2017-09

イニシアチブは大人が持つ Vol.2 - 2012.06.12 Tue

食事は特に大切なので、前回食事を例にとって話しましたが、この生活の上でのイニシアチブというのは様々な面でも同様です。
大人が持っていることで「良い癖」となり子供にもたせてしまうことで「悪い癖」になってしまうものなどたくさんあります。


例えば、テレビやビデオの扱いもそうではないでしょうか。






「子供が見たいものを見せていたら、一日の大半をテレビを見て過ごすようになってしまった」
「DVDを子供に選ばせて見せていたら、ちっとも遊べなくなってDVDばかり見たがります」
「テレビゲームを最初は時間を決めてするという約束だったのに、いつももっとやらせろと激しく泣くので困ってしまい、しぶしぶやらせています」

このような話を最近ではとてもたくさん耳にします。

大人がテレビなどの主導権を持っていれば、そもそも子供がそれを無制限に見たがるということは起こらないのです。

主導権を子供に渡すことによって、よけい子供に制限や規制をしなければならなくなり、返って子供に不満を持たせることになってしまいます。

テレビゲームなんかはそもそも与えなければ、もっとやりたいといった不満はでないのです。

しかし、
「周りの子は持っている子が多いので、ほんとうはやらせたくないけどしぶしぶ与えた」
「他の子が話題にしている時に、自分の子が入れないと可哀想だからテレビゲームを与えた」
「可哀想だから、ほんとうはあんまりみせたくなかったのだけど、○○のテレビを見せた」
こういった話もよく聞きます。

こういう話を聞くと僕は「大人なんだからもっとしっかりしようよ」と思います。

性描写がされているものや、人が惨殺されたり切り刻まれたりする映画などを乳幼児に見せようとする人は、普通いませんよね。
それは子供のためにならないとわかっているからです。

与えてもいいと思うのならばそれはそれでいいのです。でも、ためにならないと思うならばテレビ番組やテレビゲームだって基本的にはそれと変わらないわけです。

それが子供のためにならないと思っているのならば、「うちにはいらない」とそのまま決めればいいことだし、与えようと思うのならば「しぶしぶ」やあとで文句や小言をいいながらではなくて、ルールを決めてそれをしっかりと守らせるなど、大人としての主導権をきちんともつべきではないでしょうか。


何年か前に雑誌に載ってた、子供を持つ親に「自分の子供にはどんな人に育ってほしいですか?」というアンケートの結果を見たことがあります。
その上位に(2位か3位だったと思うのだけど)、「個性的な子供になってほしい」というのが入っていました。(ちなみに1位は「優しい子」でした)

「個性的に」っていうのを望んでいる人がたくさんいるわりには、「周りが○○だから~~」っていうのを気にする人がとても多いんだよね。
いかにも日本人的だな~と感じます。


僕の経験から言うと、「周りに合わせた○○」をあえて与えなくても、しっかりと遊べる子や自分の好きなもの得意なものを持っている子というのは、子供たちから見てとても魅力的に見えるものなので、テレビの○○をみていなくても、なんとかのゲームをしていなくても、孤立することはありません。

むしろ、そういった得意なものやそれに対する自信にあふれた態度を持っている子のところに、子供は魅力を感じて引き寄せられます。


そういった子供に対して刺激の強いものは、子供をそれに染めてしまうのは簡単ですが、あとからそれはやめておけばよかったと思っても、取り消すことはできませんし、その影響を取り除くことも容易ではありません。


ですから、大人は自分の考えをしっかりと持って子供に与えるものを選んでいいと思います。


子育てに関心の強い他の国、例えばドイツなどでは、絵本や玩具は「大人が吟味して選んで与えるもの」と当然の如く考えられています。
「子供が欲しがっているから好きなものを与えた」などと言ったら、「何を言っているんだ君は、それでは大人の責任を果たしたとは言えないじゃないか」と多くの人が考えることでしょう。

大勢がそういう考え方を当然のこととして持っているので、玩具メーカーもいい加減なものは作れません。
質の高い木製遊具などがたくさんあるのも、そういった人々の子供に対する真剣な考えがあるからという背景があってのことでしょう。



関連記事

● COMMENT ●

No title

うなずけますっ!
〇〇ライダーや戦いモノ言葉遣いが乱暴なモノetc
今更ながら見せなきゃよかったと後悔しています・・・。
オモチャやDVD等興味をそそるモノは息子にもマイブ~ムがあり、
コロコロ変わります。喜ぶ顔が見たいが為についつい・・・。

強い=乱暴?勘違い修正したいです。
DVDやテレビは便利な時もありますが、ホント吟味が必要ですね。

参考になります

とても参考になります。
私も夫もテレビを見ないのでテレビはありませんし、
ゲーム機を買うこともないと思いますが、
PCでYoutubeを見せるようになってから、
毎日毎日PC!PC!と催促するようになりました。
朝は絶対に見せないと決めているのでどんなに催促されようが
「朝は見る時間じゃないよ。保育園から帰ってきてからね」
と言って絶対みせません。
ただ、帰宅後夕飯を準備している間見せていますが
なかなか切り上げることができず、そのままダラダラと2時間くらい
見せ続けていたことを反省しました。
子供の前に時計を置いて、時間を決めて見せた方がいいのかな、と思いました。あとはご飯の時間だからといってPCを片付けるようにしようかな、とも。
親の姿勢が大事ですね。

No title

子どもに主導権を握らせてはいないのですが、お昼に海外ドラマを観ていて、それが殺人犯を探すようなドラマなんです。
アニメじゃないし、たいして観ていないだろうと思ってたのに、結構観ていて…殺人シーンが毎回あるのにみせちゃってました(>_<)
気づかない私もよくないですが。
これからは気をつけなきゃ。
アンパ○マンをみせないようにしていたのに、これじゃ意味ないどころか余計な強い刺激を与えていました。
よく夫から「天然」とか「おっちょこちょい」とか言われていたけど、最近自覚しているだけに落ち込みます(ーー;)
DVDもそうですが、ゲームもハマりやすい遊びだと思います。与えたら最後だと思ってるので、周りに流されずにどれだけ親が強い心でいられるか、試されますね(>人<;)

なるほど

4才半(年中)の男の子がいます。
私自身が戦隊ものが好きではなく お父ちゃんさんのブログを以前から読ませて頂いていたので 見せていません。
そういうものがあるのは知ってはいますが見せてないため 見たいとも言いません。お父ちゃんさんのおかげで私も強く意志を持てました。ありがとうございます。

うちの子は小さい頃から昆虫が好きで 今はたくさん飼っていますし よく知っています。
好きなものや得意なものを持っていると 子供達が魅力的に感じるというお話し、嬉しかったです。

確かにうちの子が幼稚園終わりに 虫とりをしていると他の子が寄ってきて一緒にやっています。

ゲームに関しても 与えたくないので それ以外に好きなものを伸ばしてあげたいと思います。

お父ちゃんさんっ!

私事なのですが誰かに話したくておじゃましました・・・。
昨日保育園で父の日のプレゼントの為に
先生が「パパの顔」を書かせたそうです。
ウチの息子だけ「イヤだ〇〇は(自分は)ママの顔書きたい」って言って私を書いたそうです。
・・・離婚後も面会はもうけています。会うと可愛がってもらえています
息子もパパを恋しがってないわけはないと思われます。
が、ぶっちゃけ、私は涙出そうなくらい嬉しかった。
ホントの息子の心境が気になります。
アタシ、素直に喜ぶコトにしました☆

きんぎょさん

>オモチャやDVD等興味をそそるモノは息子にもマイブ~ムがあり、コロコロ変わります

ああいったおもちゃとかはそのように作ってあるみたいです。
テレビ番組の1クールが終わると、そういう武器とか道具とかも切り替えて、次のシーズンでは別の遊具を新たに売れるようにするというのが一種の販売戦略です。

なので、子供の気持ちを見透かして最初から、すでにあるものは飽きるように、新しいものに魅力を感じるようにと番組と玩具メーカーが最初から、いっしょに企画して玩具や関連商品などを「売るもの」ありきで番組自体をつくっているとか。

ほんとに大人がきちんと吟味しないと、大人もそれに組み込まれてしまっていようです。

Hiroさん

>子供の前に時計を置いて、時間を決めて見せた方がいいのかな

ルールを作るという以前にできるならば、それ以外の方法で伝えられたほうがいいです。

たとえばほかの遊びに誘導していくとか、いっそのことエプロンでもさせて一緒にきゅうりでも切ってみるとか。
ほかにもっといいものがあれば、ただ見ているだけの行為よりも楽しくなります。

また、できるだけ家の中に規制をたくさんにしないほうがいいからです。
やっぱり家庭というのはくつろげるところでなくちゃね。
どうしたってこれから、保育園・幼稚園・学校など外の社会ではルールや規制というものが増えてしまうので、家はそれとは違うところでないと子供も疲れてしまいます。

あと、まだ子供が小さい段階では、「ルールだから守らなければならない」ということ以前に、「大人がそういっているのだから従おう」という気持ちに育っていないと後々困ります。

大人がやめなさいといっているのに、「まだ約束の時間まであと10分あるからそれには従えない」などと今後大きくなった時に言い返したりするようになっては、大人にとっても子供にとっても好ましい自体ではないですよね。

普段から心をつなげるような肯定の関わりをしっかりとしておいて、いざというときにはきちんと大人の言うことを素直に聞ける子に育てたほうが、きっといいはずです。

きんぎょさん

きんぎょさんよかったですね。
子供は子供なりにいろいろわかっているんですよね。

ちなみに、僕は保育園ではもう何年も「父の日」やってません。
離婚している家庭とか、当たり前にある時代なのですから、その子達のことを考えたらそんなことできないですよ。

初めまして。
2歳7ヶ月の姪っ子なんですが、普段から自分の言う通りにならないとものすごくキーキー言います。
特に眠い時は全て自分のやりたいことをやらないと気が済みません。
(例えばエレベーターのボタンや、扉の開閉などとりあえず全て)
こう言う場合はいったいどの様に接するのがいいのでしょうか?
今はその子の母親も父親も私もおばあちゃんも全員が「わかったわかった」といってやりたかったことをやりにその場所に戻ったりしています。
よろしくお願いします。

ゆうかさん

2歳7ヶ月ということであれば、成長期のひとつの姿かと思います。
「魔の2歳児」カテゴリのなかに様々な姿や対応について一応書かれています。

なんでもいいなりになってしまうという対応は、その後の子育てを大変なものにしてしまうこともありますので、子供が泣き喚くのでなんでも従うという対応は、場合にもよりますが決していいものではありません。
していいことならば、それをさせるのはかまわないけれども、好ましくないと感じられることであれば、毅然としてできないという対応を大人がとらなければ、あとあと手のかかる子に大人がしてしまうことにもなりかねません。
そこだけは十分注意していまの時期の対応をしていくべきでしょう。

つい去年の今頃

「自分の子供にはどんな人に育ってほしいですか?」

何がしたくて私を制限しあり得ない事実を平然と話し逆ギレするのか?
結局私にどうなって欲しかったのか?

と聞くと

もう何にもできるようになって欲しくないよ

と言われました。

「もう」
って私からダメになろうと思った事は一度もありません。

まさかそこまではしないだろ?!っていう所で「俺に逆らった!」と駄々をこね、社会人の私の仕事の邪魔をして会社の人に迷惑をかけました。

幼稚園の時から
小学生の時から
こいつは駄目だ
と私は思ってました。

コントロール


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://hoikushipapa.blog112.fc2.com/tb.php/287-752d1edf
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめtyaiました【イニシアチブは大人が持つ Vol.2】

食事は特に大切なので、前回食事を例にとって話しましたが、この生活の上でのイニシアチブというのは様々な面でも同様です。大人が持っていることで「良い癖」となり子供にもたせてしまうことで「悪い癖」になってしまうものなどたくさんあります。例えば、テレビやビデオ...

ちょっとおなかにきいてみましょ~ «  | BLOG TOP |  » イニシアチブは大人が持つ

ごあいさつ

ただいまコメント欄での子育て相談は休止中です。 お悩みのコメント下さっても回答を差し上げることができません。 申し訳ありませんが、過去記事、すでにある返信コメントなどを参考になさってください。 多くの相談への返信がすでにあります。関連するカテゴリーから探す、検索を使って探すなど利用してみてください。 多忙になってしまい、コメントへの返信ができなくなってしまいましたが、お寄せいただいたコメントにはすべて目を通し更新の励みになっております。ありがとうございます。

最新刊

よければレヴューも書いてね!

前作!

最新記事

最新コメント

プロフィール

保育士おとーちゃん

Author:保育士おとーちゃん
当ブログはあくまで個人ブログであり、記事の内容および相談・コメントの返信等は効果を保障するものではありません。
ご利用に当たっては自己責任でお願いします。

楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

講演等のご依頼

講演・ワークショップ等のご依頼はFacebookのメッセージ または『保育士おとーちゃんホームページ』 http://hoikushioto-chan.jimdo.com/ よりどうぞ。

カテゴリ

はじめにお読みください (1)
【まとめ】記事 (2)
子育てノウハウ? (75)
子育て日記 (13)
保育園・幼稚園 (88)
日本の子育て文化 (169)
おもちゃ (27)
叱らなくていい子育て (9)
排泄の自立 (11)
『魔の2歳児』 (5)
子育てまめ知識特集 (4)
あそび (41)
おすすめグッズ (8)
おすすめ絵本 (23)
食事について (15)
過保護と過干渉 (44)
満たされた子供 (7)
早期教育 (19)
我が家の子育て日記 (88)
心の育て方 (91)
相談 (84)
子供の人権と保育の質 (56)
その他 (56)
未分類 (21)
講座・ワークショップ (73)
父親の子育て参加について (3)
雑誌・メディア (19)
子育てに苦しむ人へ (6)

保育ひろば

保育ひろば

楽天

FC2カウンター

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

おしらせ♪

当ブログはリンクフリーです。トラックバック・リンクはご自由にどうぞ。 しかし、本文・コメント・その他を含めて著作権は私にありますので、引用・転載する場合は連絡をお願いします。また引用元の記載も併せてお願いします。 なお写真の転載はお断りいたします。

ランキングに参加しています

検索フォーム

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QRコード

アクセス解析