2017-11

個別化と一般化 - 2011.08.17 Wed

以前の記事の中で「個別化と一般化」という言葉がでてきました。

このことは保育に限らずいろいろな場面で適用されることです。多くの場合無意識にこの「個別化と一般化」を使い分けているはずです。

人は物事に対するときに、さまざまな経験や知識などの蓄積されたデータをもとにその物事にとりくみます。

例えば保育でいえば、100人の子供をすでに保育したことのある人はその100人分の経験や、学校で学んだこと、本で読んだこと、人から聞いたことなどから類型化された子供像を描くことができます。

その中にはさらに明るい子、おとなしい子、遊べない子や他動な子などなどのさらに細分化された一般像ももっています。

その人が新しい子供に対応するとなると、当然その一般化された姿とその子を引き比べて捉えていくことになります。

これが「一般化」です。



しかし、そのような典型例のようにいかないこともたくさんあります。
個々のケースではその背景などの違いから、同じ様子が出ていても原因が全く違うかもしれません。
そこで今度は個別的な見方をしてさらにその対象を掘り下げていかなければなりません。

これが「個別化」です。

こういうことを誰しもが自然と行っています。
例えば八百屋さんがダイコンを仕入れるときだって同じはずです。

その人がイメージするダイコンの基準に合わせて、「こんな質のものはうちでは扱えない」、「この出来のものならいいだろう」「これはいいがうちの店で売るには仕入れ値が高すぎる」などなど一般化のなかで考え、さらに「いまは時期はずれだからこの品質でもやむをえない」「いまは旬なのだから、もっといいものがあるはずだ」と個別的なところからの見方も同時にもっています。


話を保育に戻しますと、保育は経験が大事とよく言われます。

たしかに長いことしていれば、一般化の蓄積は大きなものになります。
しかし、自分の持っている経験・知識が大きいあまり個別的な視点が希薄になってしまい、そのケースに対して一方的な対応になってしまうこともあるかもしれません。

それゆえどれだけ経験があっても個別的な配慮を欠いてはなりません。

ときどき経験も十分なベテランに、悩んでいることを本心から相談したのに紋切り型な対応をされて、不満を感じたという話を聞きます。


自分の知識・経験だけに頼ってしまっては本当の援助にはならないということです。

そしていまの人との対応では、一般化よりも個別化をさらに重視するようになっています。
一般化された答えを押し付けることだけでは解決につながらないことも多いからです。

そこで個別化を重視していくと、模範解答的な答えはあまり重要ではなくなります。

それよりも、援助する人とされる人が、一般化の枠の中ではなく全く新しいものとして一緒に考え、答えの方に向かっていく、もしくは答えを援助される人が自分で見つけ出せるように手伝うことが大切になります。

もちろん一般化された蓄積が無駄というわけではありません。
さまざまなケース、成功例、失敗例をたくさん知っていてこそ適切な援助は可能になるし、知識として提供するだけで解決する問題ももちろんあるからです。

このブログのコメントで相談を受けることもありますが、字だけのやりとりではなかなか個別的な対応まではいたりません。
どうしても一般化の範囲からのアドバイスになってしまいます、出来るだけのことはしたいと思っていますがどうしても十分とはいえないことも多いかと思います。
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● COMMENT ●

いつコメントしようと思っていたのですが><

いつも興味深く記事を読ませていただいています。
ありがとうございます。
私は10ヶ月になる娘の母で、現在、試験での保育士免許取得を目指しています。
今回の記事にあったように、専門的な知識をもちつつ、悩んでいる保護者の方に寄り添えるような保育士になりたいと、気持ちを新たにしました。

以前の記事で、おとーちゃんさんが、試験で免許を取得されたと知って、とても心強く感じました。学校に通わずとも、おとーちゃんさんのような素晴らしい保育士になれるんだ、そうなりたい!と思いました。
もし、おとーちゃんさんが運営する保育園ができたら、ぜひ就職させて頂きたいです・・・!

私自身、我が子とふたりっきりの時間がしんどいと思うこともあるのですが; でもだからこそ、幸せな子どもが増えますように、子育てが楽しいと思える環境が増えますように、と願っています。これからも、おとーちゃんさんのブログ楽しみにしています。

megさん

子育てしながら勉強するのはとても大変なことと思います。
でも、実際にお子さんがいらっしゃるというのは保育を学ぶ上でとても大きなアドバンテージです。
どうかがんばってくださいね。

なんか日本では資格取得のための勉強は資格をとるためだけみたいなところがありますが、保育の仕事をする上できちんと勉強しておけば活かせることがたくさんあります。きっと無駄にはならないですよ。

保育士試験は3年間有効期間がありますが、3年あるからと考えるよりも、1年でとるつもりでがんばったほうが取得率は高いと感じます。
どうしてもとりこぼしてしまったのだけ次の年にとればいいしね。

また都道府県によっても、傾向とか向き不向きの違いがありますのでその辺も情報をあつめると取りやすいかもしれませんよ。

まだまだ暑い日が続きますのでお身体にきをつけてくださいね。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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