが取り戻してみようと思えるようになりました。 また、時期がきたら納得のいく園で、保育に再挑戦したいと思います。 こちらのブログを拝見し、『子供はみんな素晴らしい!』とあらためて感じ、子育てもニコニコ目からは『大好きよビーム』を出しながら息子の成長をゆったりした気持で見守る事が出来ています。 寒くなってきました、お体には気を付けて下さいね。これからも、楽みに拝読させて、頂きます。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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