2017-08

『犬・猫・ペットになりたがるこども達』 - 2010.07.11 Sun

犬・猫・ペットになりたがるこども達とは、ごっこ遊びのことではありません。
まあ、ごっこ遊びに仮託して、こうなろうとする事もおおいのですが・・。


ごっこ遊びは3歳くらいから、自分の経験を真似て遊ぶこのごっこ遊びというものが盛んになってきます。

ままごとやお医者さんごっこなどです。


これが4~5歳くらいになると、さらに発展してきてままごとでも、ただ料理を作ったりするだけでなく、お母さんや、お父さん、こどもなど役割を演じて遊ぶ「役割遊び」というものができるようになります。


ところが、最近こういった役割遊びがうまくいかないことも多くなっています。

テーマに書いたように、犬や猫または赤ちゃんなどになってしまう子がいるのです。







別にそれをごっこ遊びとしてやっているのならなにも気にすることはないのだけど、そうではない面もあるんです。

年齢別のクラスでも、こどもの成長発達に1年の開きがあることもあるので、幼い子もいます。そういう子がお母さん・お父さんの役割が演じ切れなくて、赤ちゃんなどのなることはあるのだけど、むしろ月齢が高かったり、しっかりしている女の子などがお母さんなどよりも、ペットになってしまいます。


こういった場合は、おそらく甘えの表われなのだと思います。
もっといえば、「甘え不足の欲求不満の表われ・代償行為」なのでしょう。

「5歳である○○ちゃん」としての自分では、甘えたり・可愛がってもらうことを出すのは恥ずかしい、もしくは出来ない、させてもらえないけれども、もともと可愛がられるものとして存在しているペットや赤ちゃんならば、それを出せるというわけです。


こういう傾向は、月齢が高い(4~5月生まれ)とか体が大きいとか利発でしっかりしているなど、そういった子に多く見られます。

また、男の子に較べてしっかりするように見えるのが早いために女の子にも多くなりがちです。

それから下に弟・妹が出来てしまうなどとも関係があるかもしれません。



そういった代償行為などで折り合いがつく程度ならばいいけれども、なかには本当に甘えや・愛情の実感という経験が少なすぎて、育ちに影響がでることもあります。


「育てなおし」というのを聞いたことはないでしょうか?
お茶の水女子大学大学院発達臨床心理学コース教授の井原成男氏などが有名ですが、幼児期の愛情行動などを大人になってからでも再現することで、精神の安定や社会生活と向き合えるようにするものです。


実際に20歳をすぎた人がおむつをして、それを換えてもらったり、哺乳瓶でミルクを作って飲ませてもらったりすることもあるそうです。


ちょっとビックリしてしまいますが、僕は上で述べたようにペット行動をする5歳児など見ているので、なるほどそういう必要がでてくる大人もいるだろうと素直に納得できます。


「育てなおし」は極端な例かもしれませんが、幼児期の愛情形成が健全にできていないと大きくなってからも、物事に前向きに慣れなかったり、アルコールや薬物などに依存的になったりすることがあります。

また、愛情的なものをもとめるために異性関係が派手になったりということもあります。





上で述べたようなペット的行動をする5歳児なども、家庭ではそういうことを見せないことも多いです。

なぜなら家では親が「お姉さん」や「お兄さん」「出来る子」であることを期待されているので、一生懸命その期待に応えようとするからです。


だから、家では見せませんが外で代償行為としてペットになったり、赤ちゃんになったりして満たそうとするわけです。


しかし、程度にもよりますがなかなかその程度の代償行為では満たせないこともあります。
すると、食欲をその代償行為として肥満児になったり、他者に意地悪をすることで満たそうとしたりします。
いわゆる『いじめ』なんかもそういったところに原因があるものも多いのではないでしょうか。


僕はこういう行動にあったとき、ペットになって甘えようとしてくる子に「そんなことしなくてもいいんだよ」と伝え、「普通に甘えていいんだよ」と受け止めてあげます。


以前ブログのどこかでも書きましたが、「甘え方を教える」ということをします。


そしてその時だけでなく、普段から受け止めてあげたり見守ってあげることで、だんだんと自分に自身をもって遊びに取り組めるようになっていきます。
この場合なら、ペットや赤ちゃんでなく「お母さん」や「お父さん」を演じて遊ぶことができるようになっていきます。


でも、本当に求めているのは親にそれをしてもらうことなんだよね。

保育士である僕が1時間かかってすることが、その子の親がすれば5~10分でできます。
なぜなら、それが本当にその子の求めていることだから。


親がこどもの話を聞いてあげるとか、まっすぐ向き合って遊んであげるとか、絵本をひざに乗せて読んであげるとか、そんなことでその子の甘えたい、大切にされていると実感したいという気持ちを満たしてあげることが出来ます。


そういうことはいくら甘いお菓子をあげたって、高価なおもちゃを買ってあげたって満たすことはできないものなんですよね。

向き合って見て上げることなんだと思います。


赤ちゃんが「いないないばー」が楽しいのは、目と目が合うからなんだよね。
大好きなお母さんお父さんが見えなくなった、不安な状況から解放されて、目と目があって安心できるから楽しく笑えるんだね。


こどもがしっかりしてきたり、大きくなるとそういうことを大人からしてもらえなくなってしまいます。

そこで大人に見てもらうために、ネガティブ行動をしたり、とっぴなことをするのだけど、叱られたり、怒られたりして逆効果になってしまったり・・。

しょうがないからペットになって甘えを感じたくなったり・・。



だから僕はこどもの育ちの上で、しっかりしていて「出来る子」であるよりも、満たされていて情緒が安定していることを重視します。

結果的には幼くみえてしっかり甘えてきた(甘えさせてもらえた)子の方が、問題なく成長していくからです。


そういう意味でも、へたに早期教育などするよりもしっかり親子の時間を過ごしてきた子のほうが、あとから見れば伸びていくと思います。
実際に、「お勉強」に行っていて言葉や受け応えは上手だし、しっかりしているように見えるけど、親のいないところでは荒れまくっている子などたくさんみていますし・・。



こどもが甘えるというのは自立を妨げているのではなくて、実は自立するために必要なことなんだよね。

家でしっかり甘えて愛情をもらっとかないと、外でお兄さん・お姉さんになることってできなくなっちゃうみたいです。


最後に、「甘えさせる」のと「甘やかす」というのはまったく別のことなので間違えないように気をつけてくださいね。


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● COMMENT ●

No title

ペットになってしまう・・・。
何も知らずにその行動を見るとなんとも思わないのかもしれないけれど、やはりそれにも原因があるのですね。

育てなおし、本か何かで見た事があります。
信じられないけれど、それで精神的に安定できたりするということはやはり小さいころから、しっかり甘えさせてあげないといけないのですね。

最近、特に甘やかしと甘えさせることの区別をつけなくては・・・と考えて行動しているのですが、泣かれたりすると混乱してしまいそうになるときがあります。
本当に難しいですね~(^^;;

No title

ちょっと記事を読んでびっくりしました。

ちょうど3歳の息子のお友達が、時々、遊んでいるとき「ぽちって呼んで」って犬の真似をします。おもしろいし、かわいいので周りのママも
「ぽち」とあわせて遊んでいたんですが。。。

そういえば、そのお友達、妹がいます。
甘えが別の形で出てきたのかな?

いっしょに遊ぶより、他の対応をした方がいいのでしょうか??


「甘やかす」「甘えさせる」、難しいですよね。
自分のペースでやっていますが、周りからいろいろと言われると混乱しちゃいますねぇ。。。

No title

確かに、最近の家族ごっこ(役割遊び)では、
お母さん、お父さんの人気はあまりありません。
人気があるのは、お姉さんと赤ちゃんとペットです。
たまに、お母さんもお父さんもおらず、
お姉ちゃんとお兄ちゃんと赤ちゃんとペットという
時もあります。
5歳児にとってお母さんやお父さんが
魅力的であこがれの対象でなくなってきているのでしょうか?

さっちんさん

だんだん自我が強くなってきてる時期だものね。

そうだね~泣かれると困っちゃうしね~。
でも泣きに負けちゃダメよ。がんばてね~

sachi さん

> ちょっと記事を読んでびっくりしました。
>
> ちょうど3歳の息子のお友達が、時々、遊んでいるとき「ぽちって呼んで」って犬の真似をします。おもしろいし、かわいいので周りのママも
> 「ぽち」とあわせて遊んでいたんですが。。。

> そういえば、そのお友達、妹がいます。
> 甘えが別の形で出てきたのかな?

そっか~じゃあ確かに甘えを出したかったのかもしれないね。
自分本人としては友達のお母さんに甘えることってしにくいけど、犬としてなら甘えられるものね。

妹ができてお母さんに思い通りに甘えられない分、自分なりにそういう形でだしてるのかも。
こどもってほんと健気だね。


> いっしょに遊ぶより、他の対応をした方がいいのでしょうか??

とりたてて他の部分で、問題行動(例えば、ほかの子にちょっかいを出したり、叩いたり、指しゃぶりや爪噛み、イライラなど)がなければ、特に他の対応をするまでもないかと思います。

ペットごっこをすることでバランスを取ろうとしているのでしょう。
友達のお母さんという立場であるなら、ペットごっこしているときに、たくさん可愛がってあげるとかでもいいんじゃないかな。
もちろん、ペット化していないときに大人の側から関わっても(くすぐったり、スキンシップ的なものだとなおいいかな)いいと思いますよ。

下に弟妹ができると、どうしても甘え満足度がさがっちゃうものだからね~。


みちしずさん

> 確かに、最近の家族ごっこ(役割遊び)では、
> お母さん、お父さんの人気はあまりありません。
> 人気があるのは、お姉さんと赤ちゃんとペットです。
> たまに、お母さんもお父さんもおらず、
> お姉ちゃんとお兄ちゃんと赤ちゃんとペットという
> 時もあります。
> 5歳児にとってお母さんやお父さんが
> 魅力的であこがれの対象でなくなってきているのでしょうか?


そうですね。
文中では書かなかったけれども、確かにお父さん・お母さんになること自体が減っていますね。

昔とは家族の形態とか、家庭のあり方とか多様化してきたり、関わり方なんかも変化してきて
どうもごっこの対象になりにくいのかもしれませんね。


そういえば、いま多くの子が大人を真似るとするのが、携帯電話にメール。
ごはんを作ったり、赤ちゃんの世話をする姿よりもそういった情景のほうが多くなってきているのかな~


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