2017-07

「寄り添うこと」の大切さ vol.3 - 2017.04.28 Fri

前回、”生育歴に辛いものを抱えていて、その人が前に踏み出すために「寄り添ってくれる人」の存在がある”というお話をしました。

しかし、現実はそういったケースばかりではありません。







自身の心境を打ち明けたとしても、理解してもらえないケース。

それどころか、その人の尺度で(その人自身の価値観を述べているだけなので悪意はないのだが・・・)否定されてしまうケース。

「わかった。わかった」、「あ、これ全然わかってくれてないわ」というケース。

などなど。

これらはパートナーが、「良くも悪くも一般の感覚の人」の範囲内のケースです。




こういったものよりももっと深刻なものもあります。

それは、DVや面前DV、モラハラ、虐待などをされて育った人が、自分の人生においてもそれをする要素の強い人をパートナーに選んでしまうケースです。



不思議なことに、「ハラスメントをされて育った人は、ハラスメントをするタイプの人をパートナーに選んでしまう傾向」があります。


なぜそうなってしまうのか。
ひとつには、自己肯定感の低さ、自己決定力の低さを獲得してしまった人は、それの逆の性質を持つ人、自信に満ちていて、ものごとへの決断力があり、自分に対しても強く指針を示してくれる人に安心感を感じるからかもしれません。

これらの性質がよい人格としてまとまっているタイプの人ならばなにも問題ありませんが、結婚前や恋人になる前の段階では、「押し出しが強く決断力に富んでおり」、「優しそう」で「魅力的」に見えていたものが、
実は「自己中心的で我が強く」、「自己愛としての優しさ」、「虚栄心ゆえに見栄っぱり」であり、結婚や恋人関係といった枠に収まったとたん、それを力関係・地位関係ととらえて、本心をむき出しにしたハラスメント人格をあらわにするといったことがあります。



普通の人だったら、「もしそんな相手だったら、とっとと別れてしまえばいいのに」と思うかもしれません。
しかし、人間の心の機微の不思議なところで、この関係は共依存的となります。


ハラスメントをする側にとっては、自身の自己愛を満たすために

・「自身を拍手する(させる)観客」
・「支配者として君臨するための被支配者」
・「自身の自尊心を満たすために虐げる相手」

こういった存在が必要になります。


ハラスメントされる側にとっては、

・「自身を持てない自分の存在や行動を規定してくれる、自分よりも上位の存在」
・「自分を必要としてくれる存在」
・「自身の生活を保障してくれる存在として」
(とくに経済DVなどは顕著だが、そうでなくともさまざまなケースがある。例えば自分の親の介護のために自分は仕事にでられない事情、体面のために離婚ができない、親からの束縛により離婚をさせてもらえない、など)


もし、ハラスメントされる側があまりの仕打ちに逃げ出すと、そのする側はその人がいなくなっては自身も困るので、「魅力的に見える」部分をまたひっぱりだしその人を懐柔します。
普通であれば、そんなことで騙されないと思うでしょうけれども、される側はその束縛から離れてしまうことの不安などがあるので、「つらく当たるのはあなたのためなんだ」といった理由とも思えないような理由で自分の心を納得させまたもとの関係に戻ってしまったりします。


このように恋人や配偶者の不思議な関係が築かれていることがあります。
これはそうでない人にとっては、なかなか理解できないことです。

このような状況にあると、その人が助けを求める、誰かに相談することに踏み切るのは、もう相当どうにもならない壁にあたってやむなく・・・・・・、ということになります。

ここで、相談を受けた人が、それを理解して受け止め寄り添ってくれればいいのですが、せめて理解できなくても理解しようという姿勢を持ってくれることが必要になってきます。



こういった状況にあればその家庭の子育ては、まず無難にいくということはないでしょう。
それに対して外部から適切な対応をできなければ、その子の世代でまたこの問題は繰り返されてしまいかねません。

現代の、子育てのあまり陽の当たらない場所の課題は、この負の連鎖を断ち切ることでしょう。
あまりおおっぴらになっていないだけで、こういうケースはたくさんあります。
「陽の当たらない場所」にあるというだけでこの問題は小さいものではありません。むしろとても大きな問題と言えるでしょう。

いまここにてこ入れをしていかなければ、この問題は増えこそすれ減ることはないでしょう。
だから、本当は社会的に考えていくべき問題ではないかと思います。





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● COMMENT ●

長文失礼します

娘が生まれてからもう4年たちました。娘が1歳児のとき保育士さんから、お母さんは言いなりです、と言われて、いいなりとはなんぞや?と思ったところからおとーちゃんの記事を読むようになりました。

その頃、離婚をしたばかりで、それまでにも自分の育ちや、元夫の育ち、世界観、自分が娘に出来ること、用意できる環境とは何かなど考え、あるHPにたどり着き、貪るように読んでいました。(最近は違うテーマばかり書かれていますが。前は、親の呪縛から犯罪まで犯してしまう方々の分析などされていました。)
これまでにも、こちらのHPを読みながら奥底は同じテーマなのだろうなと感じていましたが今回のテーマでおとうちゃんが深く切り込んでくださったのでメールしました。
どうしてこんなにも世界と合わないのか、どうしてこんなにも『家族(源家族も元夫と作った家族も)』で過ごすことが安穏といかないのか、ずっとそのようなことを考えていました。

わたしは小学校高学年から離人症でした。新聞やネットで目にするような具体的な虐待をされた記憶はありませんが、父親は理不尽で利己的自己愛の強い人、母はそれにかしづいてばかりで自分のない人、母が私たち兄弟を叱るときは、それをすると父が怒るから。母は内容のない人だと思っていました。学校も、同様です。友達は好きだし、何人も居ましたが、軍曹の命令と中間管理職が存在して、平然と並べられた巣箱の中に押し込められていると感じていました。

いつも焦点があわずステレオグラムを見ている感じで、生きている実感どころか、自分の声も遠く、感情がはっきりしないものだから好きも嫌いもなく、進路もぼんやりとしたものでした。

私が30数年生きてきてたどり着いた生きづらさの答えが、生育歴、親との関係です。親のことは好きだけれども愛されない。親は自分自身が大好きで、子どもが彼らの生活にとって付属品だということも理解しています。一番効果的だったのは、エンプティーチェアという手法で、向かい合う席に父や母、兄、小さな自分を置いてみて言いたいことをぶつける。頭で考えるより、自分が思ってもみなかったような言葉が出てきて驚くことがありました。

おとうちゃんたちから知恵を得て、知る以前より心が騒ぐことが減りました。とても感謝しています。インナーチャイルドを抱きしめて、期待通りではない親を許して、目の前で泣くわが子を叱るのではなく抱きしめて、なんとかなるよ大丈夫、にっこり、と出来るようになりました。自分はまだ自己洗脳してるな、自分の怒りを娘にぶつけているなと思うこともしばしばですが、『心と身体を紐解くには、縛られていた時間と同じだけ時間が必要』と思い、過ごしています。そんなこと当たり前、と言われるかもしれませんが、人として娘と自分の平等を重視すること、娘が自分の好きなことはこれ!と言い続けられることが子育ての目標です。

おとーちゃんさんのブログにたどり着く人は、悩み、葛藤し、乗り越えようと頑張っている人たちだと思います。

この頃、我が子を見ていて親である私も自立しなければならないときがもうすぐやってくるんだな、と思うようになりました。まだ小学校一年生ですが。子離れとでもいうのでしょうか。

この子が自分の手で自分の人生を幸せにできるように、私も自分の人生を自分自身で幸せにしなければと。
子どもは親の夢を叶える道具ではないのだと。
子どもの夢は子どもだけの宝物だから、私は私の夢を新しく探さなければ。そんな風に思っています。

はじめまして☆

はじめまして☆
今回核心をつくブログ内容で思わずコメントさせていただきました。

どれ位の年月か分かりませんが以前から先生のブログを拝見しております。

先生自身も幼い頃大変だったのかな、だからこうして声を上げて育児について語っているのかなぁと感じていましたが、やはり先生も過酷な環境を育ってきたのですね。

わたしも過酷な環境の中育ち現在育児をしています。

子供に向き合いたくない日もしょっちゅうあります。

このブログへ毎日足を運び、熱心に子育てや心理学を勉強する時期もあれば、好きなことをしたくて全く見にも来ない日も。。

私はフラッシュバックが酷いので、ありのままの娘を見てあげれていないかもしれません。

最近カウンセリングを受けはじめました。
正直高いし家計が苦しいし、自己肯定感がとても低いので『こんな大金、私ひとりのために使ってもいいのかな。。』とソワソワします。

でも、私の母は情緒不安定で私が幼稚園の時に自殺したのです。
なので母が安定すると言うことがどれほど子供にとって安心出来て居心地がよいかよくわかっています。

どうか皆が育児しやすい社会になればいいのにと思いますが今の世の中は厳しいでしょうね。

こうやって声を上げてくれる人が1人でも存在してくれることは心強いです。

応援しております。

虐待の連鎖

 初めてコメント致します。既婚で子供は居りませんが、注意欠陥障害と愛着障害を原因とする情緒不安定に苦労する中でこのブログにたどり着きました。
 母は四大卒のインテリでしたが注意欠陥障害のためかビ*チで、未婚で私を出産し、自分の両親に子供を預けて出張の多い仕事に出ながら、男が途切れることがなく、帰ってくるのは1週間に1回程でした。やはり注意欠陥障害で感情の爆発を抑えられない祖母は、孫は可愛いとは思っていたようですが、幼い私には理解不能なこと、今となれば祖母の我儘以外の何物でもない理由で誰それ構わず突然激怒し、母のいない中毎日怖い思いをしました。口腔崩壊など、ネグレクトもありました。祖父母の体力、殊に感情の爆発以外に汚部屋症候群を抱える祖母にとって、子育ては不可能に近かったのです。
 私は今はパートで働ける程度の社会性がありますが、それでもいつ自分の精神が崩壊するか不安です。義務教育時の通知表には毎年情緒不安定と書かれていて、実際私と同じクラスだと分かるや否や、慌てて子供を転校させた保護者もいるぐらいです。私自身「私は精神病ではないのか。なぜ私は養護学校ではないのだろう」とずっと悩んでいました。そんな私を母は理解できないし、理解する気もなかったようです。母自身も祖母ほど重症ではありませんが感情の起伏が激しく、機嫌がよいと理由もなくお小遣いをくれましたが、機嫌が悪いと理由もなく八つ当たりする人でした。それが子育てに悪影響を与えるものであり、仮に片親家庭であっても、そこまで一貫性のない態度を子供に対して取ったりしないという事実を理解していないだけでなく、知識としても持ち合わせていなかったのです。
 成長した私は、大学生活をストーカーに潰されました。愛着障害は、人を失うのが怖い。そこに付け入られたのです。「ストーカーと別れて別の男性と付き合ったが、それに納得しないストーカーを巻き込んで泥沼化した。男性たちの縁を全て絶ち切るために固定電話(携帯が普及してない時代です)の番号を変えてほしい」と母に頼んだ程重症でした。にも拘らず母はストーカーからの電話を「ボーイフレンドからよ」と言って取り次ぐ始末で、自殺未遂をするまで追い詰められました。
 その後典型的な引きこもり生活から、バイトや習い事をできるようになった段階で現在の夫と出会い結婚しましたが、結婚と同時に病を得て、家事と犬の世話の両立が出来ず、私が母や祖母にされてきた虐待を、犬に対して全てやってしまいました。勿論犬の新しい飼い主を探そうと何回も説得しましたが、結婚してから汚部屋症候群系の注意欠陥障害であることが分かった犬好きの夫は、犬の毛が舞い散る部屋と皮膚病の犬を見ても何が問題なのか理解せず反対し続けました。自分の衣食住が足りていれば、自分にとっては何の問題もないからです。説得の結果朝晩2回の散歩のうちの1回を夫に代わってはもらえましたが、私の病が治ってパートに出るようになると今度は老犬介護が始まり、結局私が病気の時と同じ問題が生じました。保育士お父ちゃんが本文で仰っている事態が、我が家でも起きたのです。
 今にして思うと、病気が分かり夫に犬を手放す意思がないことが明確になった時点で、自分が使っている通信機器の類を全て解約し、その月額分を掃除の外注に回せば済むことですが、当時は掃除の外注どころか、犬を1か月に1回トリミングに出す(中型犬までなら人間の美容院とほぼ同額です)ことすら思いつきませんでした。
 虐待家庭に育った者は、歪んだ人間関係しか体験していません。健全な人間関係というものを知識としては持っていても、どう実践すれば良いのかも分からないし、そもそも健全な人格の人間と知り合うのも難しいです。現に私の母も、私の実父を含め交際した男性は全て既婚者です。半ば無意識にでしょうが、不倫略奪婚という負のお墨付きにより、悪魔的な祖母から永遠に勘当されたかったのかもしれません。実際には全ての男性から都合のいい女として扱われ、勘当されるチャンスは一度も来ませんでしたが。
 長文失礼しました。


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