2017-10

『こどもの食事について Vol.1』 - 2010.08.17 Tue

1~3歳くらいの子だと、食事に気が向かずぜんぜん食べてくれない、遊び食べになってしまう、座っていられないという話をよく聞きます。

以前にも『偏食について』のところで似たようなことを、

関わり方という観点から書いているのだけど、今回は食事という視点から書いていきたいと思います。

この時期の「食事の習慣がついていない」、というケースはそれ以前の離乳食の頃からの食事のさせかたから食事に向き合えない子にしてしまったということがけっこうあります。


親は一生懸命食べさせようとするんだけど、その過程でこどもを食事に向き合えない子にしてしまうことがあるのね。
だからそうならないためのポイント。







離乳食あげるようになると、食べ物をこぼしたりして汚れるのが嫌と、こぼさせないような食事の与え方をする人がいます。


ある程度つかみ食べが出来る時期になっても、大人がスプーンで口に運んでたべさせるばっかりになってしまうとかね。
気持ちはわかるけど、これをしてると2、3歳になったとき、それはま~見事に食事に向き合えない子になります。
食事がすすまなかったり、ふざけてばっかりになったりね。

そうしちゃったのは親や関わってきた大人なんだけど、大人はそのことに気づいていないからそれ以降の年齢でも叱られちゃったりするんだよね。かわいそうに・・・。叱るならこどもじゃなくて、その相手は自分なのよ・・。


なぜこうなるかというと、それは大人がきれいに食べさせることにこだわるあまり、食事中のこどもの意思を尊重せず自由を奪うことに原因があるのです。

本来、「食べる」という行為はこどもが好むものですが、自由を奪われることはそれ以上に嫌なものです。

このブログの第一回で手のつなぎ方の話をしました。
手首を握られたり自由を奪われるつなぎ方をすることで、こどもは手をつないだり一緒に歩いたりすることを嫌がるようになってしまうというものでした。

食事でもやはり同じなのです。


だから「手づかみ食べ」をしっかりさせてあげましょう。
こどもが遊び食べになってしまって食べ物を散らかすのを容認する必要はありませんが、こどもが自発的に食べる過程でこぼれたり、汚れたりしてしまうのを極端に気にしてはよくありません。

↑は離乳食時期の話ですよ。3歳くらいの子であれば「こぼさないで食べることも大事だよ」と伝えてあげましょう。


「手づかみ食べ」はとても大事なことなのです。
「食べ物を手にもって口に運ぶ」大人にとってはなんでもないことのようですが、離乳食が始まるくらいの赤ちゃんではこの動作もまだままならないのです。

体と神経の発達に従ってだんだんと獲得されていく能力なのです。
そしてこどもというのは獲得した能力を使ってみたいという強い欲求を持つのです。

だから、大人がスプーンで食べさせるばかりの食事になってしまうと、食事はこどもにとって欲求不満の時間となります。
(まだ手づかみで全部の量が食べきれるわけでもないですから、もちろん大人がスプーンで介助してあげることも必要ではあるんですよ。手づかみとスプーンで食べさせることを平行してやってあげましょう。)


また、2歳くらいの食の進みの悪い子に、食材を手に持って食べやすい形状に作ることでぐっと食べがよくなるということもあります。
同様に形状を手で持てるように変えてあげることで、それまで苦手気味だった野菜もよく食べられるようになったりすることも。


離乳食が進んでくると、大人が介助して口にもっていくスプーンをつかんで自分の口に持っていこうとしたりすることも出てきます。
これも手づかみからさらに一歩進んだ獲得能力です。(しかし、かといってすぐにスプーンに移行する必要があるわけではありませんよ)


だんだんと時期をみて少しずつスプーンを取り入れていってもいいと思いますが、早期にスプーンや箸が使わせることが必ずしもいいことではないのです。

スプーンや箸を使えることは目に見える部分なので大人はこれを教え込もうとしてしまいがちですが、このことも食事を楽しい時間から難行苦行に変えてしまいます。食事習慣がつかない一つの原因となります。

当然個人差はありますが、スプーンを使いたがる(そして使える)年齢になったとしても、けっこうスプーンで全ての食事をできるようになるのはかなり高度なことなので、手づかみが出たりします。

そんなとき、スプーンで食べるように指導しなくてもいいんです。
手づかみでそのまま食べさせてあげましょう。
だいたい、3歳になるくらいまではそういうスプーンを使いながらも手づかみも出てしまうという状態でいいと思います。

手づかみ食べを早期にやめさせられた子は、その後食事に向き合うことがつらくなってしまいます。

スプーンがうまくなくてもいい。最も食事で大切なことは、自分で喜んで食べようとすること。
そしておいしいと食事を楽しく感じること。

このこと↑ができなければスプーンや箸がうまくつかえることなど瑣末なことです。



能力が未熟なうちに上手につかわせることは大変なことですが、十分身体と神経が育っていればほとんど努力せずに出来るようになることでしかありません。



1歳を過ぎてこどももスプーンを持つようになったとき、スプーンを2つ用意することも大切なことです。
1つはこどもが自分で持つ用、もう一つは介助用です。

たったこれだけのことですが、スプーンが1つしかないと大人が食べさせようとしたときに、こどもからスプーンを奪うことになってしまいます。
これは上で述べた「自由を奪う」ことになります。

こどもはスプーンでまだうまく食べられない時期だとしても、それは持っていたいのです。

いちいち介助のたびに取り上げていては、やはり食事に向き合うことが楽しくなくなってしまいかねません。

この2つのスプーンを用意して食事を介助していくことを「ツースプーン」と呼んでいます。

まだ介助は必要な時期だけど、こどもの自分から食べようという意欲を削がないように、こども自身が使える用のスプーンを確保しておいてあげるのです。


ある認証保育所で実際に会った話です。
(認証保育所とは営利を目的として、福祉法人以外でも設置できる駅前型保育所のことです)

その施設では「ツースプーン」という食事介助の用語は知っていたのだけど、具体的にどういうことか知っている人はいなかったようでした。

こどもに効率よく食事を食べさせる方法と思ってこどもにはスプーンを持たせず、2つ目のスプーンに次に口に運ぶ食べ物をあらかじめ用意して、次々に食事を口に運べるよう載せておくものとして使っていました。
そしてどんどんと食べさせていたのですね。

「ツースプーン」の本来の意味が全く逆に使われていたわけです。

これではこどもに良い食習慣をつけることは難しいですね。



食事介助の様子をみればその保育施設がどの程度の保育レベルにあるか、一目瞭然です。
低年齢の子ほど生活の中での食事の占めるウエイトは大きくなります。

保育園ではこどもの育ちをより良いものにしようと、食事の部分にはたくさんの時間を割いて話し合ったり、カリキュラムを立てているんですよ。
それだけ食事の習慣を確立させることは育ち全体の中で重要なことだからです。

今日はここまで、また次回に続きます。


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● COMMENT ●

今ちょうど

こんばんは。
うちは最近3回食になって、手づかみ食べを始めました^^*
私の職場は高齢者の福祉施設なんですが、やっぱり食事介助風景を見るとレベルがわかるので、介護士さん達への指導は気合入ります。(管栄してます)
食べるって生活の基本の大事なことですもんね。

ところで、近々おもちゃ購入を検討しているのですが、そのことについてブログに書くに当たって、こちらのブログを紹介&リンクさせて頂きました。事後報告ですみません。今後ともよろしくお願い致します・・記事楽しみにしています。

あと(話がコロコロ変わってごめんなさい)、以前書いていらした「関根さん笑い」、やっていたら子供が真似するようになりました!ビックリ!
親の贔屓目でそう見えるだけかも?とも思いますが^^;

ではでは、長くなってすみません~。

ずんさん


> 私の職場は高齢者の福祉施設なんですが、やっぱり食事介助風景を見るとレベルがわかるので、介護士さん達への指導は気合入ります。(管栄してます)
> 食べるって生活の基本の大事なことですもんね。

そうでしたか、高齢者施設でもやはり同じですよね。
食が大切にされないのはその人が大切にされないのと同じことになってしまいますものね。


> ところで、近々おもちゃ購入を検討しているのですが、そのことについてブログに書くに当たって、こちらのブログを紹介&リンクさせて頂きました。事後報告ですみません。今後ともよろしくお願い致します・・記事楽しみにしています。

はい、了解です。このあとさっそくのぞきにいきますね~。

> あと(話がコロコロ変わってごめんなさい)、以前書いていらした「関根さん笑い」、やっていたら子供が真似するようになりました!ビックリ!
> 親の贔屓目でそう見えるだけかも?とも思いますが^^;

そうなんですよ、あれ実はやっているとこどもも返してくれるようになるんです。
「いいお顔して~」っていうと、目を細めて鼻にしわをよせて「フンフンフン」って笑い返してくれるようになります。
「顔コミュニケーション」ですね。
こういうのができるって乳児の育ちの上で、とてもいいことです。
小さいうちは、意外にもコミュニケーションの言ったりきたりというキャッチボールは実はそれほどたくさんできません。
しかし、こういった「顔コミュニケーション」などで「あ~この人は自分の伝えたいこと理解してくれるんだ!」ってこどもがしっかり感じられます。

基本的信頼感を形成する上で、とってもいいことなんですよ。
これからもたくさんやって楽しんでね。

No title

我が家では下の子(1歳半)がとっても意欲的に手づかみで食事をしてくれています!
食べたいように食べさせてあげよう!っていう気持ちと、汚さないで~っていう思いと、いつも格闘しながら・・・
出来ないのに自分でやりたがる・・・って思ってしまうけれど、出来ないから練習しなきゃいけないんですよねー。。
反省&勉強になりました!!!
そして、保育園で給食を食べている様子、ますます見てみたくなりました!
幼稚園では授業参観などもあるみたいなんですけど、保育園って全然ないので、子供がどんな風に過ごしているのかさ~っぱり分からないんですよね。。
先生方がどんな風に対応してくださってるのか興味があるのはもちろんだけど、家では食べない野菜をどうやって食べてるのか、ものすごく見てみたい!!!

hanemama さん

> 我が家では下の子(1歳半)がとっても意欲的に手づかみで食事をしてくれています!
> 食べたいように食べさせてあげよう!っていう気持ちと、汚さないで~っていう思いと、いつも格闘しながら・・・
> 出来ないのに自分でやりたがる・・・って思ってしまうけれど、出来ないから練習しなきゃいけないんですよねー。

そうそう、出来ないからこそやらせてあげなきゃなんだよね。
その意欲を尊重してあげるのとあげないのでは、単に食事だけに留まらず、1年2年後の性格まで違うものになるほどの差があると思うのですよ。


> そして、保育園で給食を食べている様子、ますます見てみたくなりました!
> 幼稚園では授業参観などもあるみたいなんですけど、保育園って全然ないので、子供がどんな風に過ごしているのかさ~っぱり分からないんですよね。。
> 先生方がどんな風に対応してくださってるのか興味があるのはもちろんだけど、家では食べない野菜をどうやって食べてるのか、ものすごく見てみたい!!!


あら、保育参観とかないのか~。
認可園とかであれば普通はあると思うのだけど、もしかして認証保育所とか共同保育所とかなのかな?

園でのこどもの様子をご家庭の人に見てもらうことって、こどもにも園にも保護者にもみんなにメリットのあることなんですよ。
保育の様子見せてもらえないんですか?とか聞いたらどうかな。

施設の規模・人員配置などによっては受け入れにくい場合もあるので、そういうところならばしょうがないけどね。

こどもって家の外ではこどもなりにがんばっているから、きっと家とは違った姿がみられると思いますよ。
もし、見せてもらえるのならば「保育参加」ではなくて「参観」を希望するといいと思います。

あんまり知識のない保育施設だと「参加」にしたがる傾向があるのだけど、3歳未満くらいの子であれば「参観」でこっそり見させてもらわないと、普段の様子にならないんだよね。

僕も先日、息子の保育参加にいってきました。もう4歳児クラスなので参加です。
息子の遊びに参加するというよりも、お友達の相手をたくさんしてきちゃいました。(笑)

手づかみ

息子は2スプーンにしても自分で食べようって雰囲気ではなく、色々叩いたりお皿の中身をバシャバシャするだけです。
つかみ食べも気持ち悪いようで嫌がります。
ハイハインとかは自分で食べますが。
今までちゃんとつかみ食べさせてあげなかったからだとかなり反省です。
前回相談に乗ってもらったにもかかわらず、またも椅子に座って食べれなくなってます(泣)
息子が悪いわけじゃなく、確実に私の甘さなのは分かっています。
また頑張ります。

そういえばうちの息子も関根笑いするようになってるような…。

まめさん

子育てのこういう部分ってけっこう、というか相当根気がいるからね。

長い目で見て出来るようになればいいんだけから、あせったり較べたりすると余計疲れちゃうから、
のんびりいくのがいいよ~。

凄いですね

遊び食べさせてたけど4歳になったら悪化した家の場合も親のせいなんでしょうかねー?
自分の見えてる世界だけが全てじゃないのですよかえるさん
あー気分悪い駄文読んだ

初めまして。
最近こちらのブログを見つけ時間があれば読んでおります。とても深い内容で色々参考になっています。
食事についてご相談したいとおもいメールいたします。

1歳1か月の娘がおります。離乳食の食べがあまりよくなく、体重もまだ7.5キロほどしかありません。おっぱいがすきで食事途中飲みたいと泣かれてあげてしまったり、まだ日中も4.5回は欲しがります。なので食べが悪くなったりしているのかもしれません。手づかみたべもさせてはいるのですが、好きなトマト、枝豆、麺類など好きな物しか食べなくて例えばおやきとか豆腐ハンバーグ等手づかみたべのメニューを色々作ってもポイしてしまうのです。なので手づかみで食べそうな物は少しづつもたせてあとはおじやみたいなのを作って私がスプーンで間あいだに食べさせてる感じなのですが、これで手づかみたべさせてると言えますか?10分くらいは座っていられるようにはなったのですが、まだ途中で立ってしまったり遊び始めたりします。そこで食事は切り上げるようにはしますが、あまり食べてないときはまた座らせては食べさせてる状態なのですが。こんな状態で2.3歳になった時食事とちゃんと向き合える子になるんでしょうか?離乳食始まってからずっと食事の事で悩んでいるのでアドバイスしていただけると有難いです。
食事のブログ拝見しておりまして、小さい頃の習慣が大事だったり、手づかみたべの大切さだったりとても納得させられることばかりが書かれているので実践していけるところは行こうと思います。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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