2017-11

親のタイプから考える子育ての形 vol.7 「いいなり型」からの脱出3 - 2017.07.16 Sun

さらに、つづき。

「いいなり型」になってしまっている人に、「いいなりになるのをやめましょう」といって簡単にやめられるでしょうか?

たいていの場合は無理です。
そこに力を入れたとしても、そのときだけで長続きしなかったり、もしくは大人の方が不機嫌さをまとった対応になりそこから子供の姿が難しくなったり、怒る、叱るということでの押さえつけ、無視や疎外を引き起こすケースもあります。





実は、「いいなり」のその背景には、子供に関わる際の「自信のなさ」といったものがあります。
ここに手を当てていく必要があるわけですね。

子供に大人の方から積極的に関わることによって、この部分を乗り越えやすくしていくことができます。





前回の終わりに述べたこと、

>「大人から積極的に関わること」がもたらすものにはもう一つの側面があります。


「大人から積極的に関わること」により、その大人に私はこの子に「これだけ関わっている」という事実を与えます。
それを意識することができれば、自信を生みます。

どんな自信かというと・・・・・・



例えば、前回の「絵本読んでー」と持ってきたけど無理な状況で「いまは読めないよ」といった、子供の要求に対するNOを提示しなければならないときの親が自分に向ける自信です。


「私はこれまでこれだけ子供に積極的に向き合った。だからいまはできないと言って大丈夫!」
この自信です。


これがないと、もともといいなりになりやすい傾向を持っている人は、
「子供がぐずっている、どうしよう・・・・・・」という不安な気持ち、心配な気持ちをぬぐい去れず、子供のいいなりの行動をとってしまう心理を乗り越えられません。

実際にはいいなりにならなかったとしても、この大人の心の動きが「どうしよう・・・」という揺らいだものになってしまえば、子供はそこに精神的な依存をしてしまうので、子供のぐずりや大人を振り回す関わりはエスカレートして歯止めをかけられません。



ここに関しては、大人の気持ちの持ち方の問題になってきます。

しかし、「子供に対して毅然としましょう!」、「子供の泣きやぐずりに負けない気持ちを持ちましょう!」と、言われたり気にかけたからといってそれができるわけではありませんよね。
それができるならば、そもそも「いいなり型」の子育てが継続してはいないわけです。

ですから、大人がまず積極的に子供に互いに心地よい方法で関わり、そこを意識することでいいなりになってしまうときの自信を作っていくといいのではないでしょうか。




現代の大人の在り方は、良い悪いではなくてそういった気持ちになってしまう人が多くなっているというところが前提であって、「その人がそうだから悪い」と考えることに意味はないのです。
だから、そういった子育てになってしまう人も、「自分が親としてだらしない」とか「毅然としていなくてなさけない」などの自己否定で考えないで下さい。

それは現代の大人の傾向であって、その人個人が悪いわけではありません。
はっきりと言ってしまえば、これまでの社会状況の在り方や前の世代の子育て観がそれを作ってきたのです。
そういった意味では、前の世代の価値観や子育て・社会のゆがみのツケをいまの子育て世代が、子育てが難しくなるということで代わりに払っているようなものです。



だから、大人の感情論、親としての精神論で僕は「いいなりに負けないようになりなさい」といったことを言いません。
そうではなく、あくまで行動論として組み立てていきます。

そのために、「私からこれだけ関わって、お互いに楽しい時間を過ごせた」という「事実」を作ることを重視するのです。



本当は、これを子供が産まれたときから知っておいてそれをコツコツ積み重ねられていれば、この問題はとりたてて意識することもなく乗り越えられる(いつの間にか知らないうちに乗り越えている)といったことになる可能性が大きいです。

しかし、現代はすでにそれが難しい状況になっているにも関わらず、それを補う社会的な機能が存在していないところに子育ての大きな問題があります。


保健所でも、ベビーマッサージでも、マタニティヨガの教室でもどこでもいいから、僕を妊婦さんや赤ちゃんをお持ちの保護者の方にお話しする講師として呼んでくれないかな~。
日本の子育てをずっとラクにしていってあげることができるのだけど・・・・・・。


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● COMMENT ●

待ちに待った「いいいなりからの脱出」を読めて嬉しいです!

文章の読解力に欠けるので、何度も何度も繰り返し読み、
自分なりに噛み砕いております。

本当に、ただ毎日楽しく過ごしたいだけなのに、
それだけなのに、なぜかただただ普通の生活がままならず...
しんどかったです。

少しずつ、あれこれと試行錯誤しながら、
マシにはなってきています。

自分のしてきたことに自信をもって、
毅然とした態度で接する場面はそうしたいと思います!!
家にいれば安心でエネルギー補給できる場所と思えるようにしたい!
幸せな子供で居させてあげたい❗

その為に、今頑張るぞ!!


おとーちゃんさん!
いつも感謝しています!!!
子供たちの味方でいてあげてください☺

いつも励みになります。

いつも更新楽しみにしています(^_^)

子供の扱いが上手な義母と自分を比較して、いつも自信を喪失しがちな3歳児の母です。

一緒にいる時間、精一杯子育てに向き合いたいとも思うのですが、つい自分のストレスの気分転換のためにスマホを見てしまったりします。
ストレス度合いが高いほどこの傾向になります。

子供を沢山可愛がること、それが自分のストレス発散や癒しになればよいのに、、。

素晴らしいです

はじめまして。おとーちゃんさんのブログは、今まで読んだどの子育て本よりも、記事よりも、ダントツに腹落ちします。子育てで根本的に大事なことは、ものすごくロジカルに言語化されていて、ちょっとしたテクニック的なことは実践しやすくて、本当に出会えて良かったです。

私は3歳の娘がいます。今までイライラすることも多かったのですが、ブログをきっかけに叱るのをやめたら、イライラが減り、娘がかわいくて仕方ありません。

私は両親が過保護過干渉で満たされなかったという自覚があり、娘が0歳の時にそれを両親に手紙で伝え、今ではわだかまりがなくなったという経験があります。

そういう点でもおとーちゃんさんの言っている生育歴のことなどが腑に落ちるのです。

おとーちゃんさんの考えをもっともっと多くの方に広めたいです。ぜひこれからも積極的に活動されてください。
妊婦さん、乳児のママの頃からおとーちゃんさんの育児を実践する人が増えたら日本は変わります。

私も微力ながら周りの人におとーちゃんさんを宣伝しています(o^^o)
これからも頑張ってください!

大変面白かったです。

私は上手く関われてるつもり…でしたが、

はっとしました。めっちゃいいなりの形になってるわ…と。。

私の母が私たち子供に関わる姿はいいなりでしたので。。

それで、自分がワガママだった記憶があって、
なるべく工夫して、いいなりにならないようにしてきたつもりだったけど、

でも、全然いいなりでした。

なんか、いいなりの関係が根底にうっすら染み付いてしまってる感じです……

記事を読めて良かったです。気づけてよかったです。

もう少しコメントを書かせて下さい。

自信がないから…のお話は、まったくそうだと思いました。

私は自分の育児に自信がもててませんでした。
それは、じぶんの人生で苦労が多く、またいつもポジティブに向き合えなかったから…

どう育てたら、この子はこんな自分のような人生を歩まずに済むのだろう?

そればっかりでした。頭の中は。

でも、自分なりに、三年間一生懸命向き合ってきて、時にいいなりになってたんだろうな…ほんとに試行錯誤で、時にやさしく諭そうとして「くどすぎる」と言われるくらい、くどくど理屈を伝えてしまったり…娘にも無駄に癇癪おこさせた事もあったと思います。が、自分なりに娘をたっぷり受容してきました。

いいなりの記事を見て、はっとした機会と、
最近、そろそろこちらの要求も聞くようになってほしいなと感じる事がありました。不思議と、三年間の信頼関係があるから、
もう言っても大丈夫や。って思える瞬間がありました。

少しづつだけど、自分の事を自分でできるようになったり、待ってくれたり、するようになってきました。

そうすると、私にも、これで良かったんかなと、少し自信が出来ました。

いいタイミングで、この記事に出会えました。

最近下の子が産まれましたが、不思議と気楽に取り組めるんです。
これは、上の子が、育児に自信のなかった私に育児を教えてくれたんやなって感じてます。。

いつもブログを読んで、勉強させてもらってます。

脱出のキーポイントは、大人からの積極的な関わり…と自分の子育てを省みてもホントにその通りだなぁと納得なんですが、
周囲を見ると、手を焼く子どもに大人がかなり疲弊していて、"子どもの相手はもうウンザリ"というママさんも結構います。
この状態からもっと積極的な関わりを…というのは、実際ママ友などに話すのはとても酷な話でできません。
ホントに産まれた頃から知っていれば…知る機会があれば…と思います。
またたとえこんな状況からでもママをフォローできるような方法がないだろうか…と思います。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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