2017-11

テレビゲームに子供を向かわせる本当の理由 - 2017.08.26 Sat

子供とテレビゲームの問題を指摘するもののほとんどが、切り口はさまざまにしてもテレビゲームそのものか、そこから派生する子供の問題に着目したものです。


さまざまな議論や視点があるのだけど、一点だけどうにも見過ごされているところがあり、むしろそこが実のところ目に見えない大きな原因になっていると僕には感じられるところがあります。

今回はそれについて述べたいと思います。





多くの親が、子供がゲームにはまってしまうことを問題視していて、そこから悩んだりしています。

中には、ゲーム機を壊してしまうとか、そういう過激な対応に行き着いてしまう人もおります。

おそらくそういった人からは、その問題の原因は、ゲームというモノそのものか、子供の態度・行動にあると見えていることでしょう。



しかし、実際の少なからぬケースにおいて、子供をゲームにはまらせてしまう、ときに依存させてしまう原因のひとつに、「親の問題」があります。

そして残念なことに、当の親はそれに気づいていないので、つねに子供やゲーム機が悪者になってしまいます。



では、その親の側の問題とはなんでしょうか?

それは、親の「過保護・過干渉」です。

子供たちは、親の特に「過干渉」の影響からの「逃避」として、ゲームの世界にはまり込みます。


全部が全部そうとはいいません。

しかし、ゲームへのはまり具合、悪影響、依存などが深刻なものほど、親の関わり方における過干渉の度合いが強い傾向があります。



現代の子供は、親からの過干渉の度合いがとても強くなっています。

・きょうだいの減少(子供ひとりに対する親の関わりが必然的に過度になる)
・家庭外の場の減少(逃げ場になるところがない)
・教育、習い事などの加熱
・緊密化する母子関係(密室育児)

など、その親個人の性格などといったものの前に、すでに構造的なレベルで過干渉になりやすい諸条件が整っています。

そこに、親の世代自身もすでに過保護・過干渉で育てられてきたという、生育歴からの経緯の問題もあります。



過干渉も程度の問題ではあります。

現在は、子育てのデフォルトの状態がすでに過干渉と言えますから、多少の過干渉であればまあ許容範囲なのですが、ブレーキをかけることもなく、無自覚に「子供のため」という気持ちから過干渉が過剰になるケースは少なくありません。




子供は、その自分への干渉が、「親の真心ゆえの自分のため」と理解していてすら、それが過剰な負担・負荷・ストレスとなることは少なくありません。

それがさらに感情的だったり、否定的な形での過干渉、支配的な干渉ともなれば、なおさらのことです。


そうやって、慢性的に過干渉の負荷をかけられている子のかたわらにゲーム機があれば、そのゲームに集中し現実から逃避するようになるのは、まず確実といっていいでしょう。
その状況で、そのようにならないことの方があり得ないほどです。




さて、ではその親からの過干渉により、ゲームに逃避せざるを得なくなっている子に、例えば「ゲームは一日○時間とお約束したよね!なんであなたは守らないの!」といったさらなる否定での方向の過干渉による負荷をかけたとしたらどうでしょう。

より、ゲームに逃避したくなる理由を親が進んで与えているといっても過言ではありません。


この「逃避」としての理由が顕著な子であれば、子供をゲームに追い込んでいるのは当のその親本人なのです。

つまり、子供は親自身の問題を代わりに自分が怒られたり、否定されることで引き受けなければなりません。



ゲームを注意されて、キレたり、暴力的になるといったことをしばしば聴きます。

それを、「ゲームが子供の脳に与える影響である」などともっともらしい説明をするものもありますが、おそらく多くのケースにとってはそれよりも圧倒的に普段からの過干渉のストレスに耐え続けていることが大きな原因になっているはずです。

そのイライラや暴力で出てしまう子供が、忌憚なく意見が言えて、そのボキャブラリーがあったとしたら、おそらくその心からの叫びはこういうメッセージになっていることでしょう。

「あなたの否定的な干渉によって、自分はゲームに逃避することでなんとか自我を保たなければならないところに追い込まれているのです。一刻も早くそのご自分の行為を自覚して、それを改善して下さい。そしてそのご自分の問題を私のせいにするのをやめて下さい」




「過剰な過干渉」
言葉として変ですが、そうとしか表現しようのない事態が、現代の子育てでは普通に引き起こされています。


現代の子がゲーム機にはまる理由はさまざまですが、この過干渉の問題を認識しなければ、正しくそれを理解することも、適切な対応をすることも難しいことでしょう。


この「親の過干渉」とゲームの関係に言及しているものがほとんどないようなので、僕がここで指摘しておきたいと思います。


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● COMMENT ●

解決策を…。

問題点の指摘は誰でもできます。それに対する解決策を示さないと、「だから?」って感じになりますよ。

あと、いつも文章が長い…。

Re: 解決策を…。

> 問題点の指摘は誰でもできます。それに対する解決策を示さないと、「だから?」って感じになりますよ。
>
> あと、いつも文章が長い…。


解決策がご覧になりたければ、
「過保護・過干渉」カテゴリの記事だけでも現時点で44記事
それにプラス「心の育て方」カテゴリの記事91記事もどうぞ。

全部長いですけど。

この記事の通りだとわたしも思います。
ゲームに逃避したり、ヘッドホンで音楽を聴いたりしていると親からの過干渉な言動を聞かなかったフリが出来るので非常に楽だと感じる時があります。
過干渉に耐えることはない、我慢することはしなくて良いのだろうけど、子どもはそんなこと出来はしない。親を否定なんて出来ないから。だから現実逃避するしかなくなる。

ブログなので自由に進めてほしい
もし整理されたものを望なら書籍を待てば良いのでは
大人社会でも過干渉が多く、問題は根深いですね

先週、父が亡くなりました。5月に胃がんの手術をして1年とか2年とかいう話が、本人自身体調悪化の自覚なく、ものの数日で亡くなりました。
1年後でも同じ事ですが、いわゆる機能不全家庭でした。実家はもう父一人でした。どうしても私には自分で自分を貶める鎖をどうにかできずに年をとってしまい、本当は生活も精神ももうとても折半詰まった状態でした。父への愛情は全くなくて、失った悲しみより父が万が一の保険みたいなものでそれがなくなったことと実家が無くなることが恐怖になってしまっています。
現夫も、残されたたった1人の兄妹となった次兄も、モラハラ加害者体質で、全く頼れないどころか、兄は相続が逃げられないことなので執拗に理不尽に恫喝してきます。怒りながらそれが快楽なようで表情は笑っているんです。私は昨日アパートへ帰ってきて、夫とは少し話しただけです。兄には参った、と弱みを見せたから食いつかれただけでした。
私1人なので、子どもには頑張らせてしまっていて便秘になってしまいました。DVDにも頼ってしまいました。あまり寝ないで変な興奮状態だと思います。片道も休憩なしで早くて2時間弱ですし。

子どもには、怒ると余計に自分がイライラするだけだから、先生に教わったことを心がけているつもりです。もちろん?怒ってしまう時はありますが「否定」や「支配」の感情を自分の中に作らないようにするとイライラも減るのだと感じます。(=何度も言ってるのに通じない!笑っていて腹が立つ!という、恐ろしい感情。これはやはり私の育ちでしょう。行く末は恐怖政治と同じだと思います)

兄は完全にモラハラ加害者の人格で、娘小2にも、うちの子にも、右を向いても左を向いてもキレて怒鳴ってくるような状態です。娘はその影響でしょう、うちの子がずっとくっついてますが「ダメダメダメ、ダメダメダメ」とずっと言います。私が嫌だから、やめて、と何度か言ったけど他の表現をもう既に知らないんですね…。

長々とすみません。
兄は私に「てめーは怒らねえで!しつけもできやしねえんだ!」と怒鳴りました。(娘にも言うこと聞かねえとすぐキレて怒鳴ってます)
子どもについては、7月にセミナーがあって本当に良かったと思いました。無かったとしても「本当に私はダメだ」とは思いませんでしたが、子どもの状態に対して悪い見方にならず、「肯定的」とうことを具体的に念頭におけるようになったからです。
(その準備中に父とコンタクトを取ると行動できないくらい病むかもしれないと思い、私からは連絡しなかったから、少し色々と後悔もしましたが)

・・・セミナーがあって良かったとお礼をしたいのか、自分語りしたいのか混じってしまってすみません。

だから?だの、解決策を示せだの、
自分で考えるということを知らないのかな。
学校のレポートや書籍だったらそのような指摘もありなんでしょうけど。ブログですからね。
問題提起だけでも充分意義があると思います。
(解決策は過去記事にたくさん載せてくださってますが)
考えるきっかけや気付きの機会をもらえるのは、私にとっては本当にありがたいです。
つい支配的になってしまう自分はなかなか直せませんが(^^;

参考になります

ブログや書籍、講演会で勉強させていただいてます。
今回の記事、とっても参考になりました!
息子は6歳と1歳、まだゲームはしませんが、いつか持つかもしれないので気をつけます。

普段は私も息子達もニコニコ穏やかなのですが、急いでいるときや生意気な態度を取られたときなど、私がブチ切れて、モラハラのようになってしまいます。
仕事のとき(保育士パート)や家族や友人など外では、私は絶対怒らないし穏やかにしているので、密室育児のとき息子達にだけ怒ってしまい、弱いものイジメをしているような感じになってしまいます。

保育士向けの書籍もいつか出版されたら嬉しいです!
「うるさーーーい!早く昼寝しろーーーー!園長に叱ってもらうよ!」「鬼が来るよ」「こういう子達には何言ってもわからんわ!」の職員ばかりの児童デイで働いているので、おとーちゃんの考え方の保育園で働きたいです(>_<)






過干渉気味になると、4歳の娘に、お母さんのこういうところが嫌、とはっきり言われ、ハッとします。
娘が我慢してくれているところもたくさんあり、自覚して減らしていきたいです。

ブログ記事は、できる限りわかりやすく、誤解がないように伝えたいという誠意がある文章で、全く長いと思いません。





そうなんですよね

私の夫も、母親が過干渉、支配的な関わりをする人だったので、ゲームを敵視し、度々ゲーム機を破壊されたそうです。
その割には「親に感謝しなさい」と言うのですが、子供から見たら「お父さんが働いたお金で買ったゲーム機を、自分の気分で壊したくせに何言ってるの?そもそもあなた達夫婦はお互いに感謝しているの?」と冷めた目で見ていたそうです。
男の人って仕事を終えて家に帰ると、仕事モードからワンクッション置くためにスマホなどでゲームをやって気分転換して、それから家族と向き合う人が多いように思います。
夫もそんな感じなのかな、と思って見守っていると、年少の娘は「何やってるの?」と覗き込んで、「この女の子可愛い」「これかっこいい」とか言いながら2人でゲームをしています。
これも父と娘のコミュニケーションの取り方なんだなぁ、と微笑ましく眺めています。
そう余裕のある接し方をしていると、思いの外早くゲームを切り上げて、夫も娘も私に構ってくれるので、ゲームも使い方によってはとてもありがたいな、と感じたりします。
現実逃避の対象ではありますが、それがきっかけでプログラミングに興味を持ちそれを職業にしたり、ゲーム会社に就職して開発、という友人を多数持つ私なので、ゲームをそんなに敵視しないで、子供の将来って何に繋がるか分からないよ、と思います。

子供の頃の一時期、かなりのゲーム廃人でした。なのでゲームが逃避行動だというのはよく分かります。

私の場合は過干渉だけでなく淋しさからの逃避だったと思います。

当時は両親が仕事でおらず、頼みの祖母は認知症で次第に奇行が目立ち話が通じなくなってくる、両親が帰って来れば私を見せしめとして吊し上げて弟妹を教育するという感じで、しかも学校ではいじめられていて、登校から下校まで、話し掛けても誰も口を聞いてくれないという状況でした。

ゲームは、弟妹に独占されてしまい両親からも私だけゲームをしないように強く言い付けられたので、そのうち出来なくなりました。それから私の逃避先は読書や描画や勉強に移りました。

描画や勉強に打ち込む姿を見て大人達は喜びましたし変に期待をかけて来る様になりましたが、私は根本的には読書はともかく別に絵を描くのも勉強するのも特別好きではなかったし才能も無いので(でも当時は好きだし才能もあると信じていたというか自分に言い聞かせていました)、余暇の大半を費やしている絵と勉強を通して大人達からのあまりに過重な干渉を受けて心を蝕まれていってしまいました。

結局高校三年の受験勉強で大事な時期に心がボキッと折れてしまい、以降何を勉強しても頭に入らず、ペンを持ち白い紙を前にしても何も描けなくなってしまいました。大人達からはあっさり見限られたようで理不尽の極みです。

ゲームでも何でも好きだからのめり込んでるならまだしも、何かから逃げる為にしているのは危険ですね。ゲームの様に一方的に悪だと決め付けて逃避先を奪うのも酷いですが、勉強や趣味など一見良いことにハマっているところへ、よかれと思って当の逃避の原因になってる大人がずかずかと領土侵犯に乗り込んでいくのも相当問題です。


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