2017-08

我が家での取り組み  お箸について - 2011.03.30 Wed

前回、3日でほぼ完璧にお箸が使えるようになったと書きました。
誇張ではなくて事実ですよ。
むしろ使うだけなら1日目からそれなりに使っていました。
きちんと使えるようになるのに3日かかったということです。

その理由は簡単です。
当然使いこなせる発達段階まで待ったからです。
排泄の自立のところで、早期教育のところで述べたように、適切な発達段階で行えばよいという理屈と一緒です。



4歳をすぎたくらいのときにわた君用のお箸を買っておきました。(近所に職人さんがいまだに手作りで伝統的なお箸を作っている工房があるのですよ)
「わた君のお箸用意しといたよ、使いたくなったらいつでも使っていいよ」と伝えたけれど、使ってほしいという親の期待を見せること(モチベーション上げ)はあえて行いませんでした。
むしろ、「出来るようになったらでいい、使いたくなければ使わなくていい、食べにくければスプーン・フォークで食べればいい」ということのほうをよりはっきりと伝えたのです。

それから、お箸を自分から使うと言って何度か持ってきて使うことは数回ありましたが、途中で使うのに疲れてしまったり、食べにくければ「別にスプーンだっていいんですよ、自分で考えて決めればいいよ」と投げかけておくと、スプーン・フォークに戻したりしていました。
そんなことは1~2回くらいあったかな、まだ大変だと思ったのかその後ままごとでお箸のまねなんかはときどきしていても、食事のときに使いたいということはありませんでした。

今年の1月になりお正月でいとこのお兄ちゃんたちが使うのに影響されたのか、それからしばらくして自分でお箸を使うとまた持ってきて、その日からだいたい使いこなし「ちゃんとはさんで使えるようになったね、たいしたもんだ~」なんて言っていたら3日目には完璧に使っていました。味噌汁のなめこを箸でつまんで食べられます。

だから5歳1ヶ月で使えるようになったってことだね。
練習(実質1日目から使えてたので、というほどの練習でもないけど)期間は3日、その間子供自身が「できない~;;」とイライラすることも、親が「あ~そんな持ち方じゃないでしょ~」とやきもきすることも全くなし。
「上手だね~」「さすが5さいだわ~」「うまいな~」と認めたり、ほめたりするだけ。
なんの苦労もなかったですよ。

お箸使いを直接教え込まなかったとはいえ、放っておけば誰でもそうなるというのではなくて、「排泄の自立」でも言ったように、その年齢年齢に適した積み重ね(全般的な生活経験)はきちんとあったわけで、それらの積み重ねがきちんとなされれば結果的に排泄でもお箸使いでもついてくるわけなんですね。

まだ能力自体が発展途上なのだから、「トレーニング」したとしても身につく類のものではないということ。


2歳3歳でお箸を使わせなければと思っている人に言わせたら、5歳でようやく箸がつかえるなんておかしいことと感じるかもしれませんが、「子育ての時間制限」で述べたように親の持っている既成概念・先入観をとりはらって考えれば、子育ての多くの事柄は実はあせってクリアする必要のないことばかりで、このお箸のことで考えれば僕は小学校に入ってお箸のみで食事を出来なければ困ってしまうときまでに出来ればいいくらいに思っていたので、そういった面から見れば1年以上も早く達成できたということになります。

もちろん、2歳でも3歳でもきちんとした食事マナーを要求されるところにどうしても子供を連れて行かなければならないという人なら、やらせればいいと思いますよ。それがその子の「時間制限」なのだから。

ただ僕みたいな一般人でとりたててその必要のない人ならば、急いで無理にやらせて出来るように仕込むことはないんじゃないかな。


2歳からお箸使いを教え込まれているのに、5歳になってもちっともまともにお箸を使えない子とかごまんと見かけます。
そういうのを見るにつけ「もったいないな~」と思ってしまう。

小さいときから親も子もそれに時間と労力を費やしてきたのに、出来るようになったかといえばむしろしかるべきところでは恥ずかしいような持ち方しかできないなんていうのは、ほんともったいない。


食事中座っていられないとか、お菓子ばかりでご飯を食べてくれない・味噌汁やスープを置いとくとわざとこぼして遊んでしまうので悩んでいます なんていっている家庭の食事の様子を見たら、お箸訓練グッズをしっかり食卓においていたとか、前の段階のことが出来ていないのになんでその先のはるかに難しいことをやらせちゃうのかしら?もったいないな~と思わざるをえません。


でもそういう子育てをしてしまう人が多いのもわからないわけじゃないんです。
むしろ、そんなところが「子育ての落としどころ」になっちゃっているんだろうと強く感じます。


多くの人は子供がこの年齢や月齢でどのようなことが出来るようになる、こういうことはまだ出来なくても心配ない、この発達にはどれだけの個人差があるとか漠然とでもあまりわかってはいないでしょう。


子育て経験皆無どころか、対人経験の不足とかマイナスのところからスタートしている人だって現実には少なくありません。

そんななかでも、子供になにかしなくちゃ、きちんとした子に育てなきゃと気負いや、あせりを持っています。
すると、俄然輝いて見えるのは、子供を「よい子」に育ててくれそうななんとかチャレンジの本だったり、日本人の絶対的な美徳であるところの「お箸」を教えることだったり「躾」だったりするのではないでしょうか。

なので子供にどう接していけばいいかわからない人ほど、子供の様子にかかわらずそういった「落としどころ」に惹かれていっているような気がします。

そんなところから多くの子育ての「もったいない」が生まれていると感じます。


僕だったら発達段階にそぐわない、急ぐ必要のないことに子供のモチベーションを使うくらいなら、心を育てることのほうにより多くのモチベーションを高めていきます。

「あなたが優しい子になってくれてとてもうれしいよ」「大事におもちゃを使えてえらいね」「絵本好きなんだね、おとーちゃんも大好きだよ」「自分で作ったご飯はおいしいね」「花をきれいって思えるなんて素敵だね」とか。

お箸やしつけは目に見えるけど、心がどのくらい育っているかは目には見えないから、どうしても目に見えるところを目指してしまうのはわからないでもないんだけどね。でも、もったいない!


むーちゃんメモ:靴下を自分で履くことができるようになり、何度も脱ぎ履きを楽しんでいる。


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● COMMENT ●

No title

こんにちは。今回もいっぱい考えさせられる日記に感謝です。

は~・・・ため息ばかりで読みました。
うちは いかにそぐわない段階で求めていたことか。
箸(エジソンのお箸)、使いたいときに使っていいからね
っというと、好奇心の塊のうちの子、速攻こっちを選び
ギャーギャー言いながら、それにつられ私もギャーギャー怒りながら
今に至ってます。
子供が望んでしていたから、それはそれでいいのですよね!?
それとも、逆にギャーギャーになったら、
更なるギャーギャーを覚悟してでも取り上げるべきだったのでしょうか。

エジソンのお箸は幸いスムーズに使えて
これによって快適な食事をおくれるようになったのですが
お箸以外でも、良く似た状況があります。
例えば着替えとかもね。
今でも(3歳3ヶ月)1人で着替えが出来ません。
途中でギャーギャーになるのがイヤなのと、
わた君のお箸に似て、その時はまだだとも感じていて
ゆっくりスタンスでいます。

どれが正解っていうより、
私がギャーギャー怪獣に変身しなければ
それが正解 なのかもしれませんね笑。

最近赤ちゃんガエリをしてるようで
ギャーギャーちび怪獣にすぐ変身し、
私もつられて怪獣化しています。

話がそれてしまいました。

一度与えたものも、早期だったと感じたら
ごねても引っ込めるべきだと考えますか?
お父ちゃんのアドバイス、お願いします♪

ゆきさん

お箸のことはまあモチベーション上げの一例みたいなもんですから、あんまり気にしなくても大丈夫かとは思いますよ。
お箸を厳しく仕込まれたから将来ぐれてしまったなんてことになるわけじゃないですしね。
子供の心の無理のない範囲でできるなら別にいいのかと思います。

3~4歳くらいって一度戻って再確認の時期でもあります。
さらなる自立のために、その時期に「自分は甘えていいんだ」「ちゃんと受け入れてもらえるんだ」「大事にしてもらっているんだ」そんなことをちょっと赤ちゃんがえりして確かめようとすることがあります。

そこで「なに言ってるのもうお兄さん(お姉さん)でしょ」みたく突っぱねてしまう人は多いのですが、この自分から出しているときにきちんと再確認させてもらうことで、それから安心して一気に成長を遂げることができるようになります。

つっぱねてずるずると引きずるより、「いいんだよ、あなたは大切な私の子供なんだよ」と受け止めてもらった方が成長の近道になるでしょう。
出産ごっこや赤ちゃんごっこをしたり、赤ちゃんのだったときの話をしてあげたりするのもとても子供にとってプラスになります。

>一度与えたものも、早期だったと感じたらごねても引っ込めるべきだと考えますか?

↑これに関しては、その物事、状況、子供の様子・性格によりけりだと思います。
あともう少しというならば、無用な混乱を招くよりそのままいってしまってもいいでしょうし、排泄の自立などデリケート(精神的)な問題であれば一旦戻った方がいいこともあります。

状況に応じてさまざまですが、子育てにも人生にも回り道というものはないです。
失敗してしまったことや間違ってしまったことも無駄ではないので良かれと思うことをしてあげれば結果はあとからついてくるかと思いますよ。

うん、見えない部分を育てたいですね。


お箸の話し、持たせ方のテクニックを期待していた自分がいました(笑)見える部分を気にしてますね~。

私は、体裁屋なところがあり、箸使いとかすごく気になるタイプなんです。でも、子育てをしながら、おとーちゃんのブログを読ませてもらううちにそういうことは、吹けば飛ぶようなものだと、徐々に思えてきてます。

もちろん、所作や礼儀がきちんとしていることに越したことはないし、それを親として望みますが、心がこもってないと、何の意味もありませんね。論語の「人にして仁ならずんば、礼を如何せん」ですね。

そういえば、と言うのも変ですが、私は息子にほかには何も求めないから、思いやりのある優しい子どもになって欲しいという思いを込めて「仁」と名付けたのでした。どうやったら優しい子どもに育てられるか、ずーっと考えていたのですが、それは、情緒教育とばかりにリトミックやらピアノやら、武道を習わせることではなく、母親である私が、毎日丁寧に優しさを持って接する日々の積み重ねなんだろうなと、おとーちゃんのおかげで答えにたどり着けた気がします。ほんと、バイブルだわ~。ありがとうございます。


No title

初めてコメントします。
毎回とても共感しながら読んでいます。
が、今回のお箸の記事には少しドキっとしました。
2歳半(男)の我が子はもうお箸を使っているからです。
大人と同じように使いこなす、まではいきませんが、
小さな豆なども普通につかめますし、食事はお箸をメインに
使っています。

親がすすめたわけではありません。
うるさいくらいに使いたがるので子供用のものを与えました。
毎食フォークやスプーンと一緒に用意していました。
(好きなように使ってくださいと)
気が向いた時だけ一人で練習してました。
親が教えたことは一度もありませんしもちろん出来ないから
怒るということもしてません。
が、偶然お箸でつかめた時は過剰に褒めたかもしれません。
でもそれは、純粋に感動したからで、褒めて上達させようというような
下心はありませんでした。

うちの子は自分の身の回りのことは割と早くから出来るようです。
靴を履いたり、着替えとか、ボタンも早くから出来るようになりましたし、最近オムツもとれました。
しっかりしてると言われる事が多く周囲からは自立しているように
見えるそうです。
でも、心は自立できてないというか…、精神面が弱いというか・・・、
漠然としすぎてると思いますが社会に出ていく力が弱いような気がします。
まあ、まだ2歳半だから、と言われればその通りなのですが。

なんというか、生活面や運動、遊びの発達と精神面での
発達にギャップがあるのが少し気になります。

なんだかまとまりのない文章になってしまいすみません。
毎回興味深い記事ばかりで楽しみにしています。
何度も読み返したくなるものばかりです。

ここは、私にとって、
肩の力を抜いて深呼吸し、立ち止まってゆっくり考えて、
時には振り返り、そしてまた歩き出す、そんな場所です。

kyomiuさん

本当に子供には優しさをしっかりと持たせてあげたいものです。
優しさっていうのは人間の根元のところにあるものだから、やっぱりあげられるとしたら親からなんだと僕も思います。
仁っていう名前はとても素敵ですね。
最近では「仁」という字が「優しさ」を意味する言葉というのを知らない人が増えてきてしまっているような気がします。

bonbonさん

bonbonさんはじめまして。

子供が自然に身につけていったのならなんの問題もないですよ。人の発達はさまざまだからね。

>でもそれは、純粋に感動したから

こういう関わりはとても大事ですよね。
多くの子供の成長の元になっているのは、こういった大人の共感です。
これからもたくさんしていってあげてくださいね。

>なんというか、生活面や運動、遊びの発達と精神面での発達にギャップがあるのが少し気になります。

こういうことって子供によってはときどきあることです。
生まれ持った性格でそういうこともあるし、育ってきた環境でそうなったということもあるし、あまり気になるようでしたら保健所の発達相談の窓口や3歳児検診などで相談してみるのも手かもしれませんよ。

実際の様子をみているわけではないので、正確なことは言えないかも知れませんが、具体的に気になることを書いてくれれば僕もできるだけは相談になりますよ。



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