2017-08

父親の育児参加 Vol.2 - 2012.09.27 Thu

近頃、「イクメン」という言葉が流行っていますね。
「育児をする男性」という意味ですね。

そしてそこには、「良いもの」「かっこいいもの」「歓迎すべきもの」というニュアンスを含ませて使われています。

僕は子育てのなかでしばしばでてくる「流行」にしてしまうことは好きではないのですが、(なぜなら流行は早々にすたれてしまうものだから)この良い意味で使われている「男性の子育て参加」というものはとても重要なことだと思います。







なぜかといえば、Vol.1で実にするどい考察を引用させていただきましたが、これまでの日本の社会において、男性が子育てに参加することはそのアイデンティティの中に含まれていなかったからです。

昔一時的に使われた言葉なので今の若い世代の人はしらないかもしれませんが、以前にも「マイホーム主義」「マイホームパパ」などという言葉が使われました。

今の「イクメン」はほぼ100%良い意味で使われていると思いますが、この「マイホームパパ」はいい部分よりもむしろ「仕事にやりがいを見出していない男性」というような揶揄するような否定的なニュアンスも多分に含んで使われていました。

この10年で「女性の社会進出」は大幅に進みましたが、その逆の「男性の家庭進出」とでもいうようなものは、前者に比べればさほどではありません。

まさにそれは、前回引用させていただいた



僕は、男性が旧来から求められている「男は稼ぎ手であるべき」という社会性が無言の圧力を与えていることで、「仕事」という「役割」を果たせなくなった男性が自尊心を保てず、更に自分を責め続けたということが、大きな理由ではないだろうかと考えています。

そして、家事や育児、そして地域コミュニティで役割を果たすということに男性が自尊心を保ちにくい社会環境が存在していることが言えるのではないかと考えるのです。
(『河北新報 オピのおび ふらっと弁論部』より)該当記事リンク



↑このことがそれを大いに阻んでいると思うのです。


本当に父親・男性の育児参加を考えるならば、この一般的な価値観の変化を期待する必要があるでしょう。

最近の潮流である「イクメン」は、まさにそのひとつの原動力となるでしょう。

少し前から社会的にも男性が育児休暇をとれるようになったり(現実にはまだまだ一部ですが)、男性の料理がテレビや雑誌などでも広く取り上げられて人気を博したりしています。

こういった男性の子育て・家庭参加の流れを今後当たり前のものとしていくべき時代になっています。
欧米ではそれをだいぶ前に成し遂げています。

かつては欧米も男性中心主義の社会の中で、これまでの日本と同じように(文化的な差異もありますのでおおまかにですが)家庭のことを女性がするという形でしたが、女性が社会進出をするようになり、それは当たり前のものではなくなってきたという経緯があります。

日本ももはや女性が男性と同じように社会進出をするようになり、これまでのような「父親はお金さえ稼いでくれば良い」「必死に働いて食わせてやっているのだから、あとのことは母親がしろ」といった価値観ではやっていけなくなっています。

現代の子育ての種々の問題の噴出は、その限界を迎えつつある従来の家庭のあり方を露呈していると思われます。

それゆえに、現代においてはもはや男性の育児・家庭参加というのは必須のことであると言えるでしょう。

そのためにもまずはこれまでの「男性」という価値観の変化というものが要求されていると思われます。


* このテーマは、間をあけてですがもう少し「男性の育児参加」とやや具体的な関わりについて書いていく予定です。
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● COMMENT ●

はじめまして。

はじめまして。

今、1歳4ヶ月になる女の子の母です。

娘を授かる前から読ませていただいていて、もし自分が親になれることがあれば、おとーちゃんさんのような子育てをしたいとずっと思っていました。
実際、日々悩みつつも、とても楽しく子育てしております。

今回の記事を読んで、どうしても聞いていただきたいことがあったのでお願いします。

夫は家事にも子育てにもとても協力的で、娘のことをとても可愛がってくれています。
でも、最近気になっていることがあります。

以前こちらのブログで読ませてもらった言葉が心に留まり、私は子どもに対して楽しく触れ合っている時以外は、「おいで」とは使わないようしてるのですが、夫は娘を呼ぶときに「来い」(怒っているのではなく、さぁ来い!という感じです)や、遊びの中で、そうする必要が特にない時にでも「お座りは?」や「ゴロンは?」と言って娘にさせようとします。

娘は言われた通りにしています。二人の中ではそれが遊びになっているのかもしれませんが、私は見ていて良い気持ちになりません。
これから娘に何かしら影響が出るのではないかと心配にもなっています。私の気にし過ぎでしょうか…。

お忙しいところ申し訳ございません。
それとなく一度自分の気持ちを夫に話したことがあったのですが、あまり共感してもらえなかったようで、変化がありません。
何かアドバイスありましたら、よろしくお願いいたします。

No title

イクメンは確かに、おっしゃる通り、ネガティブな意味付けがないですよね。

男性の家庭進出は確かに進んでないのかもしれないですね。
職場における仕事のあり方も見直される必要があるのでしょうね…。
わが社では管理職になりたがらない男性が増えてます…。管理職になると家庭での役割を果たせなくなるからと言われる方も多いです。(もうひとつの理由は苦労のわりにペイが少ないことですが)

欧米と違って、景気の悪く社会に余裕のないときに、この問題に社会で取り組まなければならないのは、大変そうです…。

続きも楽しみにしてます。返信は不要です♪
いつもありがとうございます。

ゆりこさん

「おいで」について書いた記事でも、「おいで」を使ったからといって、即それが悪いわけではないけれどもと書いたと思いますが、同様に

>夫は娘を呼ぶときに「来い」(怒っているのではなく、さぁ来い!という感じです)や、遊びの中で、そうする必要が特にない時にでも「お座りは?」や「ゴロンは?」と言って娘にさせようとします。

こういう、言い方をしたからといって、それがそのまま子供の成長に悪い影響を与えるかというと、それとは断言できないわけです。

まあ、あまりいい関わり方だとも思わないけどね。


ただ、母親の影響力というのは父親よりも大きいものですから、多少父親の関わりが良くなかったとしても、母親しだいでリカバーできるものです。

大人同士の問題・夫婦間の問題は僕の専門ではありませんが、あまりにその関わり方が目に余るというようであれば、そう感じることはそれで間違っていないわけですから、きちんと伝わるまで伝え話し合っていけばいいのではないでしょうか。

No title

三歳二ヶ月の息子と二月に生まれる予定のベビーのママです。
いつも拝見させていただいています。
本当にイクメンがもっと増えて欲しいし、子育てが終わった世代の人たちもそういう世の中に関心を持ってほしいと思います。そしたら、もっとママが働きやすいのになあと思います。
ありがたいことに、夫はイクメンで、たくさん子供と遊んでくれるし、言うことはないのですが、職場の理解はまだまだ、と感じます。

おとうちゃんさんのブログなど、とっても良いことをいっている記事はいっぱいあるのですが、本当に読んでほしい人は読んでいないだろうなと思うと悲しいです。
だって、このブログを見ている方はみんな、育児に関心をもっているはずだから。それだけでも十分だと思います。

私のようなものでは職場に訴えていくことしか出来ませんが、そんなことの積み重ねで世の中がいい方向にいけばいいな〜と思います。
今、私が感じていることだったので、思わずコメントしてしまいました。駄文失礼しました。

ぽりさん

>欧米と違って、景気の悪く社会に余裕のないときに、この問題に社会で取り組まなければならないのは、大変そうです

↑この指摘はたいへん鋭いですね。
まさに余裕のない時代にその波が来てしまったことが、いろんな波紋を投げかけていくでしょうね。

はるままさん

女性の育休・産休制度も、名目上はあってもなかなかとりずらかったりしていますから、男性の育休などとなるとなおさらまだ難しいのが現状でしょうね。
まだまだ、景気も低迷していますし。

でも、じょじょのそういう成果も少しずつではありますが、上がってきていますから今後はよくなる方向へ期待したいですね!


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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