2017-08

愛着の不思議 - 2012.08.17 Fri

毎日とんでもなく暑いですね。
こう暑いと、じっくりものを考えてなにかを書く頭が働きません。こまったものです。


片付けについてが途中ですが、そこででた「愛着」のことは片付けにもそうですし、ほかの部分でもとても大きなことなので、ちょっと掘り下げておこうかと思います。



愛着の不思議と書きましたが、むしろ人間が不思議というべきなのかもしれません。





この前電車に乗っていたら、カバンにキーホルダーというよりも「それは完全にぬいぐるみだろっ」と言いたくなるような大きなクマをつけている高校生の女の子がいました。


クマなんかは当然ながらぬいぐるみの定番なのですが、しかしなぜクマなのでしょう。
当たり前にあることだから気がつかないけれども、よく考えるとちょっとこれは不思議なのです。
まあ、こんなことをよく考えてみる人間は多くないのでしょうけれど。


もし、山の中でクマに出会ったら、ヘタをすると死を覚悟しなければならないほどの猛獣です。
聞くところによると、怒っているクマにばったり出会ってしまったら、猟銃をもっていたとしてすらそうそうかなわないそうです。

そんな猛獣がなぜ「かわいい」アイテムになってしまうのでしょう。
ここが人間の不思議なところだと思います。


ほかにも、カエルにユーモラスなイメージをもっていたり、ふくろうを知的なイメージとしてみたり、タコをひょうげたものとして捉えたりと、人間はその感性でイメージを付加してとらえています。

カエルがなにか特別面白い冗談を言ったとかいう話を聞いたことはないですから、人間が勝手に一方的にそういうものとして捉えているのでしょう。


こういうものは人間の自然な「愛着」の気持ちが、その背景にはあるのではないかと思います。



クマを動物としてのそのままのクマではなく、子供を守りながら親子で一緒にいるところや、クマの子供がじゃれあって遊ぶところなどから、イメージを付け加えた状態で「可愛い」という愛着の心がそれをマスコット的なものとして人の心に投影されているのではないでしょうか。


この「愛着」という気持ちは、人間にとって生まれつき備わっているもののようです。



乳児期とくに1歳前後を愛着形成期と言われています。

その時期の子供は、自分を守ってくれたり、普段世話をして心地よくしてくれる大人に対して、なつく・信頼するという気持ちが形成されます。

やはり授乳してくれたりすることから、とくに母親に対してその愛着というものはもっとも大きなものとなるでしょう。


そしてその愛着を持った相手に対して、微笑んだり笑ったりというほかには出さない反応を示していきます。
通常そうでない対象には、不安や警戒・恐怖という感覚を感じます。

なので、世話をしてくれたり食べ物をくれるだけならば、「依存」という状態でもいいわけだけれども、やはりそれとは違う「愛着」という特殊な関係が築かれていると言えるでしょう。


『片付けのしかた  Vol.1』のところでは、ものに対して愛着を持てるように育てていきましょうという意味のことを書いていますが、順序から言えばまずはものへの愛着以前に信頼する大人に対しての「愛着」というものが形成されているわけです。


ですから、ものへの愛着をもてる子供になるためには、親・世話をしてくれる人への愛着がしっかりと形成されていることが大切と言っていいと思います。



まれに虐待などでこの時期の親への愛着形成ができなかった子というのもいますが、これはもう人格形成上大変なことになります。
今日のテーマとはずれてしまいますので多くは述べませんが、育てにくい子などというレベルではないです。



「愛着」というのは、普段あまり気にもしないことですが、実は人間が生きている上での根っこの部分にあることなのです。


母への愛着、もちろん子供からの一方通行でなく相互の温かい関係というものがあって、それが十分に積み重ねられると、人形やぬいぐるみ、車や電車などの大好きな玩具、気に入りの洋服やタオル、布団、毎日使う食器、なにか思い出にまつわるものなどなどに広がっていけるのではないかと思われます。


そしてそういう形はないのだけど積み上がってきたものが、大人になってすらクマを可愛いと思わせたり、カエルをユーモラスだと思わせているような気がします。



最近の保育園の子供をみていますと、ものに愛着を感じられていない子というのが多くなっています。

子供の個性の差というものはもちろんありますから、あまりそういう風にならない子というのももともといますが、母子関係が良好でなかったり、情緒が安定していない子、満たされていない子というのは、多くの場合「ものへの愛着」を持つという気持ちの余裕はなかなか持てないようです。


「愛着」というのは、あまりにも当たり前過ぎてなかなか気にもとめない部分だけれども、「愛着を持とう」という自然な感情があり、乳児期にそれを良い形で持たせてあげることが、人間の生きていく上でなにものにも代え難いほど重要なものであることは間違いのないことだと僕は思います。


次回は片付けのしかたの続きを書く予定です。
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● COMMENT ●

神さま

以前おとーちゃんさんが「子どもはアニミズムの心を持っている」と仰ってたのを思い出しました。

アニミズムと言えば、大昔の人々は、いろいろな動物や物質を神様として崇めていたとよく聞きますが、それなんかもモノ達に対しての愛着から発したもののように思えます。生きていく上で身近にあるモノ達に、とても強く想いを寄せていたんでしょうね。
熊や蛙も、かつては神様として像を造られたものが、巡り巡って現代では可愛らしいマスコットとして愛玩されていると思うと何だか面白いです。

最近になって一段と、甘えるのが得意になってきた1歳の息子を見て、日々向き合うことで少しずつ愛着が形成されることを実感しています。


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